2019活動日誌 11月
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。
2019年11月27日 曇り 10℃
ブラックフライデーとは?
昨年からはじまった「プレ金」こと「プレミアムフライデー」が最近、すっかり聞くこともなくなった。月末の金曜日は仕事を早く終え、消費を盛り上げよう-と、政府や経済界の発案で、昨年2月から始まった景気刺激策だが、どこへ行ってしまったのやら。旅行による地方の経済振興、ひいては働き方改革にもつなげたかったようで、狙いは悪くなかったが、そもそもサラリーマンや自営業者は月末が繁忙期なのに、国民の生活を直視しない政策の典型である。そのモデルになった「ブラックフライデー」は米国でヒットしているという。米国の大型セールで、訳して「黒字の金曜日」。今月第4木曜日の「感謝祭」翌日から、売れ残ったプレゼントなどの一斉セールが始まる。米国の小売業界は、年間売上高の約2割を稼ぎ出すという。ご本家は、年末商戦へと続く年一回の特別な日。ところが、日本は欲張って毎月にしたうえに、安直に月末を「プレミアム」としてしまったのが失速する原因ではないだろうか。ブラックフライデーは数年前から日本にも上陸し、かなり知られてきているようだ。消費税増税後の景気対策として参入する企業もある。賢い主婦なら、日用品や衣料をまとめ買いする計画を立てているひともいる。企業は、勢いをつけてボーナス・年末商戦へとなだれ込んでいきたいところだろう。ただ、消費税増税まえにまとめ買いした家庭の財布のひもは固いのではないだろうか。日本も真似ばかりではなく、国民生活の目線にあった経済刺激策を考えてほしいと思う。
2019年11月26日 曇り 9℃
ちいさな幸福の虹が降り立つ!
ブルーベリー畑でチップ材を敷き詰めていると、虹が完全無欠の弧をなしている。七色が手前の地上から上空にふわりと舞い上がり、頂点に達した後で彼方の地上に降り立っている。なんか幸福が訪れるようで、家内とふたりで、しばらく見上げ続けた。虹の足がひろがる田圃の上にそっと足を下ろしているのではないか!。でも、虹の足の底に住んでいる人たちはそれに気付かないかもしれない。幸福も同じようなもので、他人には見えても自分は見えない。逆に自らが抱える不満や不安には敏感になりがちだ。今は個人にとどまらず、国際関係にもその傾向が強い。覇権争いを繰り広げる米国と中国の間に、そして対立が収まらない日本と韓国の間に、虹がそっと足を下ろすような日は訪れるだろうか。訪日中のローマ教皇は広島と長崎(先日旅行地でなつかしく思う)で核兵器廃絶を訴えた。「最新鋭の兵器を製造したり、核の脅威を使って他国を威嚇したりしながら、どうして平和について話せるのか」。語り口は穏やかだが、核の軍事利用を糾弾した。こうした訴えには「現実を無視した理想論」という批判がつきまとう。国連で採択された核兵器禁止条約について米政権は「非現実的な期待に基づいている」と切り捨てる。被爆国である日本も「安全保障の現実を踏まえず作成された」と条約参加の姿勢は見せない。主要国の多くは核の抑止力を否定していない。しかし、その現実にとらわれる限り、状況は変えられない。理想を持ち続けることが新たな現実をつくるはずではないだろうか。そして、我々のファーム生活にも「ちいさな幸福」が訪れんことを期待している。
2019年11月21日 晴れ/曇り 4℃
地域・風土に根差したものは力強い!
広い教室は百数十人の聴講者でほぼ埋まった。大半はシニア世代だ。最近、東北大学、東北学院大学、東北工業大学で開催されており、私をはじめとしたシニアが内容にうなずき、質問の手が次々と挙がる。開かれた市民開放講座である。大学入試の英語民間試験に関する文部科学相の「身の丈」発言は、地域間や経済面での格差を容認し、門戸を狭めかねないと大きな反発を招いた。教育再生や大学改革の名の耳障りの良い言葉に、国は即戦力の人材を育成する施策に前のめりになっている。産業界への貢献だけが大学の存在意義ではない。社会全体に「知」の果実を還元する役割を担う。里山活性化や環境保全、商店街の再生などさまざまな現場で学生は住民と知恵を絞り、汗を流している。キャンパス近くの歩道の舗装がひび割れていた。ひび割れに沿って表面が盛り上がっている。そばに植えられた木が根を伸ばしているらしい。生命力の強さを実感する。そんな木はたいてい周囲に比べて幹が太く、枝ぶりも見事である。「根差す」とは、こういうことかと思わせる。風土に根差したものは力強く、美しく、味わい深い。食文化をはじめ、ものづくりや芸能など多彩な分野に息づいている。あらためて一つ一つに目をやると気づく。私たちを取り巻く風土の何と豊かなことかと実感している。最寄りのキャンパスへ足を運ぶ絶好の機会でもあり、地域社会を築くパートナーとして、もっと大学を活用したいと思う。
2019年11月20日 晴れ/曇り 7℃
マジックワードにご用心!
