■2014活動日誌2月■
日々の季節の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたことなど、思いのままに綴ってみました。おつきあいください。
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★2014.2.28(金)曇り 10℃
今日は日中曇り空ながら穏やかで、雪解け水が屋根からしたたる音に小さな春を感じる。庭先の雪かきをしていると「まんさく」の黄色い花が枝一面に咲き始め、クリスマスローズの芽もだいぶ膨らんできた。「逃げる2月」もきょう限り。あすから「去る3月」が始まる。とはいえ、年齢を重ねるほど、月日の流れを早く感じるのは、多くの人に通じる思いではないだろうか。ある心理学者によると、加齢で新陳代謝が弱まり、頭の中の時計もゆっくり時を刻む。そうすると周りの時間の方が早く過ぎていくように感じるからだそうだ。気ぜわしさに追われることなく、流れる時をゆったりと味わいたい。プラス思考で考え、過ぎる分だけ、新たな経験や出会いが増える。どんな時間も人生の糧となる。そう前向きにとらえれば、年をとるのも悪くないのではないかと思う。
★2014.2.27(木)曇り&小雨 9℃
この時期「雪下野菜」がある。キャベツ、ハクサイ、ダイコン…。ことこと鍋で煮込み、薄めの味付けで食べると口いっぱいに甘さが広がる。雪国の冬が秘める優しさを味わえる。畑に実らせたまま雪の下に寝かせたり、収穫してから埋めたりする。0度ほどに保たれ甘みが増し、保湿作用でみずみずしさが長持ちする。雪の恵みは野菜だけではなく「雪中貯蔵酒」がある。新潟や長野の豪雪地帯でよく販売されている。新酒の若々しさをそのままに、穏やかに熟成させ、まろやかな味になる。先日旅行した新潟の酒蔵でも高く積み上げた雪の中や雪を詰めた室で大事に保管し、春から夏にかけて出荷すると言う。雪は山に降り積もり、清流に変わり、田畑を潤し、米に甘みを凝縮させ、うまい酒を醸す。雪は時としてはやっかいものだが、こうした恵みも与えてくれる。それにしても、この時季、暖かい部屋でおいしい日本酒の冷を飲みたい。
★2014.2.26(水)晴れ 8℃
もうじき3月。3月といえば「ひな祭り」を思い浮かべる。古くから日本人は小さいものを「ひな」と呼んだ。親鳥に対して「ひな鳥」、実物を小さくした「ひな型」、3月の「ひな人形」は本来、人間のけがれを払うため川に流した人形(ひとがた)をあらわしている。今日、図書館の帰りに久しぶりにJazz喫茶「カウント」へ立ち寄る。マスターのFさん一人だけで、近況について語り合う。カウントのスピーカーはALTECでスケールの大きさがまるで違い、これが本物だとうなずいてしまう。何もかも大きいことを良しとする外国文化であるが、これに対して日本文化は盆栽や生け花、床の間、トランジスタラジオ等で小さいものを好む美意識は、緻密で繊細な日本人の感性と切り離せない。ユネスコの世界文化遺産に登録された和食も、物の大小ではなく、旬や素材を生かす調理法、盛りつけのこだわり、気配りの細やかさが特徴である。やはり私には古来の日本文化に癒される。
★2014.2.24(月)晴れ 5℃
先日のただならぬ大雪で畑一面が白く覆われてしまったが、今日は気温が上がり、雪が解けだして地表がやや見えてくるとホッとする。今年は春を押しのけて冬将軍の態度が大きく見える。ニュースでは2度にわたった記録的な大雪による農産物や農業施設(ビニールハウス)への被害を報じている。そして野菜が軒並み高騰し、店頭では品薄となったものもある。今日、居座る冬の厳しさの中にも春の便りが届いた。誕生日・バレンタインデイプレゼントとして息子の嫁より「iPad mini」が届いた。早速、子供のおもちゃ感覚で設定するがPCなどより簡単で手頃サイズ、とにかく起動が早く、ウオッチするだけならば結構楽しめる。これならば外出中に鞄に入れてネットで調べ物を楽しんだり、ちょっとした時間にニュースを見たり、カメラ撮影等もできて便利であり、ライフスタイルが広がりそうである。昨日・今日と、野菜や薪を届けに来てくれた友人の気持ちの暖かさや自然の恵みのありがたさを感じながら、三寒四温を繰り返し春が近づいてくることを期待したい。
