■2016活動日誌6月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。コメントをお寄せください。
6月30日(木) 小雨 21℃
半夏一輪咲き(はんげひとつさき)―明日から7月
6月30日。1年も半分が過ぎようとしている。もう明日からは今年の後半戦がはじまる。「半夏一輪咲き(はんげひとつさき)」とも言われるが、山形では紅花は、半夏生のころに咲き始めるとされる。早朝、畑の中に1輪だけポツンと咲いた光景が駅のポスターに掲載されていた。どこか妖しい雰囲気も感じるが、暦の上ではその半夏生があす7月1日である。今は梅雨の真っ最中で、朝から小雨が降っている。家の近くの雨煙る山辺に、一筋の道が続いている。傍らの斜面にはアジサイ、見渡す限り。青い球形の花がそこかしこ、近くは色濃く、視線を先にやれば、花は雲粒に紛れて色を失い、白いとばりの中へと消えていく。アジサイ、てまり花。雨の日の風情は格別できれいなもんである。旅の余韻を感じながら、JR駅に降り立った瞬間を思い浮かべてみた。音楽と同じで余韻に浸れるのが旅の楽しみの一つだろう。うまい料理や美しい景色ばかりではない。土地の人柄や文化に触れる機会があれば、思い出は深まる。改めて旅の協奏曲に酔いしれながら、旅日記を整理している。でもファームが気になりだして、パートナーとせっせとファームに向かい、収穫にいそしむ。ブルーベリーの熟した黒い果実の濃厚な甘さにも酔いしれた一日だった。
6月29日(水) 晴れ 26℃
世界は自国優先の訴えが幅を利かす昨今ー連帯から孤立と分断へ
今日は朝からギラギラと太陽が注ぎ、まさに夏日模様である。そして今日は全国各地で総会が最も多い日でもある。会場の仙台国際センターで行われる某団体の総会へと向かうが、はじめて地下鉄東西線へ乗り込んだ。車両はちょっとコンパクト設計ではあるが乗客数をみれば、これがちょうどではないかと思う。夜の懇親会ではイギリスのEUからの離脱の話が話題となる。面白い各国のお国柄を映したジョークの話で、欧州の国ごとの似つかわしい役目はフランス人シェフ、英国人警察官、ドイツ人機械工、スウェーデン人行政官、イタリア人の恋人である。一方、その逆は英国人シェフ、ドイツ人警察官、フランス人機械工、イタリア人行政官、そしてスウェーデン人の恋人、となるらしい。あまりピンとこないのはスウェーデン人だが、その生真面目すぎる国民性を語ったものらしい。さまざまな考え方や気質を持つ欧州の国と人々。それを束ねる欧州連合(EU)は、過去の二つの大戦を教訓に発足し、現在、28カ国で“家族”を構成している。その大黒柱の一つ、英国の国民投票でEU離脱派が勝利した。移民が急増して仕事を奪われたり、子どもが近くの学校に入れなかったり。そう聞けば気持ちは分からなくはない。ただ、前身である欧州共同体(EC)以来、約半世紀の統合の歴史とこうも簡単に決別するのか、という感は強い。久しぶりにビジネス界の話となり刺激を受けながら現役サラリーマン時代を思い出す。世界は自国優先の訴えが幅を利かす昨今。連帯から孤立と分断へ、そんな暗雲が欧州や世界を覆わねばよいがと余計な心配をしている。
6月28日(火) 曇り/小雨 22℃
ゆっくりとお気に入りの小さな旅でした!
