■2015活動日誌11月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。コメントをお寄せください。
11月28日(土)曇り/晴れ 9℃
冬の精が悠然と到来 - 師走がそこまで来ている!
喪中を告げるはがきが、ぽつりぽつりと舞い込むようになったと思えば、季節は一気に冬である。きのう、きょうと終日冷たい風にさらされた。今季一番の冷え込みになり、あちらこちらで初雪、初冠雪の便りが届いている。今年の冬の精は悠然とご到来のようである。紅葉見物でにぎわった山もそろそろ長い眠りに就く頃である。きのうは出張で東京(六本木、ビッグサイト)へ出かけた。六本木ヒルズでは、30Fにあるgoogle事務所で8時30分頃、ボヤ騒ぎ等があり、エレベータが1時間近く止まったとのことで混乱していたが、A社のある40Fからはくっきりと富士山も見え空気も透き通っており富士山の冠雪がキラキラと輝き、まぶしく綺麗な景色である。でも最近は、山々や田園に囲まれた田舎暮らしをしているとこうした都会や高層ビルには違和感を覚えるようになり、早く立ち去りたいような感覚に襲われてくる。家に帰り、薄墨のはがきを眺めて、しばし感慨にふけった。あいつも母親を亡くしたか、恩師が逝ったのはまだ春先だったか…。年賀状で子どもの写真を交換したのは、ついこの前のことのようなのに、親しい人たちを送る、いつの間にやら、互いにそんな年齢になったと」改めて感じる。そして銀幕のスターに大横綱、政治家に経済人も。一人去って、二人去る。時は駆け足で過ぎていくもの。だから、今を大事にしたいと思う。軽ワゴン車のタイヤ交換をしながら、冬の足音が聞こえてくるようだ。はや、11月も終わに近づき、今年も師走がそこまで来ている。
11月26日(木)小雪/雨 5℃
雪が降り始めました ー 急いでタイヤ交換を!
花の28(にっぱち)と言われた横綱の北の湖さんが亡くなくなった。同じ頃の年代のよしみもあり、妙に懐かしさを覚える。その攻め口は超攻撃的であり、巨体を生かし、がむしゃらに突進した。例えるなら重戦車なのだろうか。土俵入りには不知火型と雲竜型がある。せり上がりで両手を開く不知火型は「攻め」を、片手を脇腹に添える雲竜型は、攻めと同時に「守り」も表すという。北の湖さんの土俵入りは雲竜型だった。横綱での670勝は歴代1位に輝く。「憎たらしい」とまで言われたその強さは桁違いだった。貴ノ花や輪島ら、人気者を倒せば罵声も浴びた。ふてぶてしく映る態度に、強面。優しさゆえだったが、倒した敵に手を貸さぬと批判もされた。そんな声の一つ一つを真正面から受け止め、それでも攻め続け、勝ち続けた姿が脳裏に浮かぶ。今日はまさに冬将軍の到来でみぞれ模様になってきた。タイヤ交換をしねばと思いながら仕事の帰りになじみの車屋に立ち寄り、やっと交換を終えた。待ち時間の間ニュースを見ていると、やはり北の湖の葬式の日程が放映されていた。62歳。あまりにも早い人生の千秋楽である。昭和の大横綱の足跡をたどれば、最後まで闘い続けた人であることに気付かされる。13歳で入門。稽古に耐え、強さゆえの孤独をはね返し、そして角界再建に力を尽くしたが無念にも病には屈したが、その戦いぶりはファンの心に残る。訃報を伝えるスポーツ紙に土俵入りの写真が載っていた。「攻め」と「守り」をしっかりと示す両腕。攻守に常に全力だった男の、美しく見事な雲竜型が見事である。
11月25日(水) 曇り/雨 7℃
認知症・ひとり歩き - 地域での取り組みが必要である!
今日は午後から小雨も舞い、肌寒い一日である。最近、「認知症」の話題の記事をよく目にするようになった。この呼称が使われ始めたのは10年ほど前のことだ。以前の「痴呆(ちほう)症」という言葉は侮辱的な意味合いがあるとして厚生労働省が変更した。当初は介護家族も戸惑っていたが、すっかりこの言葉は定着した。認知症の人が増え、切実な問題になったことが大きいのではないだろうか。認知症の人に対して「徘徊(はいかい)」という言葉を使うのをやめる自治体や支援団体が全国で増えているという。厚労省は変更にまだ否定的だが、あてもなく歩き回るという意味が認知症への偏見を招きかねないとして「ひとり歩き」などに言い換える団体もある。今日、ある介護施設の職員の話を聴いた。認知症の利用者が外に出て行っても無理に連れ戻さなかった。職員がそれとなく付いていき、頃合いを計って「お茶を飲みに行きましょう」などと施設へ帰るよう促すと言う。出て行くのを止めない理由を管理者に尋ねると「本人には『家に帰る』などの目的があるから」と教えられた。途中で目的を忘れることも多いが、本人の思いをすぐには否定しないことで生活の落ち着きを取り戻せるようである。10年後には認知症の人は高齢者の5人に1人になるとされる。そうした人が行方不明になった場合に備え、商店などの見守り活動や地域ぐるみで捜す訓練が広まっている。もう他人事ではなく、“徘徊”しても安心な地域を目指す取り組みを自治体をはじめ地域住民は早くから心がけていきたいものである。少子高齢化の時代の代表例の現実がすぐそこに近づいているような気がする。今日は本当に勉強になった一日であった。
11月24日(火) 曇り 15℃
マイナンバー通知カード届く - 何か不安が募る!
