■ 2013活動日誌11月■
日々の季節の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたことなど、思いのままに綴ってみました。おつきあいください。
★2013.11.26(火)晴れ 11℃
今日は所用で仙台駅前を訪れる。駅前では特定秘密保護法に関する抗議が行われている。この法律はまるで日光東照宮にある三猿の彫刻「見ざる言わざる聞かざる」のようである。三匹の猿がそれぞれ目、耳、口をふさいでいる。その意味は自分の欠点や他人の難点は見ない、聞かない、言わないのが身のためということだ。「国には守らないといけない情報や秘密がある」と推進派はいう。機密を漏らした公務員への罰則を強化し、漏えいを教唆した人も処罰されるらしい。となれば大抵の人は「見ざる言わざる聞かざる」を決め込むしかない。それは「知る権利」を制限することになる。さらに秘密が意図的に指定される危険性やそれをチェックする機関もない。世論調査でも62%が「知る権利が守られない」との結果。福島の公聴会でも原発事故の情報隠しを踏まえ「情報公開が一番大切だ」など慎重論が相次いでいる。権力の座にある者は庶民の目、耳、口を覆い隠すことになぜ熱心なのか。世論の声を吸い上げてくれる政党はいないのだろうか。
★2013.11.25(月)曇り&小雨 8℃
昨日24日、日本一に輝いたプロ野球東北楽天の優勝パレードが仙台市青葉区の東二番丁通で開催された。青空の下、21万4000人が沿道を埋め尽くし、星野仙一監督をはじめ全選手ら約100人が参加。球団幹部や自治体関係者らとオープンカーとオープンバス計10台に分乗した。私はTV観戦であったが、今まで仙台でこんな混雑はみたことがない。沿道を埋め尽くした人々からは盛んな声援が鳴り響く。東日本大震災を乗り越える更なる契機になることを期待したい。今日は朝から冷え込み、薪ストーブも朝からフル活動している。ひょうたんの収穫と共に雨と冷え込みで、きのこが気になる。来客の合間に裏山に出かけ、出具合を確認したが、ひらたけ、なめこ、むきたけが寒暖の差もあり、結構出ている。この瞬間がたまらない。腹(胃はないが。。)と顔が思わずほころぶ。野菜・果実・キノコ等。。日本の秋は、里山の秋は、これだからやめられない。
★2013.11.24(日)晴れ 12℃
昨日は恒例となっている福島の五十沢地区の柿とりに参上した。あんぽ柿の里として有名で、干し柿の農村風景は日本の原点のような気がする。甘柿も渋柿も、この5年近く、これを取らねば秋は終わらない感覚になっている。現在は甘い物が簡単に手に入るが昔は違った。干し柿の甘みは貴重であり、この地区の農家にとってはかなりの収入源だったらしい。高さ5~6メートルの柿屋の中に皮をむいたオレンジ色の大ぶりの柿の風景は圧巻である。今日は我が家も頂いた柿をパートナーと一緒に皮むきをする。そして縁側につるした干し柿は陽にあたるとキラキラ輝き、色あいと同時に何とも言えない甘い香りを漂わせる。日ごとに甘さを増し、お正月ころには干し柿もできあがる予定である。柿の甘さはちょうど和菓子の甘さの基準、日本人の甘さの基準になったらしい。お正月には、お茶を飲みながら、干し柿をじっくり味わってみよう。ぜひとも干し柿の甘さを味わいに我が家に訪れてほしい。
★ 2013.11.22 (金) 曇り 10℃今日は「いい夫婦の日」。この日に婚姻届を出すカップルも多いという。「いい夫婦」の形や、そのための努力は人それぞれであるが、著書や映画でも有名な作家の眉村卓さんは、がんで余命少ない妻悦子さんのために1日1話の短編を書いて読ませたらしい。付き添いのために執筆が減った夫を気遣う妻を安心させるためだった。最後になった第1778話に、眉村さんが記したのは「また一緒に暮らしましょう」と。私達の場合は今回の入院・手術・退院後の食事等を通して、パートナーにはだいぶ心配と世話をかけた。今までは適当な距離を置いた方がうまくいくものだと思ってきたが、病気をきっかけに、山あり谷ありの人生をともに歩み、絆を確かめ合い・強め合うことができた。互いに心の中で強く引き合い、前向きに進んでいこうという思いが強くなった。これからも素敵な関係をつくり、「いい夫婦」でありたいと思う。あらためて二人の縁をたどる日にしたい。
★2013.11.20(水)晴れ 11℃
