■2016活動日誌8月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。コメントをお寄せください。
8月31日(水)晴れ 29℃(大安)
夏休みが終わりました ー 台風10号・豆台風も過ぎ去りました!
楽しい思い出はたくさんできただろうか。夏休みが終わり、学校に元気な笑顔が戻ってきた。絵の宿題で、遊んだ体験を色鮮やかに描く子もいる。いつまでも輝く大切な記憶だ。子どもたちがこの夏出合った花や虫は心の風景にどう残り、どう姿を変えていくのか。周りがあまり手をかけても伸びやかな感性は育ちにくいだろう。画家の山下清は子どものころいじめられ、独り原っぱで虫を捕って過ごした。チョウやセミ、トンボ…初期の貼り絵は虫ばかりだ。「ホタルを何万匹も集めると電灯の代わりになるのです」。身近な自然の観察から才能が芽を出す。放浪先で見た風景や花火を並外れた色彩感覚と大胆な構図で表し、称賛された。私も孫の相手をしながら ファームや動物園等でなるべく屋外で駆け回って遊んだ。滴る緑、虫の声など、圧倒的な生命の輝きが原風景にあると感じる。距離感を測りながら、表現の源となる命の不思議を伝えていきたい。欲を言えば、人や動物が絵からはみ出すような奔放さを蓄えてほしいと思う。台風10号が去ったあと、夏の青空とギラギラした太陽がまた戻ってきた。仙台駅まで見送りながら、孫の笑顔が、この夏休みを象徴していた。
8月30日(火)曇り/雨 24℃(台風10号上陸)
台風10号もやっと通り過ぎました!
迷走していた台風10号が東北の地に上陸し、これまでにない動きに気が抜けない。一段と風雨が強まっていたが、夕方頃には通り過ぎてやっと青空ものぞきはじめてきている。自然は時にやさしくわれわれに語りかけてくれるが、時としてその本性を現して大きな災害を引き起こす。それにいかに対応していくか、人間に与えられた課題でもある。この自然といつも向き合いながら共生していたのが宮沢賢治である。宮沢賢治と言えば、小岩井農場や種山ケ原を思い出し、なつかしい気持が湧いてくる。賢治の貢献には、風景を見る楽しさを膨らませてくれたことがあるのではないだろうか。水や光や風ぜんたいが賢治の世界に満ちている。自然が語る物語を聞き取ろうと岩手を歩き、シャッターを切りたくて、無性に岩手に行きたくなる時がある。忘れがちな浮き浮きと楽しくなるような情景があふれている何げない風景が、賢治の目と言葉を通すと豊かな物語性を持って見えてくる。例えば「イギリス海岸」。北上川の一つの場所にすぎないのに格別なエリアでもある。8月27日で生誕120年。自然との共生が問われる現代、自然とどう向き合うべきかのヒントを賢治作品から読み取りたいと思う。
8月29日(月)曇り 25℃(台風10号近し)
子どもは地域にとって宝。時代は変わっても、温かな眼差しは変えたくない
電車に乗ったりすると、車内で泣く幼い子とあやす若い母親の光景をよく見かける。そして周りの乗客は迷惑がるように顔をしかめている。そこへ乗り込んできた中年女性が泣きじゃくるこどもをさとすようになだめる姿をみて、ほっとした。育児中の若い親たちが、窮屈な思いをしながら、救われ笑顔を取り戻す場面であった。こうした迷惑がる都会の風潮がなんともさみしく、悲しい思いもある。みんな幼い頃は泣き周りに迷惑を掛けながら大きくなったはずなのに。「昔の人はあやしてくれたり大丈夫大丈夫という眼差しで見守ってくれた」のになあと感ずる。私も孫をもつようになり、若い母親の気持ちがわかるようになってきた。周りが子供を育てていく風潮がないと絶対少子化は止まらず、若い母親は疲れ果ててしまう。厚生労働省の昨年の調査で、園児の声を騒音と思うことに共感する人が35%に上った。保育所建設に対し住民ともめるケースが大都会では珍しくない。東京では開設を目指した20カ所のうち6カ所で計画を延期。騒音対策として国は高さ3メートルほどの防音壁設置へ補助を出している所もあるす。 騒音の感じ方は人それぞれ。一概には言えない。ただ、昔のような寛容さは薄らぎつつある。子どもは地域にとっても宝。時代は変わっても、温かな眼差しは変えたくない。社会がこどもを育てる風土の日本をつくらねばと切に思うようになってきた。
8月27日(土)曇り 26℃
災害の多い9月を前にもう一度点検を!