「マイナンバー」の通知カードがわが家にも届いた。早速、封を切ると全員の通知が入っている。やはり番号は12桁ある。しかし割り振られた番号がバラバラなことを知って驚いた。てっきり家族なら連番なのだろうと思っていたが。。。番号には何の繋がりも、脈絡も見いだせない。家族を結ぶ絆が勝手に切り裂かれたようで、何か不快な思いが募った。頭に「マイ」は付いても、上から押しつけられた番号で愛着が湧くはずもないが、「分身」として一生涯付きまとう。そもそも正式名称は「社会保障・税番号制度」である。住民票コード、健康保険番号、基礎年金番号などを一つにし行政の効率化を図る。最終的には預金口座や健診データとも結ばれ、多くの個人情報が紐付けされる。懐具合から病歴まで。芋づる式に丸裸にされるようで、何とも薄気味悪いようで不安が募る。そんな中、晩秋の味覚である”ふじリンゴ”が青森の友人から届いた。今年の出来はやや小玉傾向ながら糖度も着色も良好、蜜の入りも良いとのことであるが、今度TPP導入によりリンゴは11年後から関税撤廃とされ、こちらも不安が募る。でも、この蜜入りりんごは、とにかくおいしい。おいしさの秘訣である蜜は葉の光合成でできた物質が果実内で糖分を作り、塾度が進み半透明になったもので、樹上で完熟した証しでもある。切り口から視覚的にも甘美さが伝わってくるようだ。今年も食後においしくいただきたい。
11月23日(月:祝) 霧雨 13℃
日本の原風景の干し柿 - 赤の染色家の一年の集大成!
庭先でサザンカがピンク色の花を咲かせている。柿や桜、イチョウなど木々も葉を落としている。秋も深まり、きょうは二十四節気の小雪。秋の紅葉の語源は「揉み出づ」だという。なるほど、色づく木々を見れば、木の葉に潜む鮮やかな色を、一枚一枚ていねいに揉み出しているようでもある。毎年11月23日の勤労感謝の日は秋晴れの日が多いが、今回は残念ながら、朝から小雨模様の天気。柿採りツワーに今日も朝早くパートナーと家を出た。何とか午前中くらいは止んでほしいと思いながら、仲間と途中で待ち合わせ、伊達市五十沢のSさん宅へ到着した。今回は子供さんを含め15名が参加し、霧雨の中、いよいよ作業開始。いつものメンバとの再会で話も弾み、知らず知らずのうちに、なつかしさがこみあげてくる。このメンバは柿採りの他に5月のたけのこ堀りでも一緒になるメンバで気心が知れているので、楽しく愉快なメンバでもある。今年の柿は成熟度がいつもよりも早く、真っ赤に熟している柿もかなりあり、豊作とのことである。日本の原風景の干し柿小屋から見えるオレンジ色の暖簾は光輝いている。紅葉は木々の赤みを帯びた新芽から、柔らかな萌黄色に。緑を濃くしていき、仕上げは秋空に映える赤に。まさしく柿の風景も落葉樹と同じである。そして落葉樹の染色家は一年の集大成のように染め上げ、間もなく仕事納めとなる。この干し柿は冬の冷たい風にさらされながら甘味の糖度を増していき、ちょうどお正月頃が食べごろである。勤労に感謝しつつ、紅葉と木の恵みを目と舌でじっくり味わいたい。
11月22日(日) 晴れ/曇り 14℃
山元町新庁舎基本設計完成 - 復興のシンボルとして期待したい!
