■2014活動日誌5月■
日々の季節の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなど、思いのままに綴ってみました。
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2014.5.31(土) 晴れ 28℃
本日もTBCラジオ「アーリーバード」に投稿し、これで5週続けて採用されました。ちょっとうれしいですね。ちょっと紹介してみると、◆◆今の季節は野山を眺めても、街中を歩いても、多彩な緑が目に染みる。青葉や若葉に包まれた川崎町は鮮緑、深緑、万緑…の世界。生命力あふれる緑の中で、暑さとともに喉を潤す水はありがたい。山歩きや自然散策で汗を流した際、出合う湧き水のおいしさには“至福”を感じます。雪解け水やブナの原生林、森林などに蓄えられた水が地中に浸透し、長い歳月をかけて地表に湧き出す。冷たさと同時にミネラル分も含み、格別の飲み応えがあるもんです。家の前では早苗が春風にそよぎ、水を張った田んぼが、カーペットに覆われたように淡く緑色に輝いている。故郷の歌詞に〈山は青き故郷(ふるさと) 水は清き故郷〉とあるが、日本の豊かな水資源をいつまでも守っていきたいものです◆◆お粗末でした!!
2014.5.29 (木) 晴れ 26℃
年齢を重ねるとともに健康診断の数値が気に掛かる。血圧、血糖、中性脂肪、コレステロール…。判定結果と向き合い、不摂生を深く反省する健康診断の時期が始まった。その基準値が緩和されるかもしれない。日本人間ドック学会などが先月、新たに「健康な人」の検査値を示した。採用されれば、最高血圧の上限値などが高くなり、「異常」判定が減るという。もっと気になるのは、国の健康である。2013年度の経常黒字額が過去最少になった。原因は10兆円超に上る貿易赤字である。健診に見立てれば「異常」判定だろう。数値の裏に隠れた変化にも目を凝らす必要がある。経済構造が輸出大国から変容しつつあり、主要産業の「稼ぐ力」の衰えが指摘されている。深刻なのは、1千兆円を優に超えた国の借金だ。国家財政は、いわば病める肝臓だろう。直ちに入院の必要のある重症だ。にもかかわらず、A首相の目下の関心事は、安全保障をめぐる法整備なのである。「沈黙の臓器」は根治治療が遅れると命にかかわるのだが。。。
2014.5.28(水)晴れ 28℃
黄緑色の淡い光がふわり、ふわり―。初夏の風物詩、ホタルの季節がやってくる。ホタルが発する光は、愛のシグナルだ。雌を探すゲンジボタルの雄は群れになって水辺を飛びながら、光を明滅させるタイミングを互いに合わせ、同調して点滅を繰り返す。雌は草の葉に止まったまま、周期をそろえず発光することで、雄から見つけられやすくしている。書籍によるとその明滅も西日本では約2秒に1回、東日本では約4秒に1回と発光のペースが異なるそうだ。一方、ヘイケボタルは雌雄がそれぞれ固有のパターンで発光する。ほのかな光で巧みに会話を交わす自然の知恵に驚かされる。最近、我が家の田んぼ周辺でも時々見られるようになってきた。人の心を癒やしてくれる“天然のイルミネーション”の幻想的な光の舞が楽しみである。でも今日の蔵王連峰はきれいだなあ。。。
2014.5.27 (火) 曇り 22℃
国富とは国家の富、国の経済力を意味すると、辞書にはある。関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟で福井地裁の裁判長がこの言葉を使った。判決文には、原発のコストに関して「たとえ本件原発の運転停止で多額の貿易赤字が出るとしても、国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だ」。国の富とは貿易の黒字や赤字の問題ではなく、国民が大地に根を下ろし、安心して暮らしていること。言い換えれば、再稼働の問題は電気代ではなく、国民が安心して暮らせるかどうかによって判断します、と言い切ったのである。政府や電力会社はいま、福島の過酷な事故の決着がつかないまま原発推進に向かっている。そのお先棒を担ぐメディアや御用学者も少なくない。一方で被害や生存に関わる権利は置き去りにされたままだ。判決が提起した国富の考え方をもとに、新たな政策を展開する時期が来ていると思う。