広瀬川を吹き抜ける風が冷たい。朝夕の散策時はダウンでも着こまないと肌寒く感じるようになってきた。でもビートルズのポール・マッカートニーは71歳という年齢であるが、盛況に日本でコンサートを行っている。最後の来日公演となる可能性もあるが、とにかく若々しい。演奏曲目はこれまでになくビートルズナンバーが多く、他のメンバーが歌った曲も取り上げているという。ポール自身は今秋、新作アルバムを発表したばかりで創作意欲に衰えてはいない。新作では多くの若手ミュージシャンを登用したり、70代になっても、子や孫世代と一緒にやりたいことができるのは、うらやましくもあり、驚きでもある。日本では世代間交流というと、年長者が自分の人生経験を伝承するイメージが強い。しかし、ポールは教えるというより、どん欲に若さを吸収し、忘れかけている情熱を取り戻そうとしているように見える。見習うのは無理だろうが、せめて柔軟な発想を持つ若手のアイデアに耳を傾けたい。久しぶりにポールのCDを聴きながら、ポールのように積極的に取り入れる努力を怠らず、常に頭のリフレッシュを心掛けたい。
★ 2013.11.19 (火) 晴れ&曇り 13℃
どんな組織にも頑固な人はいる。持論に固執する。他人の言うことを聞かない。その一人だったはずの小泉純一郎元首相が持論を展開している。「原発即ゼロ」を。拉致問題交渉の電撃訪朝のような一点突破、郵政民営化のような是か非かの論法…。重い空気が漂う社会に「小泉劇場」は心地よい。脱原発へのかじ切りを原発に反対する野党や市民団体は歓迎する。確かに、その柔軟さは大切だ。でも手放しで喜んではいられない。時の最高権力者が政策の根幹を十分に理解せず原発を推進し続けてきたのではないか。小泉氏の意図は別にして今回の騒動から学ぶべきことは何だろう。時に持論を捨て去る勇気。いや声高に主張する持論が正しいのか立ち止まって再考するしなやかさではないか。今日、S商工会議所を訪問しながら、ふと思う。「政治だけでない。会社でも地域でも、物事を進めるとき、持論の足元をきちんと見つめたい」と。
★2013.11.18(月)晴れ 14℃
今日は久しぶりにお世話になっているS会社へ退院のあいさつで顔を出す。なつかしい面々と顔を合わせ、なつかしさが甦る。S会社も先輩の縁でつながっている。人は幾多の出会いを重ねていきながら、自ら求めたものもあれば、偶然・運命的な出会いもある。様々なドラマが互いを高めれば素晴らしい。これからもそんな「縁」を大切にしたいと思う。「1枚だけでいいから服を下さい」「お願い、水と食料を」-。哀願する女性の叫びが胸に迫った。巨大台風の直撃を受けたフィリピンの映像である。一面がれきと化した街と被災者が痛々しい。フィリピン・レイテ島はかつて1944(昭和19)年10月24日太平洋戦争の激戦地だった。米軍の上陸作戦に対し、日本の連合艦隊が突入し敗北した。損害は空母など多数で、連合艦隊は事実上消滅した。翌日には神風特攻隊が初めて出撃し、米空母に体当たりしたという。 先の東日本大震災では海外諸国から多大な支援を受けた。フィリピンからも。窮地に陥っている非常時にこそ、しっかり恩返ししたい。同じ島国として、同じアジアの国として、「縁」でつながっている。できるものから始めたいと思う。
★ 2013.11.16(土) 快晴 13℃
朝から快晴で蔵王連峰もスキッとしている。日中もまさしく小春日和の温かさで畑作業もついつい楽しくなる。今日は友人が多く訪れ、畑作業(ヤーコン・サトイモ堀り、玉ねぎ土寄せ等)を応援してくれて本当に助かった。ある本によると、春に花見、秋には紅葉見物があるように、江戸の町では冬に枯野見という趣向があったらしい。庶民は冬の暖かい日を選び、桜の名所でもあった墨田川のほとりなどに繰り出した。草木が枯れ、もの悲しく、寒々しい枯野。その風景からでさえ、江戸人は冬ならではの風情を楽しんだ。また、枯野は古くからの冬の季語。繊細な感受性と風流心を持っていた江戸人に比べ、現代人はどうか。冬は暗く、ひたすら耐える季節というイメージに甘んじ、消極的になりがちではないか。この冬は先人に倣い、少しは前向きに過ごすように心掛けるとともに、多くの仲間と陽だまりでの談笑もまた楽し。蔵王連峰を眺めながらホットする一日を過ごすことができた。
★ 2013.11.14 (木) 晴れ&曇り 10℃