カサカサと微かな音が聞こえる。カーテンをそっと開き、外を眺めると葉が何枚かひらひら舞っている。あちらこちらの道端に落葉の吹きだまりができている。日差しを受けた吹きだまりは時折、キラッと黄金色に輝き、初冬の風情の一面もみせるときもある。しかし、暖かいせいかもしれないが、川崎路の平地でも、紅葉と黄葉がまだまだ随所にみられる。そして、今日11月22日は語呂合わせから「いい夫婦の日」である。朝早く、仲良く二人で宮城県山元町のふれあい産業祭へ出かけた。建築家である愚息の設計した山元町新庁舎基本設計の模型、パネルの展示・説明を産業祭内のひとつのブースで行うとのことである。宮城県を西(山)から東(海)へと運転すること約1時間で会場に到着した。復興支援も兼ねているかもしれないが、会場は全国自治体の特産品ブースでいっぱいであり、入場者もすごい大人数でブースまわるのも大変なくらいである。山元町特産のいちご、ホッキ貝、はらこ飯、りんごをはじめ所狭しと並んでいる。震災で被災した山元町の復興のシンボルとして、新庁舎が多くの町民の方々に少しでも勇気と希望を与えてくれる役場として親しまれることを期待したいものである。そして、説明を聞きながら、「思い出に残り、記憶に残る建造物として山元町町民が誇れるような庁舎になれるように」と祈念した。そして我々、夫婦も「いい夫婦の日」にあやかり、ふたりで仲良く紅葉、黄葉を楽しむに越したことはないが、春から夏へ、夏から秋へと色を変えてきた1枚の葉のように、これからも共に歩んだ日々を追想しながら充実した日々を送っていきたいと思う。
11月20日(金) 曇り 13℃
天龍の引退 ー 「逃げずに受け止める」スタイル
プロレスラーと言えば、ジャイアント馬場、アントニオ猪木を思い出すが、馬場さんの弟子であった天龍源一郎さんが15日、レスラー人生に終止符を打った。相撲から転身し約40年間、マットで闘い続けた。昔、TVで声援を送っていた頃がなつかしく思い出される。数々の名勝負を演じ続け、満身創痍の65歳である。失礼だがこの年齢までリングにあがり試合をこなすことなど奇跡に近いのではないだろうか。それほど強靭な体力・精神の持ち主なのだろう。思い出の両国国技館で引退試合に臨み、37歳下の必殺技を食らい壮絶に散ったとスポーツ紙の一面が活字で躍っていた。ぶ厚い胸板で猛攻に耐える。天龍さんは「逃げずに受け止める」スタイルを貫き、ファンの心をつかんだ。「腹いっぱいのプロレス人生でした」。別れの台詞にも、相手が誰であれ真剣に戦い抜いた充足感があふれ、すがすがしさを感じてしまう。さて、次は還暦の自民党であるが、天龍さん引退の日、結党60年の誕生日を迎えた。盤石の「1強」を謳歌しながら、こちらの戦いぶりは評判が芳しくない。がっちりと「受け止める」どころか、逃げ技が得意ときている。まさに「1強・1安倍・多野弱」の状況下にあり、まさに、キャッチフレーズ先行の言葉遊びを楽しんでいるかのようである。自民党は下野した約4年間を除き56年間、政権党であり続ける。時代の要請を受け入れる器の広さ、柔軟性を持ち合わせていたからに他ならない。党内では闊達に議論を戦わせ、国会でも異論に耳を傾ける懐の深さがあった。今日の自民の姿にその面影はない。安倍一色に染まる。最初から臨時国会を開く気もなく、外交日程計画などは初めから予定しており、いかにも外交日程が詰まっているかのような方便もまかり通る事態である。少し、天龍さんくらいの器量を持ち合わせ、受けて立つくらいの懐の深さが欲しいものである。
11月19日(木) 曇り 15℃
ボジョレ・ヌーボー」解禁 - 山寺で新蕎麦(でわかおり)味わう!
さて毎年おなじみ、フランス産の新酒ワイン「ボジョレ・ヌーボー」が19日解禁され、店先に並びはじめた。早速、会社関連のお付き合いも兼ねて一本購入した。そんな中、ワイン王国のフランス・パリでの同時テロが起きた。13日の金曜日で欧米などで不吉とされるこの日を、犯人はあえて選んだのだろうか。許し難い蛮行で怒りに震えるばかりである。「イスラム国」の犯行で死者120人以上。最悪の事態だ。街中の光景に凍り付く。狙われたのは大勢が集まる場所ばかりで、一夜明け、周到な準備だったことが分かってきた。ワインといえば民主党政権時(2010年)の事業仕分け等の調査結果で外務省の在外公館が高級ワイン貯蔵しているのが話題となった。「税金のムダ遣い」と批判が集中したことが思い出される。ある大使公邸の地下室には1年に使うワインの30倍、約8000本が木箱で積んであった。総合計では5万3000本が所蔵されていたという。在外公館は人脈づくりが重要な任務で、連日パーティーや夕食会を開いている。その席にワインは不可欠で、外交官は特に料理とワインの選択に神経をとがらせているらしい。事情通に言わせると、ワインは3〜5年熟成させるため当たり年の優秀なワインは余分に購入しておくことが肝心で、だから5年分の貯蔵では貧弱らしいとか。平民にとってはこれは何なのかと思ってしまう。今年の評判では「前年並み」「フルーティー」といったところらしいが、多めに確保すべきかどうか、外交官もさぞ思案しているに違いない。どちらにせよ、在外公館ではワインもあるがテロ安全対策のチェックは怠りなくせねばならぬ時代となってきた。
11月18日(水) 曇り 16℃
干し柿つくり - 秋と冬の分岐点の季節!
今日、病院へ行く途中、干し柿が軒下につりさげられ、庭先を彩るオレンジ色が美しく輝いている。鮮やかな色といえばハロウィーンが盛り上がりを見せ、定番のカボチャに代えて柿で手軽に飾り付けようと売り込む店も出てきている。おちゃめな柿のお化けを飾る家が来年はもっと増えるのではないかと思う。柿と言えば正岡子規を思い出す。120年前の秋、正岡子規は英語教師をしていた夏目漱石の愛媛・松山の下宿で50日余りを過ごした。子規は勝手に蒲焼などご馳走を取って食べたが、東京へ帰る際には漱石に払いを押しつけた上、旅費10円を借りた。金は奈良に寄って使い果たしたらしいが、おかげで〈柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺〉の句ができた。今となってみれば借金の10円はけっして無駄ではなかったのではないかとさえ思うが、当時の子規の金銭感覚にあきれた漱石は後に千円札の顔になる。という因果関係もあるから面白い。今月23日には恒例の柿採りのイベントを開催するが、干し柿つくりが終わると木枯らしが吹きはじめ、いよいよ厳しい冬に向かっていく分岐点となる季節でもある。
11月17日(火) 曇り 17℃
アベノミクスー いつまで「この道しかない」と叫ぶのだろうか!