★2014.2.23(日)晴れ 3℃
今朝は久しぶりに晴れて、いてつく雪面の足跡にまぶしい光が射しこんでいる。一面の銀世界で餌を見つけられず、我が家の庭に小鳥(ツグミ、セキレイ)が多く訪れるようになった。今日は「春の到来」を見つけに隣町の音楽ホールで開催されたクラッシックコンサ-トに出かけた。仙台フィルのでコンサートマスタとして活躍している神谷未穂さんのバイリオン演奏。一児の母親ながら大好きな音楽を一筋に演奏し続ける姿勢には頭が下がる。愛の挨拶/エルガー、ひばり/デイニークをはじめ10曲を披露してくれ、久しぶりに生の音楽に酔いしれた。そしてロビーでは地元女子高校生が創作した「竹炭チーズケーキ」(クッキー生地に竹炭チーズケーキ・白いチーズケーキの3層のケーキ)があった。体によさそうでシャリシャリした食感を楽しめる。春のささやきが響くのはまだまだ先であるが、女性の活躍が春の気配を感じさせるホットした一日であった。
★2014.2.22(土)曇り 2℃
雪寄せした庭の雪の高さもやや減ってきているが、今度は寒さで凍りつきはじめ、やっかいになってきている。こんど私の書斎に、お火炉(黒炭)を置くこととした。手をそえたりするとほんのりと暖かく、なかなか風情がある。これで我が家の暖房は薪、灯油、炭がエネルギーの3本柱となる。連日、TVでは五輪放送が流れてくる。「魔物が棲む」と言われる五輪の舞台。人生にミスや失敗はつき物だ。ましてや大失敗の翌日、多分“どん底”の状況の中でベストの演技をやってのける浅田選手の精神力、底力に、会場の観衆はじめ列島中が感動した。「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と元首相で組織委のトップが、先が思いやられる驚く発言。この無神経さにあきれ返り、悲しくなる。挫折や不遇の経験が人を育て、日々を懸命に生きようとする若者世代をきちんと見守る姿勢がほしいものである。
★2014.2.20(木)曇り 3℃
昨日は二十四節気の雨水である。雪が雨に変わり、氷が解けて水になる。三寒と四温を繰り返しながら、本当の春が来る時期でもある。今日は講習会の最終日である。農業SNSや受発注システムを活用し、コミュニュケーションを図ろうというソフト的な試みである。これだけネットが普及した中で生産者同士、そして消費者と結びつけるひとつの手段として活用したいものである。泉区にある実験場はまだまだ雪で覆われているが、雪の下で葦の芽はふくらみはじめている。この雨水の時期は農作業を始める目安とも言われている。今回の関東地域の雪害のように、異常気象の中でいつどんな災害に遭遇するか分からない。カレンダー通りにならない季節の「現実」を忘れずに備えだけはきちんと怠りなくしておきたいものである。
★2014.2.19(水)曇り&小雪 1℃
今回の大雪による関東各地の大災害の様子はNHKのニュースよりインターネットの方が役立った。情報は断片的だったが、それでも事態の深刻さは伝わってくる。だがNHKテレビに映し出されていたのはソチ五輪の録画放送が中心である。オリンピックの報道も大事だが、命に直結する災害報道は優先するのが、公共放送の使命だろうと思いながら、2日目のIT農業講習会の現場実習に臨む。実証実験とは言え、農業を取り巻く環境は今、高齢化・就農人口の減少・不耕地の拡大・飛び地の問題等を抱えており、ITを活用して手助けできる環境を作ってやりたいと思う。今日はラッキーなことに昼休みに地下鉄の駅ビルのロビーにて、若い2人組がJAZZライブを行っている。アルトサックスの生の音が心地よく響き、心と体を癒してくれる。今日は学んで、考えて、楽しんでと面白い組み合わせの一日であった。