台風は不規則な動きを繰り返している。そして南海トラフ巨大地震は発生確率は30年以内に70%程度、時間の幅をもっと長くとれば、間違いなく起こると言われている。危機は膨らんでいる。海上保安庁などのチームが発表した分布図では、四国沖が真っ赤に染まっていた。色が濃いほど、地震を引き起こす地殻のひずみが蓄積していることを示している。地上からの観測では精度に限界があり、洋上の観測船から海底のわずかな変動を測って、推定したそうだ。南海トラフ沿いのひずみの分布を詳しく解析したのは初めてで、「将来起きる地震を正確に想定するための重要なデータとなる」という。研究が進むのは頼もしい限りである。巨大地震の実像に迫り、既に定着した緊急地震速報のような、減災につながるアイデアを積み上げる。いずれは発生日時まで予測できる日も来るかもしれない。だが、どれだけ予測の精度が上がろうと、それだけで被害は減らない。夏に冬、真夜中に明け方、通勤通学中。いつ、いかなる場合に発生しても、逃げられる方策を考えておくこと。住宅の耐震化など日頃の備えも大切だ。南海トラフ地震は列島の広範囲に被害を及ぼす。公の支援が遅れる可能性がある。自助、共助、公助。最も弱いのは自助だろう。最低でも3日分が必要とされる食料や水。家庭の備蓄をチェックしつつ、災害の多い9月を迎えるにあたり、もう一度点検してみたい。
8月24日(水)曇り 29℃
人と自然、国土開発の健全な関係を構築してほしい!
今日、孫を仙台駅に迎えに行き、その後、仕事の関係で宮城大学を訪問した。この大学は建物自体などに打ちっ放しのコンクリートが多く使われている。打ちっ放しの造形と自然の池や森を組み合わせており、独自の美を築いている、これらの風景そして磨き上げたこの風景は、フランスの建築家、ル・コルビュジエが「元祖」らしい。国立西洋美術館などの作品が世界文化遺産に登録決定した巨匠である。建築家の伊東豊雄さんによれば、コルビュジエが多用した打ちっ放しのコンクリートは、ヨーロッパでなかなか受け入れられなかった。壮麗な建築が並ぶかの地では、粗野と映ったようだ。むしろ反応したのは、日本から来た弟子たちだったらしい。枯れ山水の庭をめでる感性が呼応したのか。コルビュジエの思想は新潟市出身の前川国男ら日本人弟子を介して、広がっていった。戦後の高度経済成長期とも重なる。公共事業に巨額の予算が組まれ、鉄筋コンクリートの建物や橋が建設された。自民党政治のパワーの源泉ともなったのが公共事業である。一方、過剰な開発工事は自然破壊をもたらし、無駄遣いと批判を受けた。高齢化が進み、財政が苦しくなる中「コンクリートから人へ」を掲げた民主党が政権の座に就いたのも時代の要請といえよう。民主党は迷走の末に政権を降り、民進党に変わった。今は自民党「安倍1強」体制の下、「人からコンクリートへ」とばかりに、公共事業の大盤振る舞いが続く。来月には民進党の代表選がある。人と自然、国土開発との健全な関係を提起し、論じてほしい。野党がしっかりしないと政治はきちんと機能しないと思う。
8月23日(火)曇り 28℃
駅弁は旅そのものである。
TVを見ていると、山形米沢の駅弁「ど真ん中牛肉弁当」が売れているの放映があった。東京・新宿の京王百貨店が毎年開く「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は、1日当たりの来場者が10万人超。2週間ほどの開催期間中に7億円超を売り上げる。一方、JR東京駅中央コンコースに4年前にオープンした大型専門店「駅弁屋祭」は、多いときで1日2万食を売る。年商は46億円を超す。駅弁人気は盤石だと言いたいところだが、駅弁事業者の数は1956年をピークに減り続け、いまや4分の1以下の100社前後。とりわけ2000年代以降の急減ぶりである。交通手段が多様化し鉄道自体にスピード感が求められており昔ほどの勢いはない。半面、駅弁には特有の制約が数多くあり、コンビニ弁当という競争相手も現れた。事業者の経営環境は確かに厳しいようだ。けれど希望もある。外国人旅行者である。観光庁によれば7月は230万人弱が訪日し、月間過去最多。右肩上がりに伸びる好機が目前に広がる。駅弁を買うのは、たまに列車に乗ったときで、その程度の客でしかない身の程で「峠の釜めし」や「うに弁当」と聞くと胸がときめく。駅弁は旅そのものである。それを支えるのは多くが家族経営の業者。負けるなと肩入れしたくなり、なるべく鉄道利用した際は駅弁を利用したいと思う。