洋の東西を問わず、人類の憧れはスピードであった。社会生活すべてにおいて、いかに速く物事を進めるか、いかにスピードの成果に人類は知恵を絞ってきた。例えば時間距離。新幹線のなかった時代、東京-盛岡間は6、7時間かかった。上京するとなれば最低2日以上の時間が必要だった。それが今や半日もあれば往復可能。寝台列車などのトリックを駆使した私の好きな推理小説もからくりが難しい時代となってきた。ネットの普及もそうだ。全世界が同時進行で結ばれる。人間が情報を運んだ時代に比べ、現代人の仕事量は格段に増えた。文字通り24時間常在戦場。パソコンを閉じたままにしておくと、開いた瞬間のメールの量にため息やら驚くやらだ。。とどまることなく向上する速度のせいでもあるまいが、どこか人間にも社会にも余裕がない。仕事ならいざしらず、私用でもメールを返さないと人間関係がぎくしゃくするような気になる。自分の時間軸がもてない。先人が憧れたスピードは利便性をもたらした一方、ストレスという強敵も生んだ。乗り遅れまいとするほど、高速社会の術中にはまってしまう。今日、小さな旅から帰ってきて、久しぶりに活動日記を今書いている。今回はスピード感よりもお気に入りの地へぶらりと訪ねてみた。Jazz喫茶ベイシー(一関)、オクテット(山形)、想像力の山を駆け上る岩手県立美術館、潮風が心地よい横浜の”港の見える丘公園”。付録として水戸の偕楽園(梅視察)、那須高原(高原野菜栽培)へと。帰ってみると仙台は小雨模様。旅の最後を締めくくるように、雨に打たれたアジサイを見つめながら、今回の小さなは身も心も洗い流してくれたようだ。
6月24日(金) 曇り 23℃
ビニール傘は世界に誇る日本の発明品
この季節、雨に備えて傘が手放せない。奮発して買った傘は置き忘れたり取り違えられたりするのに、なぜか急場しのぎに入手したビニール傘はなくさないもんである。作家の浅田次郎さんは「けっして自己主張せず、持ち主の人格もファッションも脅すことなく、しかも機能的」とビニール傘を絶賛する。使い捨てられた傘を見つけると、必ず持ち帰るそうだ。日本洋傘振興協議会は洋傘の年間消費量を約1億2千万本と推計する。でもビニール傘の割合は統計がない。カラフルな傘の花が雨に映えると言いたいが、昨今は安価な輸入品が大半を占める透明傘が多く味気ない▼とはいえビニール傘は世界に誇る日本の発明品である。綿製の傘が主流だった約60年前、江戸時代から続く東京の雨具の老舗が考案し、今も職人の手作業でビニール傘を生産している。参院選も公示され、18日間の舌戦が始まっています。老舗のこだわりのビニール傘は、梅雨時の選挙運動の必需品と聞いた。雨が降っても街頭に立たねばならない候補者を傘の陰でもくっきり際立たせて重宝されているようだ。梅雨空の下、改選121議席を争う熱い戦いが続く。透明性が持ち味という演説用特製傘を差して語られる公約が、選挙時だけの使い捨てかどうか、よーーーーく見極めないといけないものである。
6月23日(木) 雨 21℃
醤油の香ばしさ漂う縁日の焼きトウモロコシ-夏の風物詩
今日の朝は強い雨音に起こされた。九州地方は大雨で梅雨本番という感じになってきた。地震の後遺症がまだまだ残る被災地で再び災害がないことを願うばかりだ。夏至も過ぎた。一年で最も日が高くなり、昼が一番長い日である。欧州では夏至は6月24日の洗礼者ヨハネの祭日と、冬至はクリスマスと結びつけ、昔から季節の民族の祭りが、この太陽の特別な日に行われる。しかし日本ではあいにく梅雨と重なり、太陽から降りそそぐ日の光の強さを実感することが少ない。なので夏至祭というのはないようだ。夏至の頃は太陽が北半球を最も強く照らす。その太陽を好む代表的な作物にトウモロコシがある。我が家でもトウモロコシを栽培しているが、その苗もだいぶ大きくなってきており。7月下旬ころあたりが食べ頃である。鮮度が良いものは湯がきたてをかぶりつくと身がはじけ、甘い汁が口いっぱいに広がる。アメリカ大陸が原産で、インディアンが食べていたものを15世紀末にコロンブスがスペインに持ち帰った。広まった欧州から世界各地に伝播し、日本へは安土桃山期にポルトガル人により長崎に伝えられた。今やコメ、小麦とともに世界三大穀物である。私が好きな食べ方は、醤油(しょうゆ)の香ばしさ漂う縁日の焼きトウモロコシである。やはり夏の暑い日に公園の椅子に座りながら食べた札幌大通り公園を思い出す。今年はトウモロコシのそばにある悠々ハウスで味わって食べたい。その前に「ハクビシン等の小動物」においしいところを食べられないように監視しないと。。。。トウモロコシは頬張ると、太陽の豊かな恵みがあふれてくる夏の風物詩でもある。