よく、事業運営手法の基本としてPDCA(PLan/Do/Ceck/Action)手法が使われているが、日本の舵取りの政府はPDは一生懸命であるがCheckがなく、いつまで「この道しかない」と言い続けるのだろうか。7~9月期の国内総生産(GDP)が二期連続でマイナス成長で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減。数字だけを見ると景気後退入りではないかと思うが、政府はゆるやかな回復基調が続いているとの見解。企業収益が上がれば投資や賃金が増え、消費が伸びて経済の好循環が起きる-。安倍晋三首相はアベノミクスこそ日本経済再生の切り札として「この道しかない」と繰り返してきた。このフレーズは最近聞かなくなった。企業は史上空前の最高益を記録しながら設備投資も賃金の伸びも限定的だ。好循環はどこにも起きていない。むしろ賃金が伸びず消費が増えないから投資を控える悪循環に陥っている。企業の投資意欲が高まらないのは、中国など海外景気の先行き不安もあるが、何より日本経済の成長への期待が乏しいからではないだろうか。なぜ成長期待が膨らまないのか。アベノミクスの第三の矢である成長戦略は、法人税減税や派遣法改正、さらに残業代ゼロ制度など経営者寄りの政策ばかり目指している。非正規労働は全体の40%を超え、経営者は理由について「賃金節約のため」とする回答が最も多かった。要するに低賃金の労働者が増え、その人たちを犠牲に企業や株主ら富裕層が潤う構図である。しかし、上から富が滴り落ちるトリクルダウンは空論にすぎないから、格差拡大が放任され、経済を支えるべき中間層も細る。これでは消費が盛り上がるはずがない。第一の矢の異次元緩和で実現し政権が胸を張る円安(円高是正)も、多くの大企業にとって収益を押し上げるが、企業数で九割、従業員数で七割を占める中小企業にとっては逆風である。二期連続マイナスは、誤った道を突き進むアベノミクスの当然の帰結である。わかったことは、自民党への企業献金あっせんを再開した経団連が要望する政策では経済は良くならないということだ。アベノミクスの失敗を認め、別のActionを考えるべきではないだろうか。。。。
11月15日(日) 曇り 18℃
MRJ -「1人はみんなのために、みんなは1人のために」
今日はNPO主催で「原木しいたけ植菌会」を開催した。雨が降りませんように願をかけながら、会場へ向かう。何とか雨にも当たらず無事午前中には終了しほっとしている。そして終了後、「小麦の会の収穫祭」へと向かう。今日はイベントが重なりあわただしかったが里山の恵みを思う存分味わうことができた。そして、うれしいことと言えば、先日、国産旅客機としては半世紀ぶりとなる小型ジェット機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)が初飛行したニュースである。航空機ファンでもないのだが、昔、JALのエンジニアとして入社試験を受けて内定していたことを思い出す。そのためか飛行機の話となるとついつい胸がときめいてしまう。晩秋の朝、陽光にきらめく舞姿はまさに鳥のようである。調べてみると愛知や静岡の町工場で作った部品が多く使われており、まさしく「ものづくり日本の心意気」を改めて誇示しているようにも思える。いま、話題のラグビーには「One for All,All for One」という言葉がある。「1人はみんなのために、みんなは1人のために」と訳される。MRJの開発に取り組む三菱航空機は初飛行に向け、この言葉をシンボルマークに取り入れた。W杯などで大活躍した日本代表にあやかり、全社一丸になって成功させる意気込みだったのだろうか。プロペラ機の「YS11」以来の国産機と期待される重圧。初飛行が何度も延び延びになり、社内外に渦巻く批判や失望。日本の航空機技術はかつて、世界最高の水準にあった。敗戦によって後れは取ったが、底力がある。そんな技術の粋を結集したMRJが、地域の翼として世界各地にはばたく日が待ち遠しいと思う。
11月14日(土) 雨 13℃
朝の空を見上げて - 「あさが来た」ウキウキした気分になる!