2014.5.26 (月) 曇り 17℃
新たな祝日「山の日」ができた。2016年から8月11日が、山に親しみ山の恩恵に感謝する日、となる。名著「日本百名山」の著者深田久弥は山のかかわりをこう書いた。「日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている」。心に生きる山は、いくつになろうと、時代が変わろうと「あたたかく帰郷の人を迎えてくれる」と。深田氏の書く「ふるさとの山」を大事にする日になれば、より意義深いと思う。海のない県が八つ(栃木・埼玉・群馬・山梨・長野・岐阜・滋賀・奈良)あるが、しかし国土の7割近くが森林というこの国で、山のない県はない。島国でありながら、私たちは山の民でもあることを改めて自覚し、森林を大事に守っていければいいと思う。
2014.5.24 (土) 晴れ 21℃
青葉が目に染みる。汗ばむ陽気で好天に恵まれ、残雪を頂く蔵王連峰の山々が蒼空にくっきり浮かび、残雪の白とのコントラストが鮮やかである。今日は薪ストーブの薪収集に一日追われた。午前中は烏帽子スキー場、午後は南蔵王登山口付近とチェンソーそして軽トラックが活躍してくれた。森林の中は若葉の緑がまぶしく、まさにグリーンスタジアムの様相で山並みはまさに、歌にもある「青い山脈」のようで、気持ちも高ぶり、空気のすがすがしさに至福のひと時を過ごすことができた。昨日は仙台メデイアテークでの友人の絵画展にでかけた。若葉青葉の風景や花々をキャンパスに表し、脳裏に浮かんだ瞬間の美を表現している絵画が。。。。この時期はいつも絵画展に出かけ目の保養をさせていただくが、絵画を描ける人を本当にうらやましく思う。でも私は私なりに、この日記、写真を通して脳裏に浮かんだものを自然体で表現していきたいと思う。
2014.5.22(木)曇り 17℃
松尾芭蕉の「奥の細道」への旅立ちを記念して5月16日は「旅の日」とのこと。「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」と言って松尾芭蕉が江戸を1689年の新暦5月16日に出発した。奥の細道の行程は江戸から奥州街道を北上、日光に寄ったあと那須・白河・二本松などを通って松島へ。「松島や、ああ松島や、松島や」。それから平泉まで北上して「夏草や、つわもの共が、夢の跡」とよんだあと裏日本へ回りますが、その途中寄り道して霊山・立石寺に寄ります。「閑かさや、岩にしみいる、蝉の声」。出羽三山を経由して酒田に出たあといったん象潟まで北上、そこから南進に転じます。越後では「荒海や佐渡に横たふ天の川」。越中では「一つ家に遊女も寝たり萩と月」。加賀では「無惨やな、甲の下の、きりぎりす」。そして福井では永平寺に寄り、敦賀から種の浜まで行き、琵琶湖の東側大垣に到着した。最後の句は「蛤のふたみに分かれ行く秋ぞ」。「奥の細道」はこの東北・北陸の旅のあと5年がかりで旅を再構成して作られたもの。一度連続して訪ねてみたくなった。
2014.5.21 (水) 雨 14℃
今日は二十四節気の一つの「小満」。初夏、陽気が盛んになり万物がやや満ち足りる、との意味という。草木茂り、天地に満ちる候を言い、滴る緑に洗われた薫風に心まで満たしてくれる。久しぶりの雨で何となく気持ちまでもゆったりとした気分にしてくれる。自然はえり好みせず、あまねく誰にでも豊かさを分け与えてくれる。五月晴れと緑雨は、ともに万物を優しく育てる。晴と雨が規則的に交互に訪れるのもこの時季の特徴で、詩人のサトウハチローさんは「五月の雨」を詠んだ。〈雨 雨 雨 雨 五月の雨は/どこへ降るのも みどりの雨だ/森でも丘でも 並木の路でも/若葉をうつして降ってる雨だ〉。周りの田んぼは腹いっぱいに水をたたえ、苗の成長を促すとともに、人々に安心感を与えてくれる。でも、肌寒くなってきたので、いそいそと薪ストーブの火をつけながら、本を読んでいると、自然と気持ちまでも「ほっこり」とさせてくれた一日であった。
2014.5.20 (火) 晴れ&曇り 20℃