6月22日(水) 曇り 23℃
ブルーベリーで古今東西、森羅万象を見渡せる広い視野をと願いながら
目がしょぼしょぼしてかすむのはパソコンに向かって、この日誌を書いたり、ニュースや調べものをする時間が長いせいか、パソコンを離れてもついスマホに見入ってしまうからか、単に加齢なのだろうか。眼科に行けば、緑内障の可能性もあるとの診察も受け目薬のお世話になりはじめている。疲れ目の予防にはブルーベリーやカシスに含まれるアントシアニンという成分が有効らしい。我が家のファームでもブルーベリーを栽培しており、そろそろ果実も黒くなりはじめ収穫の時期まで、もう一息である。今は簡単に通販でブルーベリーが販売されているが、実際に育ててみると結構、大変であることがよくわかった。丹精込めて栽培したのだから栄養が凝縮しているのではと期待している。ファーム作業も玉ねぎ、ニンニクの収穫もやっと終わり、保存作業(軒下へ吊り下げ)もやっと完了した。これからはブルーベリー、ジャガイモ、ズッキーニの収穫もはじまる。日々、ファームに気を取られてしまっているので、ちょっと一段落しこの辺で一休み。週末26日からの「大人の休日倶楽部チケット」を使い、気の行くままに各地を歩いてみたいと思う。ブルーベリーの恩恵を受けて、目をパッチリさせて、その一粒で鋭い眼力で、古今東西、森羅万象を見渡せる広い視野も─なんて願いながら。
6月20日(月) 曇り 24℃
指切り拳万 嘘ついたら針千本飲ーます!
もうじき参議院選挙が始まる。TVニュース、新聞ではと各党首の威勢の良さと耳触りの良い言葉が並んでいる。人と人の約束とは、かくも重いものに違いないはずであるが、どうも最近はその時々で、都合の良い軽い言葉が並んでいる。「次は消費税率を確実に引き上げる。断言する。」と言った安倍首相はそれを守れなかった。そこで出てきたのが「新しい判断」である。何とも唐突にして、軽い印象を否めない。約束を果たせなかった責任を、ご本人はどう考えているのだろうか。税率をアップすることは無論、庶民に大歓迎される施策ではない。だからと言って、それが約束破りを許す材料になり得るはずもない。税率問題と政治家が公約を守らなかったことは、そもそもが別の話だと思う。どんな事柄にも「新しい判断」が通用するなら、政治家は何とでも言い逃れができる。例えば「戦争には絶対巻き込まれない」「徴兵制などあり得ない」も、「新しい判断」を持ち出せばいかようにも変えられることになる。かつて政権を握った旧民主党も多くの公約を実現できず、野に下った。政治家の約束の言葉に近年はどうも重みと責任が感じられない。胸の中で拳を握りしめながら、いま一度、訴える声に耳を傾けたい。約束事に「指切りげんまん」があるが、げんまんは「拳万」と書き、1万個のげんこつの意味だそうだ。約束を破れば拳で1万回殴られる。子供の約束でもこんなつらい罰があるのになあと。。。ため息がでてくる。
6月18日(土) 快晴 28℃
お天気の心地よさとファーム作業の楽しさを思う存分、味わう!
今日は梅雨の合間とはいえ、30℃近くまで気温は上昇し夏近しを思いおこされるような陽気である。ファームで玉ねぎの収穫しながら、この陽気の中、汗がしたたり落ちるが、水田からの心地よい風が心の中にも染み渡り気持ちがいい。今の時期は梅雨であるが、この梅雨という言葉は中国から伝わった。<千峰の鳥路は梅雨を含み、五月の蝉の声は麦秋を送る>。中国・唐代の詩人、李嘉祐の詩の一節である。渡ってきたのは平安時代らしいが、その頃の「枕草子」には「さつきながあめ(五月長雨)」の言葉はあっても梅雨は出てこない。「五月雨をさみだれと読み、もろこしにいう梅雨なり」と記されているのは江戸時代の随筆「塩尻」だから、使われ出したのはそのころではないかと、気象エッセイストの倉嶋厚さんの本の中で語っておられた。旧暦5月ごろに降る長雨は今の梅雨にあたる。今、各地のしょうぶ園では、小雨にけぶるハナショウブが色を競っているようだ。紫、白、黄色…。優美な姿で水辺の回廊を歩くと満開の花に包まれている。葉は刀のようにすっと鋭く伸び、雨つぶが玉となって光る。今、家の周りでは田植えも終わり、整然とした緑の風景そして苗色が美しい。初夏になれば、きっと、もっと色濃い緑の風景に衣替えするんだろうなあと思い浮かべながら、今日はお天気の心地よさとファーム作業の楽しさを思う存分、味わった一日であった。
6月16日(木) 曇り 22℃
東京都知事 - 党利党略は捨てて都民のためのリーダーを!