8月22日(月)曇り/雨(台風9号) 25℃
リオ五輪で学ぶべきこと あれこれ
リオ五輪が閉幕し、日本チームは過去最高の成績を収めた。獲得したメダルは金が12個、銀が8個、銅が21個。それぞれのメダルに、そのまま1冊の本、1本の映画ができるようなドラマがたくさんあり、大いに楽しませてもらった。出場した選手が信念を持って戦い、持てる力を最大限に発揮したからだろう。同時に、チームとして高い目標を掲げて結束し、努力したことも忘れてはならない。メンバー4人の誰一人として100メートルで10秒を切ってはいないのに、9秒台の選手をそろえたアメリカに勝ち、銀メダルを獲得した陸上の男子400メートルリレーがその象徴だった、最終ランナーの飛鳥がボルトと隣のレーンで並走する姿は圧巻であり、夢をみているような境地でもあった。日本人のスポーツ界での活躍は団結・協力・助け合い精神が一番であると思い知らされた場面でもあった。逆転で優勝をもぎ取った男子体操、団体戦にも感動した。この仲間で金メダルを獲得するという強い意志と信頼、献身が大胆な技を決める力となったのだろう。男女の卓球やバドミントンも同様だった。シンクロの井村コーチはこう言う。「目的はメダルではない。スポーツを通じて努力することや耐えること、力を合わせることを覚えて、よりよい人間になってもらいたい。私の究極の目標はそこにあるのです」。指導者のこうした哲学が厳しい練習を通じて選手に浸透した。それが大舞台で発揮され、感動につながった。テレビの前で応援していた少年少女にも勇気を与えたに違いないと思う。この精神が次の東京五輪に生かされることを切に思う。
8月20日(土)雨/曇り 26℃
そばの成長戦略 - 政府も学んでほしい!
山あいの畑では、もう秋ソバの白い花が咲き始めた。種をまいたのは7月上旬とのことで約1カ月。来月にはもう収穫が始まるらしい。経済の足踏み状態にある世の中の景気からみると、成長の速さがうらやましいのではないだろうか。ソバの戦略は極めて巧み。まずは、葉がいち早く畑を覆い雑草の伸びを抑える。さらに、雑草の発芽と成長を抑制する物質を根から分泌するらしい。畑全体に種を散布する「ばらまき」は、強い競争力を生かす知恵だ。刈り取りから乾燥、脱穀まではちょっと手間がかかるが、病虫害にも強く、除草作業の必要がないのがうれしい限りである。何よりも、やせた土地でも速くたくましく育つため、救荒作物として多くの人々の命を救ってきた。最近はリオ五輪で忘れがちであるが、参院選後に打ち出した国の経済対策はどうだろうか。28兆円超の大盤振る舞いの中身は、低所得者向けの給付や昔ながらの公共事業。こちらも「ばらまき」には違いないが、効果には早くも疑問符がつく。アベノミクスのエンジンをいたずらにふかしても収穫は期待できない状態がまだ続いている。「道半ば」はいつまで続くのだろうか。この道には「将来不安」「格差拡大」という、しつこい雑草がはびこっている。最初にこの根を断たなければ前に進めない。ソバの成長戦略に学んでみてはいかがだろうか。白い花の花言葉は「あなたを救う」。国民の暮らしに寄り添う「未来への投資」であるべきであってほしいと思う。
8月18日(木)晴れ 28℃
幸せって何だろう!ー ブータンに見る経済指標
