■ 2014小さな旅1 ■
2014.1.25-27 秋田・新潟・箱根の旅
★2014.1.25(土)曇り 8℃
この時節、「最上川逆白波の立つまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」と歌人斎藤茂吉が詠った厳冬期の日本海の風雪。ところが雪も解けて春の陽気となり、今日は暖かい一日であった。
①仙台駅9:14 「こまち23号」 秋田駅11:32
一ノ関を過ぎると雪模様と変わり、盛岡から秋田までの谷合いの山並みは白銀の世界の異次元空間を味わっているようだ。田沢湖・角館・大曲と味わいのある駅舎は郷愁を感じさせる。秋田駅を降りると、昨年10月オープンした県立美術館の藤田嗣治:渡仏100周年記念の絵画に圧倒される。25mにわたる大壁画「秋田の行事」はまさしく秋田の伝統行事の大迫力で昔にタイムスリップした感覚におちいる。まさしく美術館は想像力の海を駆け巡る。
②秋田駅13:00「いなほ10号」新潟16:32
駅構内で駅弁(大館の鶏めし、秋田こまち弁当)を買い込み、ガラガラの車中で荒波の日本海を見ながら、ゆっくりと舌鼓を打ちながら南下する。象潟、にかほ、酒田、鶴岡、村上、新発田、新潟と松尾芭蕉の足跡を思い出しながら3.5時間走り続ける。冬の日本海は何か物寂しくなる。新潟も雪もなく温かく、何か物足りなさを感じる。新潟ブルースでおなじみの悠々と流れる信濃川にかかる万代橋で、しばしくつろぐ。橋のたもとに最近、建立された新潟日報のある20Fビルの「MEDIA SHIP」の展望台から新潟の夜景にうっとり。夕食は新潟ならでは魚料理を味わい、ちょっぴりお酒もいただき、旅の楽しさと旅先の気楽さから酔いも早く、気持ちよいひと時を味わう。明日は雪模様であるが、どんな雪になるのだろう。こな雪//つぶ雪/わた雪/みづ雪/かた雪/ざらめ雪/こほり雪。でも暖かいな。。。。
★2014.1.26(日)曇り&晴れ 14℃
北海道を舞台にした浅田次郎さんの「鉄道員(ぽっぽや)」は印象深い場面から始まる。5分遅れの列車が駅に着くと、主人公である老いた駅長がホームに立っている。外套の肩に積もった雪。遅れた列車を厳寒のホームでじっと待ち続ける規律正しく誠実な鉄道マンの人生が伝わる。
①新潟駅9:00 「とき314号」 東京駅10:39
新潟の朝は雨模様である。コシヒカリ、柿の種、笹団子で有名な新潟を後にして、一路東京へ向かう。高崎付近を過ぎると車窓からの景色はまるで春が到来したかのように汗ばむ陽気が続く。新幹線であっというまに雑踏の東京へ到着する。何かこのスピード感ではちっとも旅情が感じられない。蒲田・横浜で所用をこなし、出産真近な(3月)息子の嫁さんの大きなおなかに安堵したことも手伝って、久しぶりに横浜観光へと出かける。桜木町駅より周遊バス「あかいくつ」中華街・元町コース、みなとみらい21コースがあり各々100円で周遊できる。これにさえ乗れば下手な観光バスよりもリーズナブルでゆっくり廻れ、運転手さんがガイドもしてくれる。年甲斐もなく赤レンガ倉庫や横浜夜景を見ながら、はしゃぐ自分の姿が面白かった。(恥ずかしかった)
★2014.1.27(月)晴れ 2℃ (箱根)
今日は絶好の雲ひとつない青空が朝から広がる。こんな日は<富士山を見に行こう!>で決まり。正月の大学箱根駅伝の箱根路へ。滝廉太郎作曲の「箱根の山は天下の剣」を口ずさみながら勇んで電車に乗る。①横浜7:52 東海道本線 小田原8:52 よりフリーパスにて箱根へ。箱根湯本・宮ノ下・小涌園と駅伝中継でおなじみのルートをバスで駆け上る。いかにも駅伝ランナーがやっとたどり着いた感覚と同じで箱根関所へ到着する。芦ノ湖からはなんと真白き富士山がクッキリと浮かびあがっている。さっそく湖上をすべる海賊船でレトロな船旅のスタートである。桃源台からロープウエイで大涌谷へ。黒たまごでおなじみで山々から硫黄が噴き出ている。富士山の後方にはなんと南アルプスも見える。絶好のMt.Fuji View Pointである。時間も忘れる空中散歩のその美しさにうっとりしながら、今度はケーブルカーで強羅を目指す。強羅にある八代亜紀さんの別荘を眼下に眺めながら、今度は下り始める。甘酒茶屋、そして鈴廣かまぼこで土産よりも揚げかまぼこ試食のオンパレードで腹を満たす。小田原では紅梅・白梅がすでに咲き初めている。春も近い。②小田原16:12 東海道本線 東京17:32 ‐ 17:56 はやて 仙台19:40 箱根でとっておきの時間(The Premium Time)の余韻に浸りながら、いざ帰路へ。帰りの車中で、この3日間の旅を振り返りながら話し込む。<人生は旅だね> <人だもん喜怒哀楽しながら山を越え谷を下り、暑いも寒いも愉しみながら自然の芸術品にワクワクドキドキのひと時を駆け巡る>。