2019活動日誌 8月
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。
2019年8月29日 曇り 26℃
アマゾン地域の森林火災の消火に向けて!
まさに地球の裏側のブラジル北部アマゾン地域で今夏、森林火災が猛威を振るっている。アマゾン川流域に広がる熱帯雨林を記録的な勢いで焼き尽くしているという。世界最大の熱帯雨林は地球上の原生林の3分の1を占め、野生生物の宝庫でもある。二酸化炭素(CO2)を吸収して地球温暖化の緩和に重要な役割を担い、「地球の肺」と呼ばれている。多湿の印象が強いが、乾期の夏場は例年、森林火災が起きやすい。落雷による出火に加え、森林を焼いて畑や家畜の放牧地にする「焼き畑」による火災が少なくないそうだ。吸収されていたCO2が森林焼失で大気中に放出され、地球全体への悪影響が懸念されている。地球温暖化により、日本も異常気象による大雨被害が深刻である。そして農産物の産出の変化(北上化)による被害も顕著となってきている。先進7カ国首脳会議でも事態を懸念し、消火の緊急支援に約21億円の拠出を決めているが、当のブラジルは地球温暖化対策や熱帯雨林保護に消極的であり、政府自体が違法な開拓行為を容認してきたのも事実である。しかし開発によって熱帯雨林は畑や牧場に変わり、そこで育てられた大豆や肉牛は先進国へ輸出されてきた。真に環境破壊を助長してきたのは誰か。改めて考えてみる必要がある。自国第一主義、保護に力をいれるのは結構だが、対岸の火事と看過せず基盤である地球が壊れていくこの事実を指導者はきちんと受け止めてほしい。
2019年8月27日 曇り/雨 24℃
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり!
久しぶりの山歩きの余韻に浸りながら、今日は昔の仕事仲間との飲み会が夕方5時にスタート。最近はビールもコップで3杯程度飲めば、ほろ酔い気分となり、お酒はだいぶ弱くなった。でも加齢と共に話に酔うのはもっと楽しい。お酒のせいもあるが勢いづいて、ついつい山の話題となる。BSTV番組でおなじみのグレートトラバースの田中陽希氏の百名山・二百名山、そして三百名山。。。。今の心境はこうだ。「峰を渡る風に誘われ、曲がりくねった岩の坂を上ると、あとはもう青空。高山植物やクマザサの緑広がる。月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。峠にたたずんで、雲の湧き上がるのをしばらく眺める。ついさっき出会った2人連れの登山客の赤と青のリュックがはるか遠く、赤と青の点になり揺れている光景も楽し、見渡せば、山また山。山容豊かに、栗駒の山々」。時が施した自然の化粧が絶妙で、山偏に上と下で峠。じっくりと見ればこの国字、かつて往来した人々の声が、隙間から流れ出てきそうである。体が動けるうちに、余力の体力と時間を活用して山歩きを続けていきたいと思う。
2019年8月26日 晴れ 26℃
去り行く夏を惜しみながら!
ついこの前まで、こんな暑さはもうたくさん―と思っていたのに昨今は朝晩に涼風が吹く。猛暑だ熱帯夜だと人々が騒いでいるうちに、自然はしっかり秋の気配を仕込んでいたらしい。去りゆく夏の背がどこか恋しい。25日は友人の誘いで久しぶりに栗駒山の登山を楽しんだ(詳細は小さな旅10をアクセスしてみてください)。いつもファームから蔵王連峰をながめ、農作業シーズンが終わればぜひとも山登りしたいと思っていた矢先でもあり、気持ちよい汗を流すことができた。同年代の仲間と和気あいあいと同じ目的をもって汗を流すのは本当に気持ちいい。そして今日、体調もよいことから、家内と蔵王エコーラインの刈田岳や熊野岳ハイキングそして家内の好きな蔵王温泉の大露天風呂の硫黄のお風呂を味わい、爽快な青に染まった夏空を見つめながら、去り行く夏の感触を風と共に享受でき、幸せである。もうすでに山は早くもススキが穂を揺らしていた。秋の七草の一つでもあり、獣の尾を思わせることから「尾花」と呼ばれているらしい。そして夜になると、あちこちから涼しげな虫の声が聞こえてくるようになった。コオロギの一種か、それともキリギリスの仲間か。ひところと比べれば、朝晩が幾分過ごしやすくなったようにも感じられる。秋に向けて虫たちが活発になってきたのだろうか。風の音や虫の声に風情を感じる日本の田舎暮らしはいいもんである。
2019年8月21日 曇り 26℃
睡眠時間をきちんと確保しよう!