この時節、朝の寒さにぴりっと身が引き締まる。最低気温を更新している。日々が続いている。錦秋の山々の紅葉はすっかり色あせ、冬将軍が到来し蔵王の刈田岳・熊野岳・烏帽子岳は雪化粧に覆われている。四季の始まりの中ではこの季節は肌感覚に一番近い。寒さといえば熱燗やホットウイスキーも恋しくなる。「ながく愛して」のテレビCMで、女優の故大原麗子さんが人気を博したのが懐かしい。家の前では稲わらのロールまきが急ピッチで行われている。すべて機械化されており、このメカニズムを想像しながらこの風景を見ていると楽しくなる。田畑周りの散策、簡易畑作業を通して、体力が回復してきているのが、自分でもわかるようになってきた。本当に健康の大事さを病気をしてみて、初めて実感した次第である。秋晴れ、小春日和、落ち葉、木枯らし、秋霜、時雨、初雪と11月は自然変化が激しく、慌ただしい。でも、これからの季節、凜として北国の冬へ向かいたいと思う。
★ 2013.11.13 (水) 曇り 6℃
♪死んでしまおうなんて 悩んだりしたわ-。1987年のヒット曲「人生いろいろ」を歌った島倉千代子さんが75歳で亡くなった。芸能生活50年でうれしかったことを聞かれ、この曲との出会いを挙げている。私生活では幼少時の大けが、プロ野球のスター選手との結婚・離婚、億単位の借金、乳がん…。「人生いろいろ」どころではなかった。でも「いままでのことは笑い話にしてこれから生きるのよ」と言った。私も今回の病気で「人生いろいろ」をちょっぴり味わった。今日は12月中旬並みの気温の寒さで蔵王連峰も初冠雪を記録し、夕方にはちらちら小雪が舞っている。えぼし・すみかわスキー場のゲレンデが白くなり、くっきりと浮き出ている。お気に入りのナラの木の椅子に座り、薪ストーブの炎に揺られながら、この歌を聴いている。たぶん、いろんな人がこの歌に自分を重ねている人も多いのではないだろうか。これからの私の応援歌にしたい歌である。
★ 2013.11.11 (月) 曇り 8℃
布団から離れづらくなってきた。目は覚めてもなかなか踏ん切りがつかず、「もう少し」と再び潜り込む朝が増えている。今日は体調も回復し目覚めもスッキリしている。気分転換・リハビリを兼ねて仙台へ出かけてみた。肌寒い風が吹き抜け、今までのクールビズは消え、コート姿が目につくようになってきた。季節は一気に秋を駆け抜け、冬へ足を踏み入れた感がある。街の装いはハロウィーンからクリスマスへと切り替わっている。大型店前や駅頭に大きく華やかなツリーが登場し、イルミネーションの名所も準備に追われている。理髪店・本屋・家電店を巡るが、やはり、街中のにぎわいは心を掻き立ててくれる。11月11日は何と27項目もある記念日でもあるらしい。そして震災から2年8か月でもある。今は自らの体調管理に専念しているが、落ち着いたなら再び被災地を向いて、できる限りの支援を継続していきたい。
★ 2013.11.10 (日) 曇り&雨晴 14℃
若いころは仕事、遊び等はすべて海外、東京方面を向いていた。身近な自然や食べ物等はあまり眼中にはなかった。自分の子供の心境もわからぬではない。一線を退いた今は「地方には人のつながり、豊かな自然、心ときめく伝統の芸能や祭りがある。都会の秋は冬に移るだけの寂しい秋だが、地方の秋は心躍る実りの秋。これを幸せと思うようになった」。まずは「食べ物がおいしい」との感覚がわかるようになった。豊かで新鮮な海の幸・山の幸で食卓に笑顔が広がることも多くなった。 田畑に広がる黄金色の稲作、枝もたわわに実る真っ赤なリンゴや柿等の木々は収穫の秋を絵にしたような光景である。今日は朝から曇りがちの天気であるが、久しぶりに広瀬川沿いを散策してみた。冷たい風と曇り空に哀愁じみた晩秋を感じる。若い人たちが地元に目を向けるようになり、そして愛着や誇りをもって「地域をもっと住みよく」の志につながてほしいと思う。
★ 2013.11.9 (土) 晴 16℃
「かきねのかきねのまがりかど」の歌詞で始まる「たきび」は、冬にぴったりの童謡である。サザンカ、たき火、北風など季節の風物がやさしい言葉遣いの中に巧みに織り込まれている。子どものころは今よりずっと寒さは厳しく、たき火を見つけるとみんな駆け寄ったものだ。川崎町も朝夕の冷え込みを感じるようになった。そして立冬も過ぎた。リハビリもかねて朝夕に散策をして体力も徐々に戻ってきているのだが、食事やらお通じ等、なかなかうまくいかない。昨日は体調もすぐれず、早速、かかりつけ医の「みやざきクリニック」(長町)にお世話になる。日々体調が変わり不安定な状態を繰り返しながら回復することを期待している。日の暮れも早くなって、冬の季節風も吹き始める時期である。農道を散策しながら、そんなに急がなくてもいいよと自分に言い聞かせながら、今日みたいな小春日和が続くことを願っている。