朝の空を見上げて-。明るいメロディーで始まるNHK連続テレビ小説「あさが来た」のテーマ曲が毎朝、すがすがしい気分にさせてくれる。AKB48もこんな歌を歌うんだなあと思いながら、思わず口ずさんでみたくなるメロデーである。今日は朝から雨であるが、この歌が流れてくるとなんかウキウキした気分にさせてくれる。このドラマは幕末から明治・大正時代を背景に、豪商に嫁いだヒロインが商売の才覚を発揮して実業家になっていく姿を描いる。なんといっても主人公「あさ」の生き方が魅力的だ。モデルは「明治の女傑」といわれた広岡浅子。「あさ」が転んでも落ち込んでも立ち上がっていく姿を見ると、元気になれる気がする。輝いている女性といえば、米国のヒラリー・クリントン前国務長官。投票まで1年となった大統領選に民主党から出馬を表明し、世論調査の支持率が6割超に伸びている。米国初の女性大統領になれるかどうか、目が離せない。ドイツ、韓国…。世界では女性リーダーが珍しくなくなりつつあるのに日本はどうだろうと案じる。政府が旗を振る女性活躍社会。いろんな分野への女性進出に向けた議論は盛んだが、「女性」「女性」と声高く連呼されているうちは、まだまだ女性に十分な道が開かれていないということなのだろうか。<思いどおりにならない日は、あしたがんばろう>。冒頭の歌詞にはなんか救いのあるような気もする。だれにも等しく朝がくる。もう女とか男とかいっている時代ではなく、すべて平等で活躍する時代である。
11月11日(水) 晴れ 15℃
「鋼鉄の蘭」ー 凛とした姿がよく似合う!
朝からお日さまが差し込み、庭の花も眩しそうに気持ちよく咲いている。ニュースでミャンマーの総選挙の様子が報じられている。ミャンマーは野生ランの宝庫だという。乾期で雨に恵まれない間に花芽を育み、花咲く日を待つ。女性たちは喜んで髪飾りにするという。ミャンマーの民主化運動を主導したアウン・サン・スー・チーさんも好んで髪にランを挿す。凛とした姿によく似合う。「鋼鉄の蘭」とも呼ばれ、長い自宅軟禁にも屈することなく、民主化の旗を降ろさないできた。その信念は非暴力主義を貫いた自らの行動で、身をもって実践してきた。そして30年近くに及ぶ長くて粘り強い活動が実を結び、ようやく目的を果たしそうだ。ミャンマーの総選挙はスー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝の勢いで、半世紀近い軍人主導の政治から、民主国家へと移行する歴史的な転換点である。「アジア最後のフロンティア」として注目されるミャンマー。日本では経済面の魅力ばかりが強調されており残念である。しかし「正しい手段」で民主主義を遂行したスー・チーさんの姿勢は、どこかのごり押し政治とはひと味違う。「正しい目的は、それにふさわしい正しい手段を用いない限り達成できない」と。力で支配され、自由に恵まれない時代にも1票で政治を変えられる社会への期待を忘れなかったからに違いない。もうすぐ蘭の花が咲くと信じたい。そして一度はミャンマーを訪れてみたいと思う。
11月9日(月) 曇り 18℃
軍艦ペリー - 下田で金目鯛を味わう!
天気予報では今日は雨で大変だなあと思っていたが、幸いにも天からの滴りもなく傘のお世話にならずに済んだ。今日は鉄道の旅の最終日。横浜から特急「踊り子号」に飛び乗り、いざ河津、伊豆下田へと。平日でもあり車内はすいており、ゆっくりと伊豆のみかんの山々と海沿いを眺めながら狭い車道を潜り抜けるように南下した。終点の伊豆下田は1853年軍艦ペリーが上陸した地でもあり、まるで、ペリーを中心とした町つくりの史跡がいっぱいある。たとえば、港のペリー上陸の碑、開国博物館、了仙寺(ペリーと幕府との条約締結した寺)、ペリーロード(ペリーが了仙寺へ向かうロードで石畳とガス灯と川沿いの柳が美しい)。名物の金目鯛の昼食をいただき、なまこ壁と伊豆石でできた郷愁を感じさせるような佇まいの街並みを散策した。今回の旅では多くの胸に響く言葉に出合えた気がする。帰りの車内で新聞を見ているとこんな言葉に出会った。美術家、横尾忠則さんは「僕は常に肉体年齢と同時に芸術年齢を自分の中に持っている」という言葉である。横尾さんは79歳。しかし芸術年齢は、働き盛りで頭も柔らかい50代と設定しているそうだ。だから今年、世界文化賞の授賞通知があったときには「(受賞は)まだ20年早いんじゃないかと思った」という。天才肌の人は発想が違う。79歳にして「芸術年齢は50代」と言い切るのがすごい。画家の中一弥さんは池波正太郎「鬼平犯科帳」の挿絵などで知られているが、最近も息子の直木賞作家、逢坂剛さんの小説に挿絵を描いていた。