最近は夜明け前に目が覚めてしまい、布団の中でスマホの画面をぼんやり見つめていることが多くなった。実感するのは中高年の「早寝早起き」という言葉だ。睡眠のパターンは年齢とともに変わるといわれる。高齢になると必要な睡眠量が減ったり、眠りを維持する力が低下する。白髪が生えてきたり、老眼になったりする加齢現象と同じようなものであろうか。運転途中で午前9時半に開く近所のスーパーで先日、開店を待つ多くの高齢者を見かけた。車の中で待機する人もいる。午前10時にオープンする店が多い中、朝が早い高齢者にとっては、たとえ30分でも早く開くのはありがたいのではないだろうか。65歳以上の3人に1人が眠りの悩みを抱えているというデータがあるそうだ。高齢者の不眠には若いときに比べて運動量が減ったり、体内時計がずれたりといった原因が考えられる。「起きていてもやることがない」と早々に布団をかぶってしまう人も少なくなく、これもリズムを壊す原因でもある。2025年には65歳以上の高齢者が30%を超えると言われている。それだけ睡眠障害に悩む人が増えそうな気配である。社会的な孤立によるストレスが誘発するケースもあるという。寝付けなければ無理せず、一度布団から離れる自然体も必要だ。枕元のスマホはどうか。情報ばかり詰め込んでも、熟睡できるはずはないのだが…。この習慣を止めねばと思っているが。。。。
2019年8月19日 曇り 25℃
福島原発の汚染水は2022年で限界!
お盆を過ぎて、暑さもひと段落したようであるが、なぜか蒸し暑い。年々、半端ないくらいの暑さが続き、気温が40度を上回る地点も多くなり、慣れたせいかもしれないがあまり驚かなくなった。でも、こう暑いと将来が不安になる。気象庁の予測では地球温暖化が最も進行した場合、21世紀末には日本全国の平均気温は約5度上がる。暮らしにどう影響するのだろうかと不安が増すばかりである。とりわけ水が足りなくならないか気にかかる。国連の機関が先ごろまとめた報告書は、温暖化の影響で2050年には穀物価格が最大で23%上がる恐れがあるとした。水不足に直面する人が増え、食料危機のリスクが高まると警告している。水が足りないのは大いに問題だが、増えすぎる水も危うい。豪雨や水害は言うに及ばず。こちらも相当深刻だ。福島第1原発で放射性物質トリチウムを含んだ処理水が増え続けている。東京電力は、敷地内に設置したタンクでの保管は22年夏ごろに限界に達すると試算している。事故で溶け落ちた核燃料は、水で冷やし続けなければならない。冷却水は施設内に流れ込む地下水とともに放射性物質で汚染されるため浄化処理が必要だが、トリチウムは除去できない。こうして生じた処理水は、冷却を続ける限り増えていく。最近、原発の話題は影をひそめ、都合悪いことは隠蔽する体質が顕著に表れている。政府や報道機関もこうしたリスク・対処方法について水に流さないで、早め早めに取り上げ解決してほしいと思う。
2019年8月18日 晴れ 28℃
黙読ではなく音読の勧め!
「毎週、アーリーバードを聴いており、悠々田舎人さんに会いにきました」と、初めて我が家の蕎麦刈りにいらっしゃったYさんが、こんな話をしていた。「ぞうさん」や「しゃぼん玉」。子どものころ繰り返し歌った童謡はいくつになっても口ずさむことができる。国語の授業で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を音読した経験も記憶に残る。そうして覚えたフレーズが、人生の支えになることもある。「いろんな場面で、詩の一節が口をついて出てくる。それは一生の財産」で「黙読」ではなく「音読」を勧めるという。声に出して読み自らの耳で聞くことで、脳が活発に働き、より理解が深まって印象にも残るという。一度読んだら覚えてしまう楽しい詩に、自然に体が踊り出すこともあるそうだ。なるほどと思いながら加齢の頭に刺激を与える運動としては良いかもしれない。今近現代詩の作家として谷川俊太郎さんとも交友があるとのことで、選び抜かれ、リズミカルに紡がれた詩は、どれも力強く脈打っているかのように口ずさんでいた。こうした新たな人との出会いや新たな出来事との遭遇は私の心に刺激と変化を与えてくれ、今日もまた勉強させられた。そして、これからも心に深く刻まれる一節にぜひとも出会いたいものである。
2019年8月15日 晴れ 30℃
スイスでは憲法に食糧安全保障を明記した!