秋も深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきた。近くの公園は色づいたカエデやイチョウなどが葉を落とし、いつの間にか初冬の装い。この季節、日が差したかと思えばさっと雨が降り、またやむ。そんな時雨の頃でもある。「しぐれ」の語源は諸説あるようだが、過ぎ行く通り雨であるところから「過ぐる」が転じたという説にはうなずける。小春日和に恵まれた日など、晩秋の味覚はやっぱり「りんご」である。道沿いの畑で赤く色づいた実が青空に映える光景は美しい。早くもいでと言わんばかりで、これからは私の好きな、すっぱい「ふじ」は出回りはじめ楽しみである。小春日和を挟みながら厳しい冬に向かう中で、日ごと甘味と酸味を増していく「りんご」は私にとっては必需品となっている。今年も大事に味わいたい。そんな中、世の中にはマジックワードと呼ばれる言葉があるらしい。手元の辞書には見当たらない表現だが、魔法のように会話がスムーズになったり自分の思う方向に結論を導きやすくなったりする言い回しを指すようだ。永田町かいわいでは「責任を痛感している」「遺憾に思う」といった言い回しをたびたび耳にする。これらもやはり、具体的な責任の所在は見えてこない。もっとも、紋切り型の表現はマスコミ界でもよく見られる。自戒を込めつつ、マジックワードには用心せねばと思っている。
2019年11月19日 曇り 14℃
コンビニ24時間営業は止めるべきでは!
孫の七五三お祝いに久しぶりに東京へ出向く。きらびやかなネオンや雑踏に何もかも吸い込まれていくような不思議な感覚になる。そしてコンビニに立ち寄ると、目当ての品のほかに新商品を探したりするのもちょっとした楽しみのひとつでもある。深夜、真っ暗な街並みにコンビニの明かりがともっていると、ほっとすることもある。現代社会のインフラとなったコンビニだが、365日24時間営業を支える人たちはやはり大変らしい。「勤務時間帯にもよるけれど、目が回るほどの忙しさだった」と県内の店舗でアルバイトをしている友人は言う。「急な欠員が出ると、オーナーや店長が穴埋めに入る。休む暇もなくて、体を壊さないか心配だった」とも話す。コンビニ大手がそろって営業時間短縮の容認に踏み切った。店舗数は全国で5万5千近くもある。このうち、どのくらいが24時間営業をやめるのかはまだ分からない。食品製造や物流など関連業界に影響するため、そうした面の整理も必要である。全国的に深刻化する人手不足、疲弊する店側。追い求めた利便性の裏に、人の悲鳴があるとすれば胸が痛く、申し訳ない気持ちになる。客はもちろん店にとっても「楽しさや喜びがある場所」であり続けるならば、もう深夜営業は割り切って止める時期にきているのではないかと思う。
2019年11月15日 晴れ 13℃
感動をわかちあうのは共感する力!
私の好きなジャズ奏者の坂田明さん。ボランティアで耳が聞こえない人たちの施設へ行き、サックスを吹いているという。音色が分かるはずもないのに、みんな熱心に耳を傾け、演奏が終われば「素晴らしかった」と拍手を送ってくれるのだという。音楽の感動を分かち合うのは、決して音だけではなく、共感する力なのだろうか。前回も述べたが、今の話題は「桜を見る会」の騒動で、こんないいかげんなことをしていることに改めて憤慨している。参加者は年々増え、今年は1万8千人。予算は少なめに見積もっておき、予算成立後に出費を増やす方法が常態化していたといい、今年も支出が当初の3倍を超えた。海外の人たちに日本の良さを知ってもらう意義はあろうが、問題は地元有権者へのサービスのイベントであった。それにしても安倍晋三首相の対応のなんと素早いことよ。来年は中止という。「私の判断で」と強調していたが、なぜ中止なのか、説明は全くない。またもや説明責任の放棄である。閣僚辞任の際も「責任を痛感している」と言いながら、どう責任を取るのか説明もない。何度繰り返されてきたろうか。社会的責任のある者の心得は、清廉、口先だけでない慎重な行い、率先して勤勉に励む姿勢が大事と教えられてきた。月内に首相としての在職日数が歴代最長となる安倍首相。リーダーとしての自覚を思い起こし国民が共感できる采配をしてほしいと思う。
2019年11月13日 晴れ 15℃
驕り・緩みからくる典型的な事例!