★2014.2.18(火)曇り&小雪 2℃
1週間おきにドカ雪の波状攻撃で、街中もまだまだ相当の残雪が高く積もっている。今回は雪質が重い分、かなり腰に来て筋肉痛気味である。今日も日中より粉雪がちらつき始めた。昔、秋田勤務時代に豪雪を「空と大地を埋め尽くす白魔」と書いた本を思い出す。多少の降り方では騒がないよう自重しているのだがもうそろそろ勘弁してと言いたくなる。今日から3日間の予定で仙台市主催の「IT農業講習会」(泉区)に参加する。ITを使い農業を楽しく、売上・効率・管理に寄与できるよう上手に活用し、できることは自分でやろうと実際の作業も含めて実務を学ぶ講習である。明日は圃場での実習もあり楽しみであり、新規参入者の心意気で取り組んでいきたいと思う。農業そして里山をビジネスと捉え、多くの若者や新規参入者が増えていくことを期待すると同時に少しでも先導できるよう勉強したい。いくつになっても多くの人と一緒に学ぶことは楽しいものである。
★2014.2.17(月)曇り 3℃
漢和辞典を引くと、「雪」という字には、そそぐ、清める、洗いながす、などの意味がある。そういえば冤罪をはらしたとき、支援者らが掲げるのは「雪冤(せつえん)」の2文字だ。週末ごとの雪の被害は、自然が何かを戒めようとしているのだろうか。今日はやっと川崎から仙台へ。国道286号は除雪してあり何とか日中ならば通れそうだが、夜間等は凍結が心配である。「震を描き災を想う。東日本大震災3年目の作家たち」と題して夕方より芥川賞作家の玄侑宗久さんの「無常を生き抜く」の講演を聞いた。震災を通して生きる形を問い直し、新しい軌跡を作ると問いかける。今回の週末は全国各地で記録的大雪に見舞われ、除雪作業が追いつかず、社会生活をはじめ各分野で停滞・渋滞・孤立状態等が続いている。住民の不安が少しでも洗いながされますよう一日も早い復旧が望まれる。
★2014.2.16(日)その2 15時過ぎより強風
午後から本日第2弾の雪かきをしていたが、15時過ぎより強い風が吹いてきたため、今日はこれで雪との格闘も終了。この風で明日の道路の凍結がちょっと心配である。ところで14日は「バレンタインデー」。私も義理チョコを頂いたが、友人(学校の先生)の話で2月に入ると、学校の職員室でも落ち着かない男性が出てくるらしい。いくつチョコがもらえるかが気になる。独身男性教員が女生徒からたくさんのチョコをもらうために、放課後に教科の面倒を見たり身の上相談に乗ったりしているという話が出れば、本命チョコならともかく義理チョコを集めてどうするんだというやっかみもあって、なかなかにぎやかだったという。リボンのかかったチョコをもらえば、つい笑顔になる。バレンタインデーなんて、しょせんチョコメーカーの創作。そんなことに振り回されるなんてと思いながら、庶民にささやかな楽しみを与えてくれる。
★2014.2.16(日)その1 曇り&晴れ 2℃
昨日からの雪で家の周りはすっかり一面の銀世界で先週の残雪も合せると1メートル以上も積り、車を出すこともできず、昨日から雪かきに追われる。今まででこんなに積もった経験はなく除雪車も呼んで何とか雪寄せして、何とか車が道路まで出れるようになった。友人等に連絡すると多くの人は諦めて家にいるとの返事である。雪かきに追われながら、ラジオを聴いていると「雪の降る街を 雪の降る街を/想い出だけが 通りすぎてゆく」の歌が流れてきた。この歌は作曲者の中田喜直さんが、駅から馬そりに乗ってAさん宅へ向かう途中、城下町の雪景色に心を打たれて曲想を得たとされる。しみじみと胸に染みる名歌だ。本来だと冬の雪の中に日差しがきらめき“光の春”を告げる情緒が感じられるが、今はとにかく雪かき・雪寄せで体力も消耗し、そんな気分になれない状況である。これ以上雪が降らないことだけを願うばかりである。