今日、歯医者の待合室で漫画「美味しんぼ」を読んだ。東京電力福島第1原発を訪問した後、鼻血が出た主人公。「鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたから。福島に住んではいけない」。と、地元の前双葉町長は言い切る。登場人物の物言いや描写に、「事実に反する」「風評被害を助長する」と抗議の声が上がるのは当然だ。しかし一方的に切り捨てていい話とも思えない。被ばくの影響については、国や東電への不信感も背景にはある。汚染水対策や廃炉のめどは立たず、事故原因さえも明確になっていない。なのに原発の再稼働を急ぐ。燃料輸入で国富が流出しているから、と。さらには原発を輸出するのだという。これで信頼をといわれても…新「安全神話」に、冷水を浴びせた「美味しんぼ」。目に見えない放射線への不安を抱えて生きる福島県民の心中は複雑な思いであろう。
2014.5.19 (月) 晴れ 21℃
山形自動車道の両側の山々は今まさしく、新緑のジュウタンを敷き詰めたように鮮やかである。今日は社用で山形に出かけた。山形市中心部では24、25の両日開かれる「東北六魂祭2014山形」の準備でいそがしそうである。六魂祭に向けて新たに製作した山形神輿を先頭に1山形花笠まつり、2盛岡さんさ踊り、3福島わらじまつり、4仙台七夕まつり、5青森ねぶた祭―の順で群舞などを披露し、最後に登場する秋田竿灯まつりはパレードでなく、コース内の数カ所で演舞を行うそうだ。東日本大震災の復興を願い、多くの人々が参集し盛り上げてほしい。山形と言えば蕎麦。お勧めを聴いたところ、天童市にある肉蕎麦(冷)の「一庵」だそうで、早速出かけた。「肉蕎麦(冷)」のスープは、妙な甘さでは無くスッキリしているので食べ進むうちに慣れてしまい、これが本来の味かと思い始める程に自然に馴染める。蕎麦はしっかりと噛みごたえのある蕎麦なので美味しく楽しめるし、鶏肉の歯応えは食感がやや柔らか目で、肉汁に味がある。¥650の価格も有り難くおいしくいただきました。山形はおいしいものが多そうで、今度ゆっくりと食の散策を楽しみたいと思う。
2014.5.18(日) 晴れ 20℃
青葉若葉が茂り、木漏れ日の麗しい季節となった。周囲の山々は一雨ごとに色合いを深め、緑の濃淡の衣装を織り上げている。仙台市内では「青葉祭り」が開かれ、緑色の街並みに雀踊りが一段と映えている。NHK連続テレビ小説「花子とアン」が面白い。明治時代に英語を学び、戦後「赤毛のアン」を日本に紹介した翻訳家、村岡花子の半生を描いている。山梨の貧しい農家の生まれ。利発な娘に期待を懸けた父の奔走で、学費免除の給費生として10歳で東京のミッションスクールへ編入を許される。猛勉強して英語力を開花させ、人生の可能性を切り開いていく姿がまぶしい。一方で、切なく心に残るのが家族を助けるために女工として働きに出た妹の姿だ。実際の花子には7人の妹と弟がいたが、父が理想とする教育を受けられたのは花子だけだった。学ぶ楽しさや教育の大切さを感じながら、いくつになっても学ぶ姿勢だけはを忘れずにいたい。ツツジの紅や白、フジの薄紫の多彩な花々や新たな人々との出合いが待っているかもしれない。
2014.5.17(土) 晴れ 22℃
水を張った田んぼからカエルの鳴き声が聞こえる。5月は旧暦では早苗月と呼ばれ、川崎町では田植えの季節を迎えている。昔の人は太陽と月の巡りを数えて、四季の変化を知った。月の満ち欠けが農耕の合図だった。水田に丸い月が見える。先人は天上の輝きに豊かな実りを祈ったのだろうか。中国や韓国が猛反発すると分かっていながら靖国神社に参拝して、「中国、韓国の人の気持ちを傷つける考えは毛頭ない」と語る安倍首相。「法の支配」を繰り返し言いながら、日本を専守防衛の国に踏みとどまらせている憲法9条を、解釈の変更によって骨抜きにしようとしている。法の支配とは政府の統治活動を法、それも最高法規の憲法によって縛ることを意味しているのに。安倍首相は会見で、海外にいる日本人の命が危険にさらされても見捨てるのか、と繰り返した。まず情に訴えるのも安倍話法か。水田に映る月でも眺めながら、憲法解釈の冷静な議論を望みたい。
2014.5.15(木) 曇り&雨 21℃
夕方より小雨が降りだした。埃っぽい日々が続き土を潤すにはちょうど手頃な雨である。作家開高健さんは、水の味についても鋭敏で春に仲間とマス釣りに行く山の湖の水のことを<森をくぐってきたばかりの水は峻烈なのにまろみがあり、舌をなめらかにすべり、ノドへ送り込んだあと口いっぱいに澄明な艶と輝きをのこしてくれる>とエッセー集に書き込んでいる。まさしく、文字を追うだけで体中が清冽な気分になる。すべての「いのち」を潤す雨が降る季節もたまには恋しくなる。今日は会社幹部同士でお祝い会を仙台駅前の割烹で開催した。雨の中、人と酒をこよなく愛した仲間同士の会話が延々と続く。雨は雨粒となって山野に届き、地中で磨かれ、川となり、海に注ぎ、また大気に帰る。今日はまさしく年をかさねるごと、大いなる水の旅を感じながらおいしいお酒をちょっといただきました。