旅行から帰ってくると、おごり・緩み等から発生している事例のニュースが数多く流れている。一つは首相主催「桜を見る会」の疑惑である。各界の功労者をもてなす春の宴に、地元の安倍後援会から多数の客が招かれていたという。首相を選挙で応援すると、神様ならぬ総理官邸から花見の特等切符が届くのだろうか。例えば自治会やPTAの役員も功労者なんだろうか。公私混同も、ここまでくればまさに極みの花見なのだろう。選挙民への供応に公金が使われた疑いがある以上、どんな功労でどなたを招いたか、つまびらかにすべきではないだろうか。問えば、今はやりの個人情報で言えぬ、しかも関連文書はすぐに捨ててしまうという極みもあるから恐れ入る。二つ目は米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)では、所属の戦闘機部隊の重大事故につながりかねない規則違反が横行している実態が、米軍の調査報告書で明らかになっているという。手放しの操縦や飛行中の読書、ひげを整えながらの自撮りなど、やりたい放題らしい。昨年12月には高知県沖で、部隊のFA18戦闘攻撃機と、別部隊の空中給油機が接触し、墜落。1人が死亡、5人が行方不明になっている。戦闘機乗りの部隊が、こんな状態なのである。日本側への報告はないが、戦闘機と給油機の接触事故は、2016年にも沖縄で起きていた。世界最強の軍隊で、規律やモラルを守る意識が貧弱なのはなぜか。日米地位協定で、同じ第2次大戦敗戦国のドイツやイタリアに比べ米軍を厚遇する日本である。その甘さが遠因になっているのではないだろうか。事件事故を起こすたびに、米軍は綱紀粛正を誓うが、このありさまだ。戦場に無人機や人工知能(AI)を投入したがるわけである。いずれにせよ、長い間権力の座にいると、緊張感も欠け、自然とおごりからくる緩みなのだろうか。そして、いつまでも詭弁を繰り返さず素直に謝り、制度をきちんと見直してほしいと思う。
2019年11月6日 晴れ 17℃
干し柿つくりが地域の風景を守ることにつながる!
田舎道を車で走っていると、枝が垂れるほど大量の実を付けた柿の木を見つける機会が多い。「もったいないなあ」とか、柿木をみるたびに「ほら、ここももいでないよ」。と家内と会話をかわす機会が多くなってきた。秋の風物詩ともなっている柿木が何となくさみしそうである。特に過疎集落では少子高齢化で柿を取る住人がいなく、人のかわりに野生動物(特に熊)に採る機会を多く与えているのではないかと思う。まさしく、放置された柿の実が野生生物を人里に呼び寄せ獣害を引き起こす要因になっている。改めて柿が放置される景色に慣れてしまっていることに気付いた次第である。 前までは農家の軒先にオレンジ色になった玉暖簾のような「干し柿」をよく見かけた。「干し柿つくりが地域の風景を守ることにもつながる」と思っている。特に渋柿はそもそも甘柿よりも糖度が高い。タンニンの強い渋味でそれを感じられないだけだ。先人から受け継ぐ多様な渋抜き方法は本来の長所や魅力を表に出してあげるための工夫と言える。人口減少時代の地方創生に先人の知恵を引き継いでいってほしいと思う。
2019年11月5日 晴れ 16℃
秋の深まりとともに新米とサンマがおいしい!
一時、サンマも高級魚かと思えるほど高値だったが、秋の深まりとともに、スーパーなどでも落ち着きを見せている。味覚の秋を堪能できる時がようやく訪れている。今年は記録的な大不漁で漁獲量は例年の7分の1、市場の取引価格は昨年の倍以上に高騰したという。日本近海で海水温の変化から来遊が減少したのに加え中国、台湾などが漁獲を増加しているためとのことで、一朝一夕に解決しそうにはない。10月下旬から北海道沖で漁獲が増え、価格もほぼ例年並みと、お手頃感のある今、生サンマをじっくり味わえそうだ。サンマ選びのノウハウについて友人が語っていた。サンマ選びは目が濁っていない、口先がほんのり黄色いことなどが見極めのポイント。胃がなく食べた物がすぐに体外に出てしまうため、内臓も苦もなく食べられるなど、サンマは人気が高いだけに、知っておくと便利なうんちくが数多くある。良質なタンパク質のほか、血管疾患予防に有効な脂肪酸などが豊富だ。そしてサンマに似合うのは大根おろしに新米である。御縁があり、県南にある七ヶ宿町の方が訪れ「七ヶ宿源流米」をいただいた。早速、炊き立ての新米とサンマを味わってみよう。