★ 2013.11.7 (木) 曇り 18℃
「そこにはあらゆるものがあり、冒険、夢、希望をふくらませ、心を豊かにしてくれる魔法がかくされている」と無類の本好きとして知られ、2年前に亡くなった俳優の児玉清さんが記している。今回の病気を契機に空いた時間はできる限り読書に費やした。ちょうど今は読書週間(9日まで)でもあり、今年の標語は「本と旅する 本を旅する」。本を手にする誰もがページをめくるうち、物語の世界の旅人になれると。情報収集やアイデア作りは図書館もあるが、書店で眺める書籍は最先端の言葉やら色彩豊かな本を見ているとワクワクする。日常生活から離れてどこか別の場所へ行くのが旅。旅は予期せぬ経験をくぐり抜けることで、人を成長させる。「それと同じように読書は違う時代、違う国、違う人物に一時なることができる」「自分にはない視点を持つことができる」と。今日お見舞いに来てくれた青根のFさんから蜂蜜や蜜蝋をいただく。トロリとした何とも言えない熟成の甘みが口の中に広がり、内臓が元気になるような気がする。そして秋の夜長、灯火親しむの候である。今宵はどんな旅ができるか楽しみである。
★ 2013.11.6 (水) 快晴 18℃
11月は別名霜月とも呼ぶ。その語源は文字通り「霜降り月」の略という。さらには「雪待月」の異名もある。いかにも冬の到来を思わせる雰囲気が漂う。あす7日は「立冬」でもあり、ともに積雪への備えである。とはいえ、11月は1年で最も変化のある月だと思う。初旬は多く秋晴れの好天気に恵まれ、中旬は目も彩な諸木の黄葉・紅葉のはなやぎ、下旬ともなるとさかんな落葉の季を迎える。今日は快晴の青空の一日であり、川崎町の笹谷地区は青空の中で紅葉の彩が一段と引き立ち、最盛期を迎えている。最後の見納めにと朝早く出かけてみる。朝は霜が降りてブルッとするくらい冷え込んだが、日中は暖かい小春日和に恵まれた。そして陽が落ちる頃には澄み切った夕暮れの中に三日月がくっきりと浮かぶ。本当に11月は日に日に変わる季節の風情を感じる時期である。その千変万化の景色を目にして感動をじっくりと観賞できる日本の楽しみは尽きない。
★ 2013.11.4(月) 曇り&晴れ 17℃
今日のニュースは楽天が日本シリーズ最終戦で巨人を破り、日本一に輝いた話題が一面に踊っている。「東日本大震災の被災地を元気づけたい」。選手たちのそんな熱い思いがとうとう実を結び、スポーツの力が東北全体を感動で満たした。そんな記憶に残る一日となった。その余韻に浸るにはお酒が一番であり、県内では新酒の仕込みが始まった。とろりとした舌触りの後、ふくよかな香りとまろやかなうまみが広がる、秋の日本酒は円熟の味わいがあり、秋の味覚との相性は抜群だ。搾りたては、爽やかな香りと味が魅力でもある。気温がようやく下がり、日本酒が恋しい季節を迎えた。あと1~2か月は控えるよう栄養管理士の忠告を真面目に受けとめたいが、いつまで我慢できるのだろうか。今日も朝昼夕の田畑周りの散策(リハビリ)をしながら、早く喉を潤す新酒を待ち望んでいる次第である。
★ 2013.11.3 (日) 晴れ&曇り 16℃
「文化の薫り」とはいい言葉だ。菊花展に文化祭、講演会などイベントが街中や川崎の我が家の周りでも多く開催されている。そして農業祭をはじめとした里山の恵みの収穫祭も行われている。「文化」とは何か。広辞苑では「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果」として科学や技術・学問・芸術・道徳から宗教・政治などまで網羅するらしい。久しぶりにリハビリもかねて里山へ出かける。柿、キノコ、シイタケ、ブドウ、旬の野菜たちが待っている。やはり自然と一体化したところに日本の文化があり、人の心まで温かくしてくれ、ホットする。黄金色に染まり始めた田畑の原風景こそが文化であるような気がする。病院内でのリハビリと違い自然の中(田畑のあぜ道)でのリハビリは結構体力を使う。でも歩いていると、目も楽しませてくれる。「無理せずゆっくりと」自分に言い聞かせながら歩く。田舎は心身共に癒やしてくれる。この季節、日本の文化をじっくり味わいたいと思う。