★2014.2.14(木)晴れ 2℃
今日は仙台駅前高層ビル18Fに居を構える知人のS社長を訪問した。やはり高層ビルからの眺めは格別である。近況を話しながら、中央公論新社が選ぶ2014年の新書大賞に決まった「里山資本主義」に話が及ぶ。藻谷浩介氏とNHK広島放送局が協力して昨年7月に出版し、20万部のベストセラーである。地域に眠っている森林資源を活用し、産業と雇用を生み出して資金を地域内で循環させようという視点で捉えている。最近では驚くことに、板を重ね合わせて作る集成材の製法で強度を上げ、高層ビルの建材として使える見通しが立ったことだ。オーストリア、ロンドンでは9階建て木造ビルが完成。イタリアのミラノでも、近く13階建て木造ビルが完成する。鉄やコンクリートなど外からの資材に頼らず、身近にある再生可能な森林資源で高層ビルが建てられるのである。今ここにいる高層ビルもいずれは木材で。すごい話ではないか。二人で新たな事業の展開に向けて心躍るひとときであった。
★2014.2.12(水)曇り 3℃
今日、石巻でレタス等を栽培している植物工場を視察した。クリーンルームの温かい寝床(光・温度・湿度・養分・水分)の中で、すくすく育っている。私の冬の寝床の必需品は湯タンポであり、「湯湯婆(ゆたんぽ)」とも書く。江戸時代までは、湯婆(たんぽ)と呼ばれていて、明治以降は、上にさらに湯という文字を重ねて、湯湯婆となったらしい。中国から入ってきた道具であり、「婆」は妻の意味。「湯を入れた温かい容器は、妻を抱いて寝ているようだ」というしゃれだという。暮らしの道具に、先人は何とも人肌恋しい名前を付けたものである。寝床の湯タンポが、雪と闘った体を温めたり、雪かきで疲れ切った足や凍えていたつま先までも温めてくれる。「厳しいこの冬は、いつまで湯タンポの世話になるのだろうか」と思いながら、毎夜、眠りにつく。 寒さもあともう少しの辛抱。春が来ない冬はなく、氷が解けない春もない。朝起きて、湯タンポの栓を抜けば、ポコポコと流れ出る水の音に春の小川のせせらぎを想像する。水ぬるむ季節の到来を願う。
★2014.2.11(火)晴天 3℃ 建国記念日
朝起きてみると、家の廻りは一面の銀世界と化し朝日にキラキラと輝き、まるで絵画を見るような錯覚に陥る。この時季ならではの、うっとりする光景である。陽が高くなると、今度は白い世界と空の青さのコントラストが際立つ。玄関を開けると一面真っ白で、新聞配達の人の長靴の跡だけがくっきり残っている。さて「雪」といっても多種多様である。ちなみに「日本大歳時記」を見ると、初雪に始まり新雪、根雪、粉雪、水雪、細雪、ベと雪、しまり雪、ざらめ雪までまさしく枚挙にいとまがない。言わずもがな、これらの雪は冬の季語である。しかし春に分類される季語もある。春の雪を皮切りに牡丹雪、淡雪、綿雪、堅雪、斑雪、名残雪、雪解けなど思いのほか多い。今日の訪問者はトイプードルの「コナ」(7歳オス)くんである。漆黒の天然パーマをかけたようなシャープなハンサムボーイである。飼い主もまるで自分の子供を慈しむように、その可愛いさにメロメロである。春の訪れは一進一退。当分は「余寒」の日は続くが、この自然と戯れる日が続く喜びを噛みしめたい。
★2014.2.10(月)曇り 3℃
日本列島を大雪が見舞い、ニュースでは雪道でスリップする車両や、こわごわ歩く人々の映像が流れている。いきなりの大雪には、我々北国の人間もいささか慌てた。今日、味噌配達で街中を運転したが、幹線以外の道路は雪がデコボコとなりハンドルがとられそうになる。でも今の時季、真冬の夜空は研ぎ澄まされた冷たい空気の中で、満天の星が輝き、他の季節とは違い、星をより一層輝かせ空全体を引き締めている。夜空を眺めているとさまざまな動きがある。流れ星がスーッと尾を引いたり、飛行機が点滅しながら星を横切ったり。一段と速く動く光は人工衛星だろうか。星座の名前を学校で習ったことがあるが、今になっては北極星と北斗七星しか見つけることができず、星の名前も忘れてきている。寒さ対策を十分にしたうえで、時には凛と引き締まった夜空を見上げるひとときを持ちたいが、寒いので近いうちに天文台に行き、雄大な宇宙を眺め星座のロマンに浸りたい。