2014.5.14(水) 晴れ 30℃
多くの作家は散歩をこよなく愛したと言われる。喫茶店や洋菓子店を訪ね歩いたり、古書店を回ったりしながらジャズ喫茶でひもとく。そのひとときが創作の源になったらしい。店と客の人間同士の触れ合いがあったからでそんな店の集積が、街の品格をかもしだした。今、繁華街や駅前を覆い尽くそうとしているのが、カラオケや牛丼、ファストフードなどチェーン店だ。こうした店では、安くて同じ質の品やサービスをマニュアル通りに提供する。インターネット通販では、品物を手に取ることなく選んで購入できる。便利な半面、その店にしかない味や品、個人の人柄や経験がにじむサービスにはなかなか出会えない。家の周りの水をたたえた田んぼを見ながら、最寄りの街を思い浮かべ、心を豊かにしてくれる名店が今なお健在なことを願いつつ散策してみたくなった。
2014.5.13(火) 晴れ 22℃
11日は「母の日」とあって、生花店はカーネーションやバラを買い求める客が途切れることなく訪れたらしい。クリスマスやバレンタインデーと同様に商戦が展開される花屋さんは大忙しの日でもあった。我が家にも悠々ファームの友人から、パートナーに母の日にちなんでアウトドア用エプロンと宮澤賢治の手ぬぐいが贈られてきた。突然の贈り物でビックリと同時に、お気に入りの物でおおはしゃぎである。そして、我が家でもささやかであるが子供たちから温かいセレモニーがあった。「ありがとう」の言葉に、パートナーも喜んでくれたのではないか。そんな笑顔のやりとりが、これからもずっと続く母の日であってほしい。社会の最小単位とされる家族がいくつかあって集落ができ、街や都市、国家へと広がる。脈々と続いてきた人の営みを振り返るとき、子どもを産み育てる女性の存在があらためて崇高に思えてくる。
2014.5.12(月) 晴れ 24℃
新緑がまぶしい。山々は今、萌黄色の若葉が麓から山頂へ向かって駆け上がっている。この時季は緑の風と戯れながら森を歩くと雪解け水が沢を走り、山野草や山菜も出迎えてくれる。こんなさわやかな時季だが、体調が思わしくなり貧血・めまいの症状があらわれ病院に通いながら余儀なく休養している。家の周辺では田植えがはじまり早苗が風にふかれている。最初は、産毛のようになよなよとしているが、自分の力で立ちかねている浅緑の苗がたくましく成長し、秋には恵みをもたらしてくれる。日が落ちれば様相が変わる。水をたたえた田は広がる湖のよう。漆黒の水面に明かりを映す家々は湖畔の宿だ。月の光が差せば、さらにロマンチックである。農家の人たちの汗と自然の不思議をあらためて思う。<山河また一年経たり田を植うる>
2014.5.8(木) 晴れ 21℃
桜花の余韻がまだ残る中、暦の上では夏を迎えた。震災から3年の「節目」が過ぎ去ろうとしている。この3年で、被災地はどれだけ復興しただろうか。原発の事故処理は、いまだに確かな見通しすら立たない。岩手、宮城、福島の3県ではなお10万人近くが、傷みの目立ち始めた仮設住まいを余儀なくされているという。復興は、一朝一夕にはできない難事である。だからこそ困難に立ち向かう人たちを長い目で支えたい。人の思いに関係なく、いつの間にか季節は巡っていく。その中で私の生活は、連休、旬の季節と浮かれていないか。被災地の苦しみから心が離れていないかと、自らに問い掛けている。もう一度、体調を万全にして東北の沿岸を旅してこようと思っている。ささやかな励ましと、少しでもほっこりできるように。。。できることからはじめたいと思う。
2014.5.7(水) 晴れ 20℃
