■2024 活動日誌2月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。
2024年2月28日 晴れ
今年は雪解けが始まるのではなく、雪のない季節でしたね!
降る雪が雨に変わり、雪解けが始まる季節である。雪解けにまつわる言葉はいくつかある。「雪しろ」といえば、川に流れ出した雪解け水のこと。「雪滴(ゆきしずく)」は緩んだ雪からしたたる水だろう。「雪解風(ゆきげかぜ)」は早春に吹き、雪消えを促す暖かな風をいう。いずれも春の季語になっている。季節の移り変わりを実感する時季のはずだが、そもそも今冬は雪が少ない。拙宅の周囲の本格的な除雪は今のところ2から3回で済んでいる。とはいえ、冬らしくない冬に頭を抱える人も多い。川崎町のセントメリースキー場は土が露出した斜面が見られ雪不足で、そして今後も見込めないとのことで閉鎖されることとなった。さらに行政から除雪を請け負う業者は大打撃を受けている。稼働時間が基準に満たなくても待機料は支払われるが、売り上げ減をカバーするには程遠い。担当者は「会社全体の利益を圧迫してしまう」とうめく。冬を彩る雪関連イベントも、中止や規模縮小が目立つ、今日この頃である。誰もが「ほどほどの冬がいい」と願うが、少雪に泣かされる年があれば、ドカ雪に脅かされる年もあるのが実情だ。気象エッセイストの倉嶋厚さんは「天気や気候に中庸の美徳を期待し過ぎてはいけない」と書いていた。分かってはいるのだけれど。これも温暖化の現象そして象徴なのだろうか?
2024年2月26日 曇り
春は黄色の色彩を連れてきた!
春は黄色の色彩を連れてくる。マンサク、フクジュソウが咲き始めた。北海道砂川市のいわた書店は「一万円選書」で知られている。店主の岩田徹さんが1万円の予算で、客に合わせて本を選んで届けるサービス。本に関する深い知識と経験に基づく選書が評判を呼び、多くの人が利用している。バブル崩壊後、書店経営は悪化の一途だった。何とか抜け出そうと考えていたとき、先輩から「書店に行っても面白い本が分からない。自分に合う本を見繕って」と1万円を手渡されたのがきっかけだった。当初は芳しくなかったが、深夜番組で紹介され、SNS(交流サイト)で一気に広まった。依頼主には「選書カルテ」を記入してもらう。印象に残っている本、人生でうれしかったこと、苦しかったこと…。岩田さんはカルテを読むと、何に悩み、葛藤しているかなどが分かるという。本との出会いを大切にした取り組みだが、一方で「こんな浅ましい買い方があるのか」と思うのが自民党の二階俊博元幹事長の政治団体である。書籍代として3年間で約3470万円を支出。二階氏の政治家人生をつづった本など計2万7700冊を購入し、選挙区外の行政や議会関係者に配布したという。カルテを書いたわけでもなく、一方的な選書は迷惑なだけで読む気がしない。裏金事件で揺れる政界の病状は極めて深刻。政治資金の使途こそ、詳細に記入するカルテが必要である。
2024年2月20日 曇り
農山村集落が生き延びられるには?
山奥にポツンと建つ民家を訪ねるテレビ番組がある。昔は集落があったが、徐々に減って1軒だけ残ったり、定年後に誰も居なくなった生家に戻ってきたり。住人の人生や地域の変遷が垣間見えるようでもある。「限界集落」という言葉が登場して久しい。65歳以上の高齢者が住民全体の50%以上を占める過疎地域の集落を指す。70%を超えると「危機的集落」、1軒だけになると「廃村集落」、誰もいなくなれば「消滅集落」などと区分されると言うらしい。人口減少が進む中、農山村のすべては守れないとして「選択と集中が必要」とする声が増えてきている。ある大学の教授は「あたかも店をたたむように一部の集落を閉じろという議論があり、『農山村(集落)たたみ論』と呼んでいるとのことである。たたみ論の論拠は効率性であり、最終的には財政問題に行き着いてしまう。能登半島地震のニュースを見ていると、被害を受けた過疎の集落が映る。住民は戻ってこられるだろうか。人口減少に自然の災禍が追い打ちとなり、たたまれる集落が増えるのはつらい。集落の維持は被災地に限らず、全国的な課題である。たたまずに済むように、人口減少を食い止める施策の一方で、低密度の地域づくりを進めるかも考えるべきだ。利便性を考慮すれば都会や町に人口が集中してしまうが、自然豊かで魅力のある農村で生き延びられる方策を皆で考えてみたい。
2024年2月14日 晴れ
世界の巨匠 小澤征爾 逝く!