彼は100歳になったとき「私の絵はまだまだです。もう一つ向こう側に何かある気がする」といっている。79歳で「働き盛りで頭も柔らかい50代」と豪語する美術家。100歳になっても、もう一段深い境地に挑もうとする挿絵画家。二人の言葉を紹介した朝日新聞の記事を読みながら、人間が生きること、創造すること、それを支えるエネルギーとは何かと考えた。答えは「いまを充実して生きること。日々、それを心掛けていれば、よき人生を全うできるのだろう」ということなのだろうか。そう考えながら、今回の3泊4日の旅伝説をパートナーと総括し仙台(19:37到着)へと向かった。
今日の俳句
★みかん狩り 踊り子忍ぶ 伊豆の山
★ガス灯に 開港下田 揺れる秋
11月8日(日) 霧雨/曇り 20℃
周遊バス”赤い靴” - 煙る港町をひと巡り
きょうは二十四節気の「立冬」。日差しは一段と弱くなり、日暮れも次第に早くなってきた。山々は紅葉に彩られまだ晩秋の気配が色濃いが、暦の上では冬が始まった。朝起きると外は霧雨で濡れ、新潟の街路樹では山茶花の花が咲いている。山茶花はよくツバキに似ている。種類は同じツバキ科でもある。ツバキは花ごとポトリと落ちるが、サザンカは1枚ずつバラバラに散る。しかし、一番なじみが深いのは、やはり童謡である。♪さざんかさざんか咲いた道 たき火だたき火だおちばたき♪ 作詞家は散歩の途中でサザンカの垣根とたき火を見かけて作ったという。かつて落ち葉たきは初冬の風物詩だったが、今の時代こうした光景を見かけることもなくなってきているのが現実でもある。今日は新潟から新幹線「とき(9:04発)」に乗り込み、一路、東京蒲田へ。孫との対面等でパートナーは朝から張り切っている。張り切りすぎて帰りがこわいような気がする。久しぶりに抱っこしながら、日々の成長の重さが手に伝わってくるかのようでもある。かたことのおしゃべりを楽しみながら、いつか、川崎町の自宅で、みんなで火を囲み冷たい手をかざして暖まりながら落ち葉たきでもしたいものである。そして焼き芋を頬張って世間話やら趣味に話に興じながら。。。そんな光景を思い浮かべてみた。そして赤いレンガ倉庫や赤い靴でおなじみの「大好きな横浜」へ夜景見物・食事に出かけた。雨上がりの異国情緒あふれる港町はなかなか風情があり、いいもんである。
♦ 我の思い
相手の思い
重なり合って
生きる楽しさ
仕合せが広がってゆく
今日の俳句
★霧雨に 濡れし山茶花 トキの国
★赤レンガ 時雨に煙る 港町
11月7日(土)曇り 18℃
SLばんえつ物語 - 錦秋の磐越西線を駆け抜ける
平成25年NHK大河ドラマ「八重の桜」でおなじみのハンサムウーマン新島八重は女性の力を示してくれた。平成27年秋、鶴ヶ城天守閣のリニューアルが終わり、新しい顔としてデビューした。今、会津若松は生まれ変わったかのようによみがえっている。まちなか周遊バス(ハイカラさん、あかべえ)で、歴史的景観や史跡を自由にかけ巡る。バスをはじめ大正時代を思い出されるような大正ロマン調のレトロなまちなみ散策。ボランテイアガイドさんの案内で、会津方言を聞きながらタイムスリップしたかのような感覚になってしまう。特に七日町エリアを歩くと、心が癒され、清々しい気分になって、何か良いことがありそうな、そんな気持ちにさせてくれる町である。昼食は飯豊山麓そばの地粉のみを使用した十割そばをいただく。力強く輪郭は凛として透明感に満ち、そののど越しのしなやかな余韻と食味感が楽しめ、今までにない絶品のそばである。店名は「中むら」。そばをこのように表現している。<そば喰う人はみな長寿 はじめ鶴鶴 あと亀亀>なるほど。。。。その後、いろどりの風景、温もりの時間が、語り掛けてくる、森と水とロマンの鉄道「SLばんえつ物語号」で豊かな自然が美しい磐越西線(会津若松~新潟)の旅を楽しんだ。蒸気機関C57180で石炭車でもくもくと煙を吐きながら力強く、黄金色の田園の中を夕陽の映える阿賀野川沿いを走り抜ける。リゾートしらかみ号と同様にさまざまな客車やら、展望車があり、乗務員の心地よいアナウンスやサービスがたまらなく、うれしくなる心地よい3時間36分にわたるロマンチックな鉄道の旅であった。今宵、大河・信濃川に育まれた水の都、新潟のおいしい魚やお酒を楽しみにしながらホームに滑り込んだ。
今日の俳句 ★名月に 飯盛藩士 涙ぐむ
★鶴ヶ城 化粧ほどこし 天高く
★黒煙 すすきの里を ひた走る
11月6日(金)晴れ 20℃
歴史の城下町 - 盛岡・会津若松の情に酔う!