幸せって何だろう。経済指標でなく幸せを基準とし、暮らしに仏教が深く根付き、人々は常に祈りをささげている。無理な開発で経済成長を目指すより、豊かな自然や伝統文化と共存する穏やかさを選んだブータン。織物の豊かな色彩と精緻なデザインにため息が出る。1日わずか数センチ、効率という言葉からは程遠い気の遠くなるような手作業。映像で、技を受け継ぐ織り手の女性が「幸せ」とほほ笑えんでいる。 自分のためではなく誰かのために。動物や植物、生きとし生けるものに。経を記した旗「風の馬」は天空を駆け、世界へ、遠い過去や未来へ、祈りを届ける。輪廻(りんね)転生思想の中、全てがつながっていると信じる人たち。この光景を見ていると、どこか郷愁を感じる。日本人とDNAの型が近いとされる国民の、似た顔つきのせいか。民族衣装が着物のようだからなのかもしれない。自然への畏敬の念を持って謙虚に生きる姿が、いつしか私たちが見失ってしまった大切なものに思えるからかもしれない。昨日、エコノミストの浜矩子さんの話を聞く機会があった。「人と人とが出会いを通じて互いを幸せにする。そのために経済活動がある」。幸せにできないのなら経済活動とは呼べないという。人間らしく生きるためにお金を上手に使うことを忘れ、「成長」の掛け声の下、効率を求めて人をないがしろにする社会が浮かぶ。この国は幸せなんだろうか。我が家の前の田園風景を見ているとブータンの風景と重なり合い、目頭が熱くなった。
8月17日(水)雨のち晴れ 29℃
SEALDs(シールズ)解散 - 拍手とエールを送りたい!
甲子園の高校野球とリオ五輪の熱戦に一喜一憂しているところに届いた突然のニュースに衝撃を受けた人は多いだろう。国民的人気グループ「SMAP」が今年の大みそかで解散するという。1月に一部メンバーの独立騒動が表面化したが、後で撤回し、これまで活動を継続してきた。1988年の結成以来、苦楽を共にしてきた5人だが、一度ひびが入った関係を元の状態に修復するのは困難だったらしい。際立った個性を持つ5人がこれ以上一緒に活動するのは困難と判断した。こうした芸能面での解散よりも、私にとって解散の残念なニュースが飛び込んできた。安全保障関連法案への反対を訴えた若者グループ「SEALDs(シールズ)」が15日に解散した。首都圏の大学生を中心に1年半前に結成され、毎週金曜日に国会前でデモを続けた。活動は東北や沖縄などに広がり、女性団体や政党などとも連携して活動を展開した。私も仙台で一緒にデモに参加したこともある。政治に無関心と言われる若い世代が平和と民主主義について考え、行動した。こうした動きは60年安保以来ではないだろうか。安保関連法が成立し、シールズの訴えは実を結ばなかった。だが、市民レベルで政治に参加する新たな道を切り開いたとも言える。「終わりの日は始まりの日」と中心メンバーの1人は語っていた。種をまいた者の自負がこもっていると同時にこれらメンバーそして新たな道を模索する多くの若い世代に拍手とエールを送りたい。
8月16日(火)晴れ 28℃
セミははかない命の象徴
台風7号の到来で朝から大雨が続いている。立秋も過ぎ、こちらの暑さもひと段落したように涼しい日々を迎えようとしている。しかし、近くの雑木林では連日、セミの大合唱である。空から降ってくるようなあのジージーという鳴き声はまさに蝉時雨だ。小学生のころは夏休みによくセミ取りに出掛けた。林の中に入って耳を澄ます。うるさいほどに鳴き声は響くのだが、その姿がどこにあるのか分からない。子ども心にどこか神聖な生き物のような気がしたものだ。セミははかない命の象徴にもされる。長く土の中で暮らし、地上に出れば数週間で終える命だ。真夏の一瞬を懸命に生きる。そんなセミの鳴き声の中に人はさまざまなメッセージが聞こえてくるようだ。セミは大きな空に向かって飛び、平和の素晴らしさ、尊さを私たちに知らせているのではないだろうか。また終戦の日も過ぎ、お盆休みも終わろうとしている。71年前の今日も激しくセミが鳴いていたそうだ。しかし、そんな記憶を語れる人も既に2割に満たない。子どもたちよ、平和な世の中をずっと守って―。今年の蝉時雨はそんなふうにも聞こえてくる。この暑さですっかり伸びきった駐車場(100坪)の草刈りをしながら、蝉の鳴き声がいとおしくなってきた思いがする。
8月14日(日)晴れ 28℃
思いやりの気持ちはいつまでも持ち続けたい!