2008年北京五輪閉会式はサッカーのベッカム選手が登場して五輪旗のロンドンへの引き継ぎを盛り上げた。2012年ロンドン五輪閉会式ではサッカーの王様、ペレさんがリオデジャネイロ五輪をアピールした。8月21日(日本時間22日)のリオ五輪閉会式の引き継ぎセレモニーでは、東日本大震災の復興支援への感謝や東京、日本の魅力を伝える演出が予定されている。そこで五輪旗を受け取るはずだった舛添要一東京都知事が政治資金流用問題などの責任を取って辞職願を提出した。「リオ五輪で東京が笑いものになってしまう」と舛添氏は涙ながらに都議らに延命を懇願した。よほどリオへ行きたかったのだろうか。新国立競技場の建設計画とエンブレムの白紙撤回、膨れ上がる大会運営費、招致委が2億円超を支払った不正疑惑…。2020年東京五輪を巡る混乱がまた一つ増えた。辞職に伴う都知事選の投開票は7月31日の見通しとの話である。都民にはぜひとも五輪開催都市の代表として信頼できる人物を選んでほしい。前回の都知事選で自民党は舛添氏を支援し、安倍晋三首相も応援演説した。都議会の自民党は当初、知事を守る姿勢だったが、世論の反発に「辞職は不可避」と一変した。消費税増税の再延期と同じく参院選に向けた、これも「新しい判断」なのだろうか。とにかく、ケチのつく東京五輪である。もう党利党略は捨てて、真のリーダーシップを発揮できる知事そして日本国民が応援できるリーダを選択してほしい。とにかくもう時間はないのだから、ピシッとしてほしいものである。
6月15日(水) 曇り 23℃
人生下り坂最高! - にっぽん縦断 こころ旅
NHK・BSプレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」で俳優の火野正平さんが自転車に乗って各地を走っている。寄せられた手紙に託された目的地を訪ねる。自転車好きの私にとって、楽しみであり、うらやましく思う時もある。私もいつかは体調がよくなり次第ゆっくりと旅してみたいと思っている。特に東北各地の風景をみると、土地勘もあることから特に親近感を覚え、馴染みのある場所をみると、すぐにその場所に行ってみたくなったりする。自転車ならではの適度なスピード感がいい。風景が画面に溶け込むように映る。そして、ふと止まっては、道端の植物を観賞したり、道行く人に話しかけたり。旅の途中の出会い、触れ合いが心を和ませてくれる。自転車に乗ると確かに出会いがある。街角で知人を見かけ、一言二言。通勤や散策ルートを変えると、これまで知らなかった路地で、良い雰囲気のお店を発見したりする。私にとって山々を眺めながら農道を走ったり、広瀬川沿いを走る場面が一番好きである。いつまでも乗り続け、火野さんの名言にもある「人生下り坂最高!」を噛みしめながら、走ってみたい。今日、S会社の歓送迎会において、おいしいお酒と料理をいただいた。くだり坂の素晴らしさを語り合いながら味わいのある人生を送りたいと思っている。ただし、自転車を危険な存在にしたくない。けがをせず、けがを負わせない走りを心掛けていきたいと思う。
6月13日(月) 雨 20℃ 梅雨入り
見わたせば蒼生よ田植時 - 逆さ蔵王連峰
今日、東北地方は梅雨入りした。久しぶりの雨が降り出し、我が家の庭やファームも気持ちよさそうである。お天気の朝、田んぼの水面に蔵王連峰が映し出された「逆さ蔵王連峰」。この光景をみると、なぜか内心ホットする。二十四節気の一つ、芒種(ぼうしゅ)も過ぎ、梅雨の時季を迎えた。稲のように実に突起のある穀物をまく頃とされる。同じ二十四節気でも、立春や秋分が知名度抜群の看板役者なら、こちらは地味な端役であるが、農作業を志すものとしては主役とも思える節目の時期でもある。今年は与謝蕪村の生誕300年。芒種の時季を詠むこんな句を思い出す。「見わたせば蒼生よ田植時」。「蒼生」は「あおひとぐさ」と読む。人がいっぱい、という意味である。ある作家はこう語っておられた。「往時、田植はまさに人の和を生かした一年の節目の労働で、蕪村が詠む田植には快い人間讃歌が感じられる」。重労働ではあるが、田んぼにはにぎわいがあった。今の時代、政府はTPPに対し現実を直視せずに「攻めの農業」を唱えるものの、田畑は減り、働き手の高齢化が進むんでいる現実ではあるが。。。。にぎわいが薄れ、農が大事にされない国に未来はあるかと、水田に映し出された山々に問う。それだけ稲穂の存在感が薄れたような気もする。しかし田がある。夜明けに見渡すと、田に張られた水面ではカエルの大合唱そして朝日に照らされた明かりがまぶしい。この風景がいつまでも続くように思わず手を合わせた。
6月11日(土) 晴れ 27℃
初夏を感じさせるのは「苗色」ー水田の苗が整然と並ぶ光景は美しい!