★2014.2.9(日)小雪&曇り 2℃ (積雪約50センチ)
立春は過ぎたが、今日、朝起きてみると約50センチ程度の積雪に見舞われた。昨日は「青根雪あかり」祭りで雪灯篭つくり、今日は5家族で味噌作りを予定していたが、大雪のため3家族が参加不可能となったが、近くのKさん・Mさん・TSさん・TMさんが、この雪の中来てくれ、一緒に味噌作り・豆腐つくりを。家中に大豆の甘い匂いが漂い、本物の大豆のうまみを、そして自然の恵みを味わった。初めて豆腐を作ったが、出来立てはこんなにおいしく、うまいものかと実感した。この2日間、アクテイブに活動したせいもあるが、終了後はどっと疲れが出てきた。「東風解凍」という言葉がある。(はるかぜ・こおりをとく)と読み七十二候の一つで今の時節を指す。厳冬期はまだ続くが「春風が厚い氷を解かし始める」という意味らしい。地図を広げて見ると北方領土から西の方へ真っすぐ指でなぞるとソチがありソチ冬季五輪が始まった。目を凝らせば雪や氷の下ではフキノトウの芽、福寿草が黄金の蕾を膨らませ始めている。ゆっくり風呂にでも入り、「東風解凍」の心でこの冬をソチ五輪をじっくり楽しみたい。
★2014.2.6(木)晴れ 2℃
ビバルディの「四季」には春夏秋冬それぞれにソネット(十四行詩)が添えられている。冬は「東南の風 北風 すべての風が争いながら/閉じた扉から 入り込むようだ/これこそ冬 でも冬も喜び」と。今日は北風が強くまさしく冬模様の中、山元町のITいちご農園「燦燦園」視察した。震災復興の一環として山元町いちご農家の知識とITを活用して高設溶液耕栽培(空調・肥料・CO2・窓の自動開閉等)を融合させ、糖度の高いいちごを生産している。そして同じくITを駆使してiPadを用いてデータを活用してロンドン五輪で銅メダルを取った全日本女子バレー眞鍋監督の講演を拝聴した。目標を明確にするため「数値化」に取り組むとともに選手のモチベーションを高めながら、リスクのある選択をして新しいことに挑戦する言葉が印象的であった。両者とも、ITを活用して経験と知識の融合させ、とにかく今やれることはすべてやると言いきる。厳しい寒さが増しているが季節の確かな歩みを感じながら、今日はほんのりとした喜びと元気を感じた。
★2014.2.5(水)小雪 ―3℃
三寒四温ならぬ二寒一温と言おうか。めまぐるしく季節がせめぎ合う。今日は冷凍庫に入ったような氷点下の冷え込みだ。9日開催予定の味噌作り大会に向け、隣の村田町の麹屋さんに出向く。作業室は麹の甘い香りに包まれ、そしてこの季節、甘く、懐かしい味わいの「甘酒」があった。冬の楽しみと思いきや、意外や意外、実は夏の飲み物だったともいうから面白い。歳時記を開いてみれば確かに、甘酒は夏の季語と書いてある。甘酒は江戸時代の総合ドリンク剤だったらしい。「夏になると甘酒売りが市中に出てくる」とあり、暑さに勝てずに亡くなる人も多い中、甘酒は夏バテに効くと飲まれるようになったらしい。甘酒は米とこうじを使う作り方が一般的で、米のでんぷんを、麹菌によって糖分に変える。甘酒を分析してみれば、ブドウ糖、アミノ酸類、ビタミン類などが豊富に含まれている。先人の知恵は、ちゃんと理にかなったものだった。雪国の暮らしの中で心を癒やす冬のまつり等に、甘酒のふるまいはうれしいものだ。じんわりと手に伝わるぬくもりと、立ちのぼる湯気。心も体もほっこりする。甘酒にはやっぱり雪が似合う。
★2014.2.4(火)立春 曇り 2℃