父母の墓参りも終わった後、線香を上げにと親戚関係者宅周りを行う。こうした風習を通して人はつながり、無事に変わりなく過ごせたなあと、久しぶりの再会に笑顔で気持も安堵する。よく日本人は相手を気遣って「すみません」や「申し訳ない」を連発する。一方、訴訟社会の欧米では「アイムソーリー」などの謝罪の言葉は口にしないのが当たり前である。この気質は昔から継承された国民性らしい。夏目漱石が敬愛した東京大哲学のケーベル教授も、日本人は下品な態度をとらず非常に紳士的だと称賛。ドイツ語のような罵詈雑言が極めて少ないと指摘している。ところが近ごろは、欧米や中国並みにもっと自己主張すべきだとする意見が主流になりつつある。現に簡単に謝罪せず、自己正当化する若者が多いという。新入社員に仕事のミスを注意すると「やり方を教えてもらわなかった」と言い訳。寝ている学生を叱責すると「朝までバイトしてたので寝かせてください」と平然と答える。個々の自立を第一に考える欧米文化と、お互いの関係性を大事にする日本文化。ところがグローバル化が進み、その境界線は徐々にぼやけ始めている。相手を思いやる誠意こそ日本人の美徳。自分を正当化する言い訳は大人げないしみっともない。国内外を問わず「自分は悪くない」「悪いのはあいつ」と言い張る人が目に付くようになってきた。日本人の思いやりの気持ちはいつまでも持ち続けたいものである。
8月12日(金)晴れ 30℃
人が生来持つ強さと美しさは「敗れた瞬間」にこそ表れる!
連日、リオ五輪中継であちらこちらの番組で当日の日本人のメダル獲得した選手の放映が続いている。知らず知らず、見入ってしまう毎日である。しかし、裏を返せば、人が生来持つ強さと美しさは「敗れた瞬間」にこそ表れるのではないだろうか。戦い続くリオデジャネイロ五輪でも、目を奪われるのはいつも敗れた選手の背中である。「感謝の気持ち。ここまで育ててもらった」。フェンシング初戦で敗退した太田雄貴選手は試合後、しゃがんでピスト(試合場)をそっと触った。重量挙げの三宅宏美選手は「納得の銅」に、笑顔でバーベルをハグしていた。後悔や無念をこらえ、再び顔を上げる姿に励まされる。それに引き換え、と比べるのも心苦しいが、都知事選の「敗軍の将」たちのことを思い出した。自民党東京都連は、知事の初登庁のあいさつや写真撮影をボイコット。石原伸晃会長は責任を「党本部マター」と前党幹事長になすり付けたあげく渋々辞任した。失礼極まりない無責任。敗戦処理すらまともにできない政治の劣化は「失格」ものである。真価が問われるのは敗れた後の姿―と、忘れぬよう胸に刻む。日本は今、戦後71年の夏。敗戦を悼み、受け入れ、再びたゆまぬ努力のスタートラインに立つ時季の8月15日が巡ってくる。さあ、明日からはお盆の入り。まずは墓参りに出かけようと思っている。
8月11日(木)晴れ 31℃ - 山の日
山に感謝しながら山を思う - 今日は「山の日」
今日は「山の日」。2年前に制定されて、ことし初めて暦に登場した祝日である。山に親しむ機会として、恩恵に感謝するのが趣旨という。山はさまざまな顔を見せる。見た目の変化だけでなく、心情にも働き掛ける。森林は、多くの動物や植物に生息や自生の場を提供して、人には林産物などの恵みを贈る。日常から抜け出してきた登山者には、超俗の爽快な風景と充実感をもたらす。時に穏やかさを一変させ、荒々しさを見せる。変わりやすい天気で登山者をほんろうし時には生死を分ける壮絶な厳しさを与える。動植物にも同様に、死と隣り合わせの厳しい冬の試練を与える。我が家から見え、聳え立つ蔵王山(刈田岳、熊野岳等の連山)。冬は蔵王降ろしの風雪がきびしく我が家の周りは地吹雪が舞う。しかし、夏場は何もなかったように夕日に輝く大パノラマが雄大で見事である。パートナーは指折り数えながら、「もうすぐ孫が来る」と言いながら、楽しそうにお盆の準備と合わせて動き回っている。私は眼科・歯医者・内科とお盆前にと事前チェックも兼ねながら動きまわる。あわただしさの中で「山の日」を思う。山の厳しさを畏敬し、包容力に感謝して臨めば、山の神は実り多い経験を与えてくれると思う。改めて身近の山に感謝しながら手を合わせた。