爽やかな新緑が少しずつ深みを増しはじめている。そんな季節の移ろいを感じつつ、我が家の周りの森の木々に目を凝らせば、葉によって濃淡が微妙に異なると分かる。さて、どれだけの言葉で色を区分けできるだろうか。うぐいす、もえぎ、若竹、青磁…。緑の仲間は実に20種類以上もあるという。黄緑色は、淡い色なら「裏柳」、柔らかな感じなら「わさび色」、かすかに灰色を帯びていれば「柳染[やなぎぞめ]」と使い分けるらしい。呼び方の由来と日本語の深い味わいを教えてくれる。わずかな違いを感じ取り、巧みに言葉を紡ぐ日本人古来の繊細さも示しているような気がする。我が家周りの森に足を運んでみると、緑でもいろいろと表現できるようないくつもの緑を感じることができる。初夏を感じさせるのは「苗色」という。透明な水田に苗が整然と並ぶ光景はどこも美しい。田植えもほとんど終わり、緑は前へ向かう人の気持ちの歩みも伝えてくれるような気がする。我が家の狭い庭ではあるが、森と同じ感覚で呼吸できるように少しづつ整備していきたいと思う。
6月10日(金) 晴れ 29℃
一般とかけ離れた政界の非常識 - こじつければ何でも「政治活動」
今日は朝から日が注ぎ夏日の29℃の陽気である。連日、TVをつけると各局が競い合うようにワイドショーでは定番番組かのように舛添要一都知事の話題が流れている。しかし、ニュースを見るたびに、これだけ公私混同しているとはあきれ返るばかりである。ちまたの言葉を借りれば、「せこい」と言うほかない。宿泊代、回転寿司、天ぷら、饅頭、文房具、書籍、硯(すずり)、絵画、パジャマ…。衣食から日用、骨董品にまで至る。シロかクロかは別にして、弁護士の口を衝いて出る品目の多さにあきれ返る。舛添要一都知事の政治資金流用疑惑に関し、調査した弁護士が「政治関係の資料が大半」と報告した書籍だが、時代小説「素浪人稼業シリーズ」やミステリー小説、漫画「クレヨンしんちゃん」などもあった。硯や筆、シルクの中国服も上海で買っていた。舛添氏は書を趣味とし「双光(そうこう)」の雅号を持つ。シルクの服を着れば「筆がスムーズになる」というのが“書家”としての弁明らしい。「政治活動に役立っており、不適切とは言えない」。硯も中国服もシロ、と調査報告は指摘する。絵画や版画の購入も、外交を円滑にするための知識習得の一環という。この論法では、こじつければ何でも「政治活動」になる。だいたい家族旅行を経費請求する勤め人がいようか。そんな一般とかけ離れた政界の非常識は、国会閉会と不起訴を待っていたように復帰宣言した甘利明前経済再生担当相の口利き疑惑にも感じる。いかに政治家を律する法が「ザル法」ばかりか教えている。問題になれば頭を下げて返せばいい、で済むまい。疑いの目を向けられること自体、議員さんや都政トップとしての資質に欠ける。何とかならないのだろうか。
6月8日(水) 曇り 28℃
梅雨入りも近い ー 心のさまを雨の音に表す文化もいいもんだ。
しとしと、ぽつぽつ、ぱらぱら、ざあざあ…雨の音を表す言葉が日本にはいっぱいある。石川啄木は歌集「一握の砂」で<たんたらたらたんたらたらと雨滴(あまだれ)が痛むあたまにひびくかなしさ>とうたっている。心のさまを雨の音に表す文化が根付いてもいるような気がする。6月に入り、東京以南は梅雨入りし、東北も来週あたりから梅雨入りするのではないかと思う。今は晴れていても、洗濯物を抱えて雲行きを眺め、雨がしょぼしょぼし出さないか、ざーと来ないか気になる日々が当分続くのではないだろうか。梅雨前に新緑と温泉を求めて車を走らせた。連なる山々の稜線が鮮やかな曲線を描いている。吾妻山と安達太良山の山間の川音のせせらぎ、水滴と葉っぱ、岩と砂があたりその音が重なり合い、ざあざあと激しい川音になっていく。ここの源泉は、土湯温泉街から約2km、山深い荒川の源流沿いにあり、地中から150℃前後の温泉蒸気と温泉水が噴出し、吾妻山系の雪解け水などの湧き水で造湯した温泉が、毎分約1,800リットル、 24時間絶え間なく温泉街に送られている。泉質は、無色透明の単純温泉。お肌にやさしい弱アルカリ性温泉です。山ふところにひっそりとたたずむ温泉街と初夏の新緑や小動物(鳥、虫の音色)が織りなす自然の息吹の中で、開湯千年と伝えられる土湯温泉は千年前から変わることのない、体と心の癒しの温泉であることを胸に刻みながら、温泉街を練り歩く。日本っていいなあ。。。。。