今日は汗ばむ陽気で、きらめく初夏のようである。山野はツツジや藤の花に彩られ、吹く風が緑に染まっている。まさしく「五月晴れ(さつきばれ)」のお天気。だが旧暦5月、つまり新暦の6月と考えれば「梅雨の晴れ間」を指すのが本来の意で「皐月(さつき)」の語源らしい。それでも「さつき」の語感は清々しく、気持ちがいい。竹林の中にも清々しい風が透き通っている。竹林の中ではタケノコが真っ盛り。色、形、大小さまざまである。今年は生育が早く、数も多いし、思わずニンマリと。。。そして夕げのだんらんは、見ずともわかるタケノコにサヤエンドウ、新玉ネギにワカメの炊き合わせ。五月の旬が奏でるは甘い香りのセレナーデ。竹かんむりに旬の字は、まさしく名は体をあらわすで、おいしく自然の恵みをいただきましょう。
2014.5.6(火) 晴れ 20℃
季節の移ろいは早いもので、きのうは立夏。季語では、山は「笑う」から「滴る」へ変わる時期でもある。薫風のなかで青葉が輝き、自然が生き生きと見えるときである。この天気に誘われるように「秋田フキ」がかなり大きくなってきており、フキ採りに自宅の近場へ出かけた。葉っぱを広げると雨傘に代用できるくらいの大きさである。都会に住んでいた時は、こうした自然の営みは全く感じなかったが、田舎暮らしをはじめてから、自然の営みに敏感になり、森林のかけがえのない多面的な機能に驚かされる。大気の浄化による環境保全をはじめ、水資源を涵養し、洪水を防ぎ、多様な動植物を育ててくれ、人に安らぎをもたらしてくれる。まさしく生命と安全にとっての大切な資源でもあり、森を守るのは人の暮らしを守ることでもあるとつくづつ感じている今日この頃である。
2014.5.5(月)こどの日 曇り 20℃
このGWは晴天続きで気持ちの良い日々が続いている。今日はこどもの日。我が家の鯉のぼりも今日で店じまいであるが、鯉も青空の中でのびのびと空中散歩を大いに楽しんだのに違いない。 「三大浴」が健康づくりに効果があるという。日光浴、海水浴、森林浴の三つである。海水浴の代わりに温泉浴を入れて三大浴ということもある。夏の短い北欧諸国やドイツ、デンマークなどでは、古くからこの考え方が普及しており、人々はことあるたびに野外に出て太陽の光を浴び、森の中を歩く。そして、長い冬に備えるらしい。日本では、古くから温泉浴の効能が知られているが、海水浴や日光浴の効能が知られるようになったのは明治以降のこと。森林浴という言葉が普及し始めたのは戦後になってからだ。森を歩くと気分がよくなることは、古くから知られてきた。マツやスギ、ヒノキなどが発散するフィトンチッドという物質がリラックス効果をもたらし、血圧の低下や免疫力の向上に寄与していることも、最近の研究で明らかになっている。川崎町の身近なところにも森林浴に適した魅力的な場所がいくつもある。外は五月晴れ。適度な水分補給と休憩を心掛け、森林浴を思う存分楽しみたいと思う。
2014.5.2(金) 晴れ 22℃
今日は立春から数えて88日目の八十八夜。「夏も近づく八十八夜/野にも山にも若葉が茂る…」。5月のさわやかな天候が続く時季の茶摘み風景を歌っている。農事の目安となる日でもある。 野も街も新緑が輝きを増し、周囲の山々では麓から残雪の峰へ向かい萌黄色になっている。雪国が最も麗しい時季を迎えた。今日は汗ばむくらい気温が高く、青空のすがすがしさを感じる。昨日までの雨で庭や畑はしっとりと潤い、草花が芽吹くのにちょうどほどよいお湿りであった。大型連休の後半戦があすから始まると同時においしい山の幸が待っている。春の味覚は、なぜかほろ苦い。フキノトウ、タラノメ、ウド、フキ、シドケ、タケノコ…。人生のような風味がある。じっくり郷土の旬の味覚も楽しみたいと思う。
2014.5.1(金) 小雨&曇り&晴れ 17℃
昨日より小雨が降り続き、庭も畑も、周囲の山々も新緑が洗われ鮮やかだ。多くの事業所が、クールビズを始めた。原発事故の発生以降、節電意識が広がり、導入当初よりも1カ月前倒ししての実施が恒例になった。こちらではちょっと肌寒く早い気もする。室温を28℃に設定し、快適に過ごすには、背広をやめて、ネクタイなしの半袖シャツが欠かせない。首回りがすっきりすると、体感温度は2度下がるという。この季節、青空の中でベランダの白いシャツが陽光に輝いている姿を見ると、気持ちがいいもんだ。庭に下りながら庭と向き合い、地面に顔を近づけ、草花や土を触ることは地球と対話しているということにもなる。身近にある地面を「地球」だと考えると、かけがえのない自然の営みにかかわっているような気がしてくるから不思議だ。このGWは土を手にするわくわく感を味わいながら、小さな幸せがまぶしいように感じられる。