8月9日(火)晴れ 32℃
子ども電話相談室 - 親子で力を合わせて考えたい
普通・快速列車に自由に乗り降りできる「青春18きっぷ」の夏シーズンが始まった。華やかな新幹線の陰で、普通列車やその路線は空気のような存在であり、一部のファンに支持されていたにすぎなかったが、最近は中高年に人気があるという。特に夏休みシーズンは日も長いし、うまく組み合わせれば相当の遠距離旅行も可能である。特に応援が必要なローカル線を走るのもよい機会でもある。そしてこの夏休み期間中のこの時季、ラジオの夏休み子ども科学電話相談が楽しい。昆虫や恐竜などについての質問に、専門家が分かりやすく答えてくれる。ひそかに大人もためになる。子どもの質問は、時に本質に迫る。「飼われているカブトムシと逃げたカブトムシ。どっちが幸せですか」。もし自分の子どもに聞かれたらどうしよう。「カブトムシは高いから…」といった邪念を振り払い、答えを探す。孫に聞かれたなら、どんな答えをだそうかと悩んでしまう。先月死去した永六輔さんが「大往生」(1994年)を著したきっかけは、子どもの質問だった。出演した子ども電話相談室で「どうせ死ぬのに、どうして生きてるの」との質問に絶句した永六輔さんは「生と死」を考え抜き、本書を世に問うたとのエピソードもある。子どもが主体的に学ぶ重要性は、かねて指摘されている。その時、学びを支える大人はどうあるべきか。永さんのように、子どもの問いを正面から受け止め、自ら考えてこそ子どもの範になるだろう。分かりやすい答えが出ない問いこそ、親子で力を合わせて考えたいものである。
8月8日(月)晴れ 30℃
暑い夏・ワクワクの夏ー涼がますます欲しくなる!
先日、訪れた広島市の平和記念公園。71年前、夏の暑い蝉が鳴いている当日の朝も生活の音が響いていたはずである。2600人以上の暮らしが、ここで壊滅した。現職米大統領として、初めて広島を訪問したオバマさんに、犠牲者の思いは届いただろうかと改めて、広島の平和記念公園や原爆ドームの写真を見ながら思い出し冥福を祈った。そして話は変わるが、映画「男はつらいよ」でおなじみの寅さん役の渥美清さんが亡くなって20年になる。シャカシャカ。柴又の団子屋とらやで、おばちゃんが汗を拭き拭き、氷を削ってかき氷を作っている。何か下町情緒と共に一服の涼を感じさせる。涼といえば、「涼」や「冷」が心底欲しくなる猛暑が続いている。暦の上では立秋(7日)も過ぎたのに。。。冷やしラーメンや冷たい肉そばの存在感が増す。そして冷やしシャンプーも。メントール系のシャンプーを冷蔵庫や氷で冷やして頭皮へ。お隣の山形市では“冷やし文化”が数々あり、今年は一度試してみたいと思っている。暑い中、リオ五輪も始まった。大リーグではイチロー選手が3千安打に到達した。甲子園ではワクワクドキドキの郷土の応援を背景に、暑くなる全国高校野球も始まった。東北の夏まつりも好天のうちに本日の仙台七夕で幕を閉じる。そして今度はお盆を迎え、各地では催事が数多く予定されている。暑い夏、ワクワクの夏。「涼」がますます欲しくなる日々が続きそうである。
8月7日(日)晴れ 31℃
朝採りの新鮮な旬の野菜を食べて夏バテを防ぎたい!