6月6日(月) 曇り 22℃
ムヒカ氏が一層輝いて見える ー 舛添知事の厚顔に!
以前にも記述したが、ウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏は、今や「清貧」の代名詞のような存在である。「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」。貧困問題が話し合われた4年前の国連会議で、こう語りかけ一躍、時の人となった。大統領職にあっても大統領公邸のベッドに入らず、首都郊外の平屋に住んだ。普段は中古の愛車を自ら運転する。公用車に乗っても、運転手にドアの開閉をさせない。現在は国会議員だが、平屋の暮らしは変わらない。給与の大部分を財団に寄付している。大統領時代も月千ドルの生活を続け、いつしか「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれるようになった。片や政治資金の私的流用疑惑の渦中にある舛添要一都知事である。定期記者会見や都議会で謝罪し続けている。しかし家族との宿泊代や美術品の購入など、肝心の流用疑惑については説明を避け、「私は信頼を失っているから」と自身が依頼した弁護士2人厳しいジャッジに委ね、今日その調査結果が発表された。当然かのように違法ではなく不適切だとの話。こんな言い訳がまかり通るこの世界の「政治と金の問題」はいつまで続くのだろうか。そして、この厚顔のずうずうしさには閉口してしまう。身から出た錆なら、支出の実態も本人が一番分かっているはずである。謝罪したり、厳格な運用を徹底すると言っても東京都民は誰も升添氏を信用する人はいないと思う。ムヒカ氏が一層輝いて見えるとは、情けない限りだ。
6月5日(日) 晴れ 23℃
立憲主義と安保法制 - 集団的自衛権はやはり違憲!
今日は「芒種(ぼうしゅ)」。イネ科の植物の実の尖った部分を「芒(のぎ)」といい、芒のある穀物の種をまくころを指す。歳時記では田植えが始まり梅雨めいてくるころとされているが、現代の田植えは早まっており、周りはではほぼ終わっている。緑に染まった田んぼを渡る風はすがすがしい。すがすがしいと言えば、昨日、若手憲法学者「木村草太」さんの講演を聞いてすっきりした気分になった。久しぶりに2時間半近く、集中し聞きごたえのある内容であった。演題はずばり「立憲主義と安保法制」である。彼はメデイア(報道ステーションコメンテーター)等にも多く出演し切れ味鋭い若手学者(35歳、首都大学東京教授)で、いつかは一度聞いてみたいと思っており、今回は仙台弁護士会が主催してくれた。安保法制といえば、名前からは何か安全保障の大事な法案であると受け止めている人が多いと思うが、内容をみれば、「自衛隊海外派遣拡大法制」であると指摘している。多くの憲法学者、歴代の法制局長官、元最高裁判所判事等が違憲性を指摘していたが、審議が尽くされないまま、強行採決された。本件は立憲民主主義国家としての我が国の歴史に大きな汚点を残したものである。今回を契機に、憲法第9条、13条、73条から読み解くと完全に集団的自衛権は違憲であることが理解できる。日本は米国の47番目の州なのだろうか。これから梅雨を迎えるが七変化の名を持つアジサイは雨に濡れて鮮やかさを増し、梅雨の憂鬱さを一掃してくれるが今回の講演はまさに憂鬱な気分を一掃してくれた。
6月3日(金) 晴れ 23℃
いつまで「新たな判断」とおつきあいしねばならないのだろうか?