今日は昨日の暖かさとは一転して本格的な冬が到来したかのように一日中雪が舞っている。春の兆しと思いきや、出掛けに小雨がやがて雪に変わった。街は瞬く間に一面の冬景色に。今日は病院DAY。定期的にかかりつけの内科・歯科そしてパートナーの漢方内科と3か所の病院へ出向く。街中は季節を先取りしているような商店もある。花屋は色とりどりの花を並べ、華やいだ雰囲気が漂う。靴店や衣料品店には春物の商品も陳列され、ちょっぴり陽気な気分に浸ることができる。そして庭のモクレンの花芽がもう2~3センチほどに伸びている。うっすら雪が積もるほどの寒さの中で開花に向け、しっかり備えている。樹木は真冬は活動が活発ではないが、春の兆しを感じると根から水分を吸い上げ、花や葉の芽に養分を供給し始める。タンポポは小さな葉を地面に広げ、冬の寒さに耐える。雪が解けると、春の日差しを葉で受け、急速に成長する。春を待つ植物の営みは目立たないが、けなげだ。つい寒さを嘆きがちな人間も植物にならい、春に備えたい。
★2014.2.3(月)節分 曇り 11℃
きょうは節分、あす立春を迎え、寒が明ける。暦の上では春になり、時候のあいさつも寒中から余寒になる。旧暦では、立春は正月とほぼ同じころにやってきた。節分の晩から立春の朝は、大晦日から元旦と同様に、新年を迎える意味があったという。節分の豆まきや、恵方巻きを食べることは邪気を追い払い、病に勝つ力を得る風習として伝えられてきた。旧暦にならえば、初詣と同じように新年を迎えるためのセレモニーだったんだろう。今日、会社で新規事業立ち上げで議論するが、昔を思い出し心が躍り、胸がときめ、夢が膨らむ。この時季、こんな言葉もよく聞かれる。「1月はいぬる(行く)。2月は逃げる。3月は去る」。年度末は卒入学や引っ越しなどを控え、慌ただしい人も多い。待ち遠しい春はなかなか来ないのに、時だけが早く過ぎていく。春に向けて新たな事業展開の目途をつけるためにも頭も柔らかくせねば。。。
★2014.2.2(日)曇り&小雨 8℃
今日はまるで春の陽気の温かさで、寒気が緩んで雨が降りだした。「やれやれ」と空を見上げてみたが雪の降る様子はなく、寒暖を繰り返しこのまま春が訪れるのだろうか。暖かさに誘われて、私の遊び兼作業フィールドで薪用の丸太切り、シイタケの天地返しを行った後、ニジマスの生育状況を確めながら歩いていると、ふきのとうが、もう顔を出し始めている。秋田フキの生育している所でもあり、特に大きい。早速、収穫し「天ぷら」や「ばっけ味噌」を作る。一足先に春の香りを味わった。この季節、池の周りは木々の落ち葉で埋め尽くされている。木はきれいな空気や緑陰を生み、建材となって人を守る。我が家の室内(床・壁・天井)はすべて杉材を使っている。木には湿度の調節機能があり乾燥が防げる。床材に使うと結露しにくし、その柔らかさが気持ちまでの豊かにしてくれる。姿を変えながら、人の営みに快適や安心をもたらす木々の恵みにあらためて感謝したい。
★2014.2.1(土)曇り 7℃
きょうから2月。暦の上では別名「梅見月」「雪消月」と呼び、冬から春へと季節が移り変わる。今日、船岡のKさんから連絡があり、薪をいただきに船岡公園を訪れる。軽トラックへ積み出し後、丘から見える東南方向は東日本大震災の被災地である福島原発がある。原発事故を受け、福島県は14万人近くが今も避難生活を続けている。発生から間もなく3年というのに、復興の地域格差は広がるばかりだ。先日のシンポジウムの話を思い出す。今、福島の大きな妨げは、進まない放射性物質の除染である。建設業でさえ人手不足の中、除染の作業員が集まらない。ようやく汚染土を削り取っても、雨が山から再び土砂を運んでしまう地域もある。いまもなお立ち入れぬ町がある。政府はずっと掲げていた「全員帰還」の旗を、ついに下ろした。やむを得ないとはいえ、過酷な決断を迫られる人の苦しみを思う。<笑ったり 泣いたり 望んだり あきらめたり にくんだり 愛したりと人の営みの一つ一つを柔らかく包んでくれた沢山の思い出> 皆さんは原発をどう思いますか。