丸森町のお祭りに出かけた。この時期、某NPO主催の夏祭り応援に、パートナーと出かける。竹の処分を兼ねて竹を利用した竹灯籠を作り、幻想的な夜の夏を彩る仕掛け作りでもある。暑くならないうちにと思い、今朝は5時に起きて、お盆過ぎに植える白菜・大根ファームへの堆肥撒き、畝つくりをパートナーとせっせと汗を流す。午後からは、丸森町お祭り会場へと出かける。近くの産直野菜売り場に立ち寄ると旬のトマト、キュウリ、ナス、カボチャ等がおししそうに並んでいる。「トマトが赤くなれば医者の顔が青くなる」といわれる。真夏の太陽を浴びたトマトには体調を整える成分が多く含まれ、これが出回る季節には、医者通いをする人が少なくなるという意味である。トマトに限らない。この季節には、数多くの夏野菜が店頭に並んでいる。今が盛りのキュウリは水分が多く、体を冷やす効果がある。塩と酢に梅干しを加えてキュウリもみにすれば、食欲のない時にも箸が進む。オクラのねばねばは、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があり、糖尿病患者には毎日でも薦めたい野菜と言われている。細かく刻んだミョウガとおろしショウガを載せた冷ややっこも、食欲の落ちる夏場には欠かせないメニューである。栄養たっぷりの夏野菜だが、収穫後は急激に味が落ちるらしい。以前、有名料理店の社長から「畑でもいだばかりのキュウリが一番うまい。どんな料理人の腕も、鮮度にはかなわない」と聞いた。同じ話は「夏場はキュウリを炒め、ラー油をたらして食べるのが一番」と教えてくれた中華料理の「鉄人」からも聞いた。 朝、農家が収穫した野菜が昼には売り場に並び、産地ならではの割安価格で手に入る。昼休みに購入しておけば、夕食の食卓は彩り豊かになる。不器用な男の手料理でも、おいしくいただける。 連日の猛暑で食欲も落ち気味だが、悠々ファームで朝採りの新鮮な旬の野菜を食べて夏バテを防ぎたい。
8月5日(金)晴れ 33℃
今の経済はアベノミクスともども、「ガス欠」状態ではないのか!
いよいよ本格的な夏の到来で、暑さも連日30℃超しているため、今日は日中のファーム作業は中止と決めた。そこで室内にてオーデイオ整理に時間を充てることとした。Jazz音楽を聴くうえで、CDプレーヤー、チューナー、アンプ、3台のスピーカーの配置替えを汗をかきながら行った。終了後、その音の反響にウットリしながら自己満足している。やはり音量(特に低音)を気にせず音楽を楽しむのはいいもんだ。選挙も終わったこともあり、世の中は夏休みモード。”経済の道半ば”が公然の理由となっており、政府もトーンダウンし国民もあきらめているような気がする。振り返ってみるとデフレ脱却に向け、異次元緩和は2013年4月に始まった。「2年程度で2%の物価上昇率」の具体的な目標も掲げた。だが、3年以上たってもデフレから抜け出す道筋は見えてこない。消費者物価指数の下落も目につく。金融緩和のため、と日銀はじゃぶじゃぶ国債を買い入れている。その結果、日銀保有の国債残高は400兆円近くまで膨れ上がった。1千兆円を超す国の債務の半分に迫る異常な数字だ。2月にはマイナス金利政策にも手を染めた。「金融緩和の効果は出ているが、物価については道半ば」。追加金融緩和を決めた際の黒田東彦・日銀総裁のコメントだ。「道半ば」と言うが、実態は「手詰まり」に近い。「エンジンを吹かす」というアベノミクスともども、「ガス欠」状態ではないのかと心配になってくる。国民の生活実態をみない政策であると私は確信しているが。。。。。
8月4日(木)晴れ 33℃
日本の豊かな地域の食を応援しよう!-「道の駅」
