■2023 活動日誌11月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。
2023年11月29日 曇り/小雨
柚子からパワーをいただきたい!
正岡子規の句に〈古家や累々として柚子(ゆず)黄なり〉がある。結核を患っていた明治の文人が、命の輝きに目を奪われて生まれた句なんだろうか。友人宅から数十個の柚子をいただいた。冬至の風呂に浮かべる分を残し、柚子胡椒、柚子ジャムに姿を変えてくれた。そして鍋シーズンを迎え、強い酸味と独特の香気が湯豆腐にはよく合う。ある曲を聴くと突然、失恋で切なかった記憶が、よみがえったりする。音だけでなく、ある色彩や触感、味、そして匂いにも、その時々の大切な思い出が染み込んでいるなあとつくづく感じている。我が家のファーム作業もひと段落したが、今度は空いた薪棚に薪を準備しなければと思いながら、家内とせっせと朝から動き出している。正岡子規は骨まで冒され、苦痛にもだえた。〈病床の匂袋や浅き春〉。彼が闘病の癒やしとした小袋に、どんな大切な過去が詰まっていたのか。かけがえのない思い出まで、病と一緒になくなるのは悲しい。健康には留意したとしても加齢には逆らえない。最近、体力低下と気持ちのアンマッチが続いている。自然現象とは言え、冬を迎えるにあたり無理をせず十分気を付けていきたいと思う。
2023年11月22日 晴れ
利益還元セールが経済対策なのか?
最近、「還元」という言葉をよく聞く。辞書で引けば「根源に復帰させること」「元に戻すこと」などとある。良寛和尚は、貧しい農民ら庶民と喜怒哀楽をともにする暮らしの中に豊かさを見つけていったと言われている。いまの現代では今秋、この国のリーダーが幾度も繰り返した「還元」の心はどこにあるのだろうか。2022年度までの2年間に増えた税収を減税の形で還元すると述べた。国民1人当たり4万円の減税というが、世論調査では6割以上が評価せず、内閣支持率は危険水域とされる3割を切り、近いうちには2割以下になるのではないかと思う。税収が増えた分のお金は、とっくに国債償還などに使われていたことも明らかになった。結局の元手は借金(国債)である。国債など国の借金は1200兆円を突破し、1人当たり1千万円を超えた。財政危機が深刻化する中、さきの見通しも不透明の中、借金を膨らませて減税するというのだろうか。まさに愚の骨頂である。これが日本の経済政策なのだろうか。借金は全て国民の税金であることを分かっているのだろうか。いかにも自分の財布のように気楽に使われることに思わず腹がたってしまう。チラシの客寄せ文句「利益還元セール」と同じような軽さで「税収還元」が響く。納得できる説明はまだ聞けないが、無理だろうなあと思ってしまう。。
2023年11月19日 晴れ/曇り
必ず最後に愛は勝つ
11月は「いい○○の日」が並んでいる。語呂合わせの記念日が多いことに気が付く。1日は「いい医療の日」、8日は「いい歯の日」、14日は「いい上司の日」と続き、16日は「いいいろ塗装の日」、22日は「いい夫婦の日」となっている。最近は肌寒くなってきたが、仲よく肩寄せ合いながら11月は毎日が「いい月」の一日であればいいなあと思っている。そんな中、結婚式で友人の披露宴で歌った「愛は勝つ」を思い出す。苦しい時に聞きたい応援ソングでもあった。その歌い手のKANさんが亡くなった。享年61。早すぎる。「結婚生活で一番大切なものは忍耐」とはチェーホフの言葉。うなずく人がいるかもしれないが、大切なのはやはり愛情と感謝ではないだろうか。よく友人の夫婦とお茶や食事をする機会が多い。会話はたわいのない話が多いが、コミュニュケーションは楽しいし勉強にもなる。高齢になってもKANさんの曲のようにいつも口ずさんでいたいと思う。〈♪どんなに困難でくじけそうでも信じることさ必ず最後に愛は勝つ〉
2023年11月12日 曇り
ユアテックスタジアム仙台へ出かけた!
「8度のスイッチ」。こんな紅葉の目安があるそうだ。最低気温が8度を下回る寒さになると、落葉樹の葉が赤やオレンジ、黄色へと色づき始めるという。立冬を過ぎると、最低気温が8度を切る日も出てきた。イチョウは黄緑から明るい黄色へ。ケヤキはだいだい色や茶色のまだら模様になってきた紅葉や落葉は木々の冬支度とされる。陽光が弱まり光合成の効率が落ちると、落葉樹は葉に養分を送ることをストップする。越冬を見越してエネルギーを節約するためだ。木々の冬支度は私たちの心を和ませたり、落ち葉が地を肥やして生物の多様性を守ったりする作用がある。そんな中、J2サッカーのホーム最終戦ベカルタ仙台対町田戦(チケット抽選で当たった)に出かけた。灰色の曇り空で今にも雨が降りそうな寒い中、周りに誘われ大声を出して声援を送った。近くの七北田公園は丁度、晩秋の紅葉の鮮やかさである。一方、東欧・中東からは背筋が凍るような冬支度のニュースが連日届いている。厳冬期を前にロシアがウクライナへの空襲をいったん手控え、ミサイルを温存しているという。暖房のためのエネルギー関連施設を集中攻撃する準備だと指摘されている。ウクライナやパレスチナなど世界には、冬の寒さを耐え忍ぶどころか、命の危険と隣り合わせで日々を過ごさねばならない人が多数いる。スポーツや紅葉を楽しめる日本の平和に感謝しながら、何かできることはないかと自問している。
2023年11月6日 晴れ
山登りは楽しいが。。。。。。
11/3文化の日。山仲間と山形の天童にある面白山への登山に向かった。当日は雲ひとつない晴天で山並みの紅葉のグラデーションが青空に映えて美しい。「グラデーション」は明暗や色調が少しずつ変わっている状態をいう。今の季節、山から里は紅葉のグラデーションのようで鮮やかで心がなごんでくる。絵画や写真、映像などにとどまらず、本物の自然の造形は鮮やかに目に染みてくるような気がする。最近、平らな場所でつまずくことがよくある。筋力が衰えたような気がする。登山でもそうであり、以前と同様に脚を運んだつもりでも、つま先はさほど上がっておらず地面に引っかかる場面が多くなってきた。ウオーキング等を通して足は鍛えていると自覚している。でも若い頃と同じように歩いたり、走っているつもりでも、年齢を重ねた体はついてこないのを自覚しはじめている。とかく人は、自分が充実していた頃のイメージを持ち続けたいのかもしれない。「昔はよかった」などと言ってしまうのもその類だろうか。思い出や郷愁に浸るのは悪いことではないが、こだわり過ぎると現実に目隠しをしてしまうような気がする。今の日本をみていると、かなり国際的な地位低下しているような気がする。2023年の名目国内総生産(GDP)は世界3位から4位に転落する見通しという。スイスの研究機関が発表した2023年版世界競争力ランキングでは35位と過去最低だった。ランクの発表が始まった1089年から4年間は首位だったが、その後は低落傾向が続く。「昔はよかった」と言いたくなるのは、年を取った証拠なのだろうか。まずは現実をしっかり把握して過去の成功体験の押しつけはやめたいと思う。とりわけ若い人に向かって。。。。。。