雲ひとつない晴天に誘われて、今日からJR東の大人の休日倶楽部のチケットを利用して鉄道の旅に出かけた。1日目の今日は盛岡先人記念館・岩手県立美術館を訪れた。先人記念館の前庭では、せせらぎの脇で、晩秋の光を浴びる赤いニシキギやドウダンツツジが深紅を競っている。ハクモクレンの大ぶりな葉は軽やかな黄。ヤマボウシは一枚の中に赤と黄、緑が入り交じる複雑な配色だ。ボランテイア案内の方から丁寧な説明を聞きながら、時代の流れと共に気持ちが洗われるような気がする。岩手山や姫神山の頂には白いものが混じっている。晴れ渡る色鮮やかな赤や黄色の田園地帯に対して雪を頂いた山々が対照的にそびえたち冠雪の顔をのぞかせている。赤と白はしばらく互角の綱引きを繰り返した後、やがて白い風景が優勢になるのだろうか。もうすぐ立冬(12/8)。昼食に盛岡名物の白龍(ぱいろん)のじゃじゃ麺に舌鼓をうちながら錦秋の岩手公園(盛岡城跡)を後にする。今度は一路会津若松を目指し南下する。郡山からローカル線磐越西線に乗り換える。車窓には暮れゆく晩秋の磐梯山が聳えている。猪苗代では白鳥が夕陽に染まりながら飛び立っている。錦秋に抱かれた田園地帯をゆっくり走りながら今宵の宿「会津若松」に到着した。情にほだされる「会津の三泣き」を味わってみたいと思う。今夜食事をしながら地元の人から「人生花づくし」のエピソードをお聞きした。最後にこの花を紹介しながら今日の旅を終えよう。
●親の教えは きくのはな
●人の悪くち くちなしで
●頭は垂れて ふじのはな
●笑顔あかるく ひまわりで
●愛をはぐくむ ばらのはな
●心清らか しらゆりで
●世は移ろいて あじさいの
●月日は早く たちばなで
●散り際さやか さくらばな
●先は浄土の はすのはな
今日の俳句 ★啄木を 追うて歩みし 姫神へ
★ニシキギの 紅に染まりし 南部富士
★白鳥と 夕陽が乱る 猪苗代
11月5日(木)晴れ 19℃
世界第2の経済大国 - 秋になると大気汚染がひどくなる!!!
今年2月にビジネス商談で中国青島(チンタオ)を訪問した関係で、中国の日本駐在員より北京、上海での商談会の案内メールやらFaxが飛び込んでくる。日本では今の季節、「天高く馬肥ゆる秋」のことわざがあるように、秋は大気が澄み渡り食欲旺盛になる季節とされている。ところが中国では秋になると大気汚染がひどくなるらしい。駐在員の話では寒さをしのぐため暖房用の石炭などを使いはじめるからである。北京ではPM2・5の濃度が6段階で最悪の「厳重汚染」になる日が急増するという。今やCO2排出量は世界一だ。スモッグで高層ビルもかすむ首都、市民はマスクを手放せない。世界第2の経済大国のメンツは丸つぶれである。海洋進出より環境対策が優先だろうに…とついつい思ってしまう。12月のパリCOP21に向けて、中国は非化石燃料の比率を20%に増やすなど前向きな姿勢をアピールしているが。。。駐在員の話を聞くと、こんな小話があると言う。中国の伝奇小説「西遊記」でおなじみの孫悟空が法師に質問をした。「前方の霧に包まれたところが目的地の西方浄土でしょうか?」と。法師いわく「あれは北京だよ。市民の幸福度指数は中国第一だ。お前は残ってみないか」。答えて悟空「北京には残りたくありません。ぜひ、西方浄土へと連れて行ってください」と。すると法師はこう返答した。「悟空よ、だから残れといったのだよ。北京に残ることこそ西方浄土(死)に行く一番の近道だよ」。悪名高い北京の大気汚染を茶化した中国の小話でもあるが、これが今の北京の現実でもあることを肝に銘じておきたい。
11月4日(水)晴れ 18℃
小商い - 地域に根差した持続可能な地域づくりの可能性を信じて!
川崎町には隠れた紅葉の名所がたくさんある。昨日紹介した笹谷地区、そして今日訪れた釜房湖より秋保温泉へ向けるルートなどは絶景である。こうした地域の隠れ家的存在をもっと掘り起しできないものかと思案してみる。今、各地の週末はイベントが花盛りである。収穫祭やら地域の祭り、公民館などの催しに加え、マルシェなどの新しい名前で手作りイベントが次々生まれ、どこを覗いてみようかと悩むほどだ。一昔前の屋台と違い、素人が手作り雑貨、お菓子、出張カフェなどかわいらしい店舗を構えたり、地元の素材にこだわる店も多い。そんな小さな商売が若者向け雑誌などでは「小商い」という言葉で表現され、起業するきっかけともなっている。店主は小さな仕事をいくつか組み合わせたり、会社に勤めながら副業で出店したりする。起業はハードルが高いが、小商いはもう少し軽やかなイメージだ。起業家の指南役とお会いする機会があり話を伺った。「もうからない、経験がないと言い訳するよりやってみよう。小さく始めれば失敗も少ない」という。自身も好きな旅を続けるために小商いを考えた。好きなら収入が少なくても損がなければ続けられる。同じ趣味を持つ店主やお客さんとの出会いも楽しいだろうし、そこから新しい何かが始まる予感がすると。小商いは売る方も買う方も地域の人が主役だ。大きな資本を持つ者が勝つ経済原理とは違う次元で、地域に根ざした小さな商いに持続可能な地域づくりの可能性を感じる。なるほどと思いながら、いざ実践するにはまだまだハードルが高い。地域自治体による支援は欠かせない。この川崎町で若者等が小商いできる環境はないものかとちょっと考えてみたいと思う。アイデアやヒントがあればぜひとも寄せください。