旅先で、その土地の野菜や水産物を眺めて歩くのが好きだ。先日訪れた山陰山陽地方の道の駅をのぞいた。皮が赤いカボチャや、葉の裏の紫色が鮮やかな金時草(きんじそう)。見慣れない野菜の美しさに目が留まる。全国各地でも「道の駅」の利用が伸びている。地元の生産者が持ち寄った新鮮な農林水産物や、手作り感たっぷりの加工品が並び、海や山の暮らしが見えてきそうである。棚からあふれる季節の色と香り。住民とのふれあいも魅力。その地域ならではの珍しい山菜などがあれば、料理法を尋ねる。手書きのレシピをもらって帰り、早速その晩の食卓を彩ることもある。日本は世界で最も食料を輸入に頼る国のひとつであり、農林水産省は昨年度の食料自給率(カロリーベース)が39%だったと発表した。最近はほとんど横ばい状態が続いている。政府はあと9年で45%まで引き上げる目標を掲げるが一向に上がらない。政府は地方の実態をわかっているのだろうか。ささやかでも、身近な直売所から、高齢過疎化が進む1次産業を支えたい。日本の豊かな地域の食を手放すのはもったいない。旅行、ドライブの際は必ず道の駅の直売所に立ち寄り、応援していきたと思う。
8月2日(火)晴れ/雷雨 26℃
文に書き留めれば心の栄養になるかもしれない
8月は広島、長崎の原爆忌があり、旧盆に重なって終戦記念日が巡り来る。鎮魂の思いに浸りつつ、帰省した家族とのだんらんに心を弾ませる月でもある。そして夏祭りや花火大会も目白押しでもある。1年のなかでもこの月は紡がれる物語の多い時節でもある。それを胸にしまって心のよりどころとするのも奥ゆかしいが、文に書き留めれば心の栄養になるかもしれない。午後からは突然、黒い雲が立ち込め雷雨に見舞われる。外にだしていたメダカ、カブトムシは大丈夫だろうかと心配になる。でも、こんな日は雨音をかき消すように大音量でJazz音楽を聴きながら、今回の小さな旅の編集・写真整理にはちょうどよい日でもある。いろいろと旅行の場面を思い浮かべながら文をつづる。普段からメールやブログを書くうち、知らず知らず文面が自然と思い浮かぶようになってきた。このHP(ブログ)を書き始めて5年になる。このおかげで表現力が増し、さらに極める意味でも本を読んだり検索したりする習慣もつきはじめた。そして読者とつながっている感じがうれしくて愛しく思うようになってきた。でも、「つもり違い十か条」を思い浮かべ自戒と自重せねば。。。。
高いつもりで低いのが教養、低いつもりで高いのが気位
深いつもりで浅いのが知恵、浅いつもりで深いのが欲望
厚いつもりで薄いのが人情、薄いつもりで厚いのが面皮
強いつもりで弱いのが根性、弱いつもりで強いのが自我
多いつもりで少ないのが分別、少ないつもりで多いのが無駄
8月1日(月)晴れ/曇り 30℃
全線開通80周年を迎えた五能線
東北地方も梅雨が明け、途端に気温が上昇しはじめた気がする。今までは網戸から入る夜風が涼しく、冷房のない部屋でも十分睡眠はとれたが、ここ数日は蒸し暑さで寝苦しい。シーツも肌着も汗に濡れ、どうにも不快だ。子供たちの夏休みも始まり、海や山に出かける家庭団欒の姿を多くみかけるようになってきた。「海は、海の見えるのは、どちら側です」。三鷹、甲府と空襲を逃れ、妻子とともに津軽の生家へと向かった太宰治は秋田の東能代から五能線に乗り換え、娘に初めての海を見せようと張り切った。2ページ足らずの随想「海」に描かれている。海側の席に陣取り「もうすぐ見えるよ。浦島太郎さんの海が見えるよ」とはしゃぐ父親太宰。ところがいざ海が見えると「川だわねえ、お母さん」と娘。半分眠りながらうなずく妻。一方的に思いを高ぶらせ、ひとり落胆する父親の滑稽なさまを緩急自在の筆致で伝えている文面が目に浮かび思わず微笑んでしまう。全線開通80周年を迎えた五能線。日本海沿岸を駆け抜ける、リゾートしらかみ号で約5時間30分と長丁場の列車の旅であるが、あっという間に時間が過ぎる。日本海の荒波と奇岩を車窓からの眺めは絶景であり、ワクワクさせてくれる気持ちの高揚はなんともいえない。気分は太宰治と同じ境地になる。71年前に太宰一家が深浦に降り立った。太宰治の文庫片手に列車に揺られる旅をしたくなってきた。やはり五能線は海岸の絶景を望む海側の席ならなおいいと思う。また旅心をくすぐる思いがよみがえってきた。