楽器の特徴と奏者の個性を理解し、タクトで対話しながら、一人一人の「心の中の音色」を引き出す。それぞれの旋律が相乗効果を生み、音がまとまっていく。そして一種の没我の領域に入った時、見事な調和を生み出す。そこに導くことが指揮者の仕事だと思い、その姿勢に感動を覚える。そんな力を身につけ、「音楽に国境はない」を体現した指揮者の小澤征爾さんが亡くなった。享年88。欧米の名だたる楽団でタクトを振り、「世界のオザワ」と評された。まさに世界に誇る指揮者でもあり、日本人として誇りに思う。それぞれに哲学を持った一流奏者を一つにまとめるのは大変だろうと思うが、いや、それは素人考えで、小澤さん自身も没我の領域に導く過程を純粋に楽しんでいたのではないだろうか。指揮者は「マエストロ」とも呼ばれる。その響きには畏敬の念が込められている。小澤さんに影響を受けた多くの音楽家が今頃、鎮魂歌を奏でているかもしれない。小澤さんもきっと、その音色にタクトを合わせているだろう。さようなら、偉大なマエストロよ。今、曲を聴きながら涙がこぼれてきた。
2024年2月6日 曇り/雪
温かいお風呂でぬくもりを与えてやりたい!
最近、体調がよく外でのアウトドア活動を好むようになり、このHPの執筆も怠りがちである。昨夜から雪も降り積もり、今日はまさしくインドア活動でPCに向かっている。寒さがこたえるこの季節、温かい風呂はありがたい。たっぷり湯を張った浴槽にどぼんと身を沈める。急激な寒暖差は体に毒だから気をつけねばならないが、全身が湯に包まれると幸福感に満たされる感じがする。川崎の我が家の近くに温泉施設「やすらぎの湯」があり、時間を作っては入りに行く日々が続いている。日本人は特に風呂好きはよく知られている。非常時でもそれは変わらないらしい。体を清潔に保つためだけの理由なら、シャワーや行水でいい。多くの人は、この上ないリラックス効果を求めて湯につかる。能登半島地震の被災地で、人々が久しぶりの入浴に、心からほっとした表情を見せていた笑顔が印象的である。日常の営みが断ち切られた災害時は、なおさら癒やしの効果が感じられるようだ。被災地でも、公共施設の浴場や自衛隊が設置した簡易の湯船につかった人々が、ひととき被災の疲れを忘れたと話していたのを思い出す。湯のぬくもりは、打ちのめされた人々が生きる気力を取り戻す手助けになるのだろう。地震の発生からきょうで1カ月が過ぎた。吹く風はまだ冷たい。悲しみに沈み、疲れ切った人々の心と体を少しでもお風呂で温めてほしいと思う。
2024年2月5日 曇り/雪
立春そして梅の蕾が赤くなってきました!
つい先日、正月を迎えたと思ったら、もう1カ月が過ぎた。早いと感じるのは何とか平穏な日常を送れているからだろう。先月は、元日に能登半島地震、2日に航空機衝突事故、3日に福岡県北九州市の食堂街で大規模火災が起きた。被災者にとっては長く厳しい1カ月だったはず。特に、冬の日本海には見る人の心を凍らせるような寒さがある。それでも1月をなんとか乗り切り、暦の上では冬に別れを告げた。節分のきのうは災禍を招いた鬼を豆で追い払い、東北東を向いて恵方巻きを食べた人もいるだろう。寒さの中にも「光の春」がやってきた。その象徴として我が、梅林の梅も蕾も赤くなってきた。ただ、能登半島地震の被災者が光を感じるのは季節より「人の支え」と思う。断水が続く中、被災した飲食店が屋台村を開いたというニュースを見た。互いを思いやる気持ちは復旧・復興の推進力になる。みんなで支え合えば一つの芯にきっと、たくさんの花が咲く。米国から来たキャシーを迎えた味噌作り、薪つくり・配達、中古車取り換え、仙台六芒星巡り等、あわただしい中、無事に1月を終えた。日脚の伸びを感じながら、そんな思いを強くする立春を迎えた。ここから一年の新たな始まりにしたい。