11月3日 文化の日(火)晴れ 15℃
読書週間 - 村田町”無伴奏”との出会い
読書週間が始まっている。最近はインターネットを通して情報を得るようになってから、一冊との本との出会い、そして一気に読むような機会が減ってきた。それだけ頭の方も安易になっているのだろうか。ある知人から、蔵書を処分したいのだが、ごみに出すのは忍びないので、興味のある本があれば持っていってくれないか—という話だった。ご自宅の書斎と倉庫の本棚には大量の本が収められていた。それでもかなりの数を処分したそうで、所々に隙間がある。ジャンルは多岐にわたる。勧められるまま、興味のありそうな本など十冊程度頂いた。それにしても、人さまの本棚とは面白いものである。背表紙を眺めるだけで、その人の興味や人柄がうかがえるような気がする。ページをめくると現れる傍線や書き込みにも親しみが湧くものである。ある作家は「書棚は持ち主の知的歴史の断片だ」という。そう考えると、譲り受けた本も何となくずっしり感じられる。知人から「必要としてくれる人がいて良かった」と思ってもらえるよう、しっかり活用したいと思う。そして今日思いがけない出会いが隣町の村田町であった。青根の友人Kさんが昔、仙台で音楽喫茶「無伴奏」をやっていたが、村田町で同じ名前の純喫茶「無伴奏」が開店したのだ。思わず飛び込んで店主と話をしながら、早速Kさんへ連絡をとる。素敵な喫茶店主との語り合いも楽し。バッパの音楽を聴き、珈琲を飲みながら知人の本をめくり感傷に浸るのも、なんかロマンテックでいいもんである。
↑川崎町笹谷地区の紅葉↑
11月2日(月)小雨 11℃
秋の深まり ー 成熟・円熟の軌跡 - 小さなことの積み重ね
朝起きると、外は久しぶりに雨模様で今までの乾燥気味の地に潤いを与えてくれて恵みの雨でもある。知人のお見舞いの帰りに書店に行くと、所狭しと並んでいる。「○○したいなら□□せよ」と人を導く指南書。中でも健康に関するものは売れ筋のようだ。次から次に新刊が登場し、どれを読むべきか迷うほどである。病気にならないための運動・食事法、病気になったときの医者・病院の見分け方、医学に頼らない自然・民間療法…。「これを読めば目からうろこ」「早くも△△万部突破」などと誇張気味の宣伝帯も目につく。それぞれに役立つことが書かれていよう。が、一朝一夕で体の機能を改善し、長寿を確実にすることはそもそも不可能。なのに人は惑わされる。通販でも「健康」「長寿」の効能をうたう食品類が席巻している。その中で平凡ではあるが、コツコツと小さなことを積み重ねることが大事であるとうたっている本があった。毎日の新聞閲読、階段の上り下り、おいしいと感じる物を口にする自然な食事、何事にもくじけない気持ち…など、つづられた内容は素朴で平凡な暮らしの効用。そして情報に振り回されないことが肝要と諭す。人生とは「たくさん稼ぎ、たくさん消費する。それが豊かさ。経済成長こそ進むべき道」と叫ぶが、「一日も早く架空の幸せの方程式から脱却すべきだ」と。そして「幸せは人生の目的ではない。大切なのは生きがいだ」と説いて最後を締めていた。なるほどと思いながら、秋の深まり、そして紅葉の今の時期は人の成熟、円熟の軌跡と重なる。わが身に照らせば恥じ入るばかり。拙速は禁物。夢を実現する秘訣は何か。「小さなことの積み重ね」と肝に銘じたい。
11月1日(日)晴れ 15℃
蔵王連峰にも冠雪が - 寒くなってきたね!
今日から11月である。あいさつは季節とともに変わり、「寒くなったね」が増えてきた。先週、紅葉旅行が終わったと思ったら、蔵王連峰の山々は白い冠雪の季節となってきた。秋はあっという間に過ぎ、季節は急ぎ足で冬へと向かっている。晩秋に感じる寒さを表す言葉はさまざまある。歳時記から拾うと「そぞろ寒」「やや寒」「うそ寒」「肌寒」「朝寒」「夜寒」…。それぞれ微妙にニュアンスの違いがある。日本人の感性は繊細だな、とつくづく思う。ところで、安倍首相が最近になって掲げたスローガン「1億総活躍社会」。担当相を新設して、政権の看板政策として位置付けた。その1億総活躍社会実現へ向けた動きがスタートした。具体策を話し合う「国民会議」の初会合が先日、官邸で開かれた。民間から経団連の榊原定征会長や、タレントの菊池桃子さんら15人がメンバーに起用された。議長を務める首相は「従来の発想にとらわれない対策、新たな案を」と意気込みを語った。11月末には早速、第1弾の緊急対策を打ち出すとのこと。それまでわずか1カ月ほど。来春には「1億総活躍プラン」を策定するという。効果的な政策をまとめられるのか、既存政策の寄せ集めで終わるのでは、スローガン先行だ-。冷めた見方をする向きもある。マイナンバー制度の運用が来年1月から始まる。国民全員に番号が与えられ、そして、さあ、みんなそろって活躍しましょう-との号令だ。「そぞろ寒」か、「やや寒」か、「うそ寒」か。なんだか寒々しさを覚えてしまうような気がしてならない。