ある政治評論家が安倍晋三首相の経済対策「アベノミクス」を、鰻の蒲焼きに例えてこんな話をしていた。「鰻屋のご主人である安倍さんは蒲焼きを団扇であおいで強烈な匂いを国民に送る。もうすぐ鰻丼にありつけるものと皆期待しているのだが、実際に味わっているのはごく一部。大方は匂いだけをかがされているのが実態だ」と。消費税率10%への引き上げを再延期すると言った首相。理由は世界経済のリスクに対応するためで、あくまで「アベノミクスは順調」なのだそうだ。腑に落ちなかったという人は多いのではないだろうか。デフレ状態からの脱却はアベノミクスの成果。そう言われて素直に賛同できる人はどれだけいるだろうか。再延期でことさら強調された外的要因を、アベノミクスの失敗隠しと見る向きも多い。思えば、いまだに検証されないままの「矢」の当たり所である。首相の景気認識が怪しくては庶民の鰻の夢も遠い。「必ずや(増税できる)経済状況をつくり出すことができる」とは前回の延長時の首相の言葉だ。振り返ることなく、今度はさらにエンジンを吹かすという。蒲焼きの匂いを送り出す団扇だけに力が入る、そんな図にならぬかと心配である。いつまで一国の首相とは思えない言葉の軽さと同様に、いつまで「新たな判断」とおつきあいしねばならないのだろうか。
6月2日(木) 晴れ 19℃
衣替え ー 新緑を駆け抜けた小さな旅(黒駒山)
6月に入り、衣替えのシーズンでもある。昔なら男子は学生服からワイシャツ、女子はセーラー服からブラウスへと一斉に切り替わった。制服が黒や紺から夏服の白に変わることで季節の移ろいを実感したものだ。若い頃、猛暑を我慢して学生服を着続け、逆にワイシャツで震えていた晩秋を思い出す。最近はクールビズやウォームビズで省エネの寒暖対応に躍起となっている今日、暦通りの衣替えは死語化しつつあるような気もする。今日は特別予定もなく体調もよいこともあり、思い立ったように栗駒方面へドライブ兼日帰り温泉に出かけた。一関ICより厳美渓を通り、栗駒山へ向かう。山に入ると山天気らしく小雨模様となってきたが、新緑がまぶしい。お気に入りの秋田県側の栗駒山荘の須川温泉(仙人の湯)へ浸る。栗駒山荘の湯は日本でもまれな強酸性のみょうばん緑ばん泉で、源泉からの湧出量は毎分6000㍑。これは一カ所の源泉から湧出する量として国内第2位である。その湯量豊富な温泉は源泉から溢れ、川のように流れています。展望大浴場は、標高約1100m。栗駒山の裾野に広がる須川高原の大自然が一望に見渡せる大パノラマ露天風呂です。開放的で野趣あふれる出湯からは、左手に「秣岳」、右手にブナの原生林が茂る「野鳥の森」、眼下に「イワカガミ湿原」、そして山と森の稜線が交わる正面中央に出羽富士「鳥海山」と雄大な自然が心に残る情景です。まさしく日本の自然の雄大さを感じさせてくれる。泉質は強酸性の明礬緑礬(みょうばんりょくばん)で泉酸性・含鉄(Ⅱ)・硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)。源泉温度 49.9℃。ややぬるめで長く入るにはちょうどよい。先日の山形蔵王温泉の泉質にやや似ているが、やわらかな泉質が肌にまったりとからみつくようである。帰りは鬼首・鳴子温泉を経由して岩出山の有備館を久しぶりに訪れた。震災で壊れた有備館も修理が今年4月で完了し、その優美な姿を再現してくれている。6月の木々の衣替えした新緑の中を潜り抜けた束の間の小さな旅であった。