朝からセミの声がにぎやかだ。競うように大合唱を響かせては急にやむ。せみ時雨と呼ぶのも趣深い。まさに夏本番を告げる声である。騒々しく、暑苦しさが増す日もあれば、夕暮れに涼しく感じることもある。人の心持ちでも聞こえ方が変わるもんだなあと感じている。孫との夏休みも終わり、今日帰京した。アブラゼミと同様に連日、声を張り上げ暑い夏を盛り上げてくれた。その中で教えられた出来事もあった。息子の嫁が食料品を買うときは原産地を確かめるようになった。輸入品が増えてきたからだ。安いに越したことはない。一消費者のささやかな話だが、国としての動きではスイスに注目しているという。一昨年の秋、へえーっという憲法改正をやってのけた。農地を守るという食料安全保障の考えを明記したのだ。資料を読むと、なるほどである。酪農で知られる農業国も時代の波をかぶっている。農家や農地が減ってきたうえに、貿易の自由化で農産物の輸入が増えてしまい…と、ここまでの事情は日本とよく似ている。このままでは、と生産者団体が危機感を持った。2年間、政府が消費者や環境保護団体とも議論し、憲法改正をめぐる国民投票となった。その結果、改憲賛成の国民がざっと79%というから、圧倒的な支持である。カロリーベースで、日本の食料自給率が過去最低と同じ37%と農水省が発表した。輸出国に異変があれば、日本の食卓はたちまちうめくかもしれない低さなのに、なんとかしようという必死さが見えてこない。ちなみにスイスは、食料自給率が55%に落ちたあたりから危機感を持っている。はて、この違いはなんだろう。
2019年8月6日 晴れ 34℃
五感で感じる「涼しさ」が最高である!
夏日が続いている。朝から息苦しさを感じる暑さの中、体にまとわりつくような外気を逃れてエアコンが効いた室内へとたどり着くと、冷気に生き返った気分になる。温帯に位置する細長い島国である日本。背骨のようにそびえる山脈、両側に大海と海流が控えモンスーンが吹く。「俳句や歌に現われた『涼しさ』はやはり日本の特産物」であり、こうした自然条件から生じたものではないだろうか。俳句は夏の季語が最も多いといわれる。「風鈴」「金魚売」「水中花」「釣忍(つりしのぶ)」など、涼しさを演出し暑さを乗り切ってきた暮らしの知恵が季語として残されている。これらは外国語に翻訳できても、そこにある日本的な感覚までは伝えられない。列島を襲う最近の猛暑はそうした日本独特の涼しさの文化を感じる余裕も奪っている。「冷房」も季語になっているが、エアコンつけっぱなしの部屋では風流さを感じる機会もめっきり少なくなってきている。命をも奪いかねない熱中症から身を守るためには、冷房の活用や適度な水分の補給などが大切だが、昔からの風物を見直して、気持ちのうえでも涼しさを感じたい。やはり川崎町の我が家で田舎暮らしを通して、五感で感じる「涼しさ」が最高であるる。朝からセミの声がにぎやかだ。競うように大合唱を響かせては急にやむ。せみ時雨と呼ぶのも趣深い。まさに夏本番を告げる声である。
2019年8月5日 晴れ 35℃(秋田)
キャッシュレス決済の動きが広がっている!
最近、外国人観光客が目立つ寺社や観光地にキャッシュレス決済の動きが広がっている。QRコードをスマホで読み取れば客の口座から支払われる。売店での記念品購入・買い物が主流だが、お守りや拝観料など信仰と深く関わる部分について仏教会が検討しているという。まさにキャッシュレス時代の到来を予感させられる。決済比率は韓国96%、中国65%に対し、日本は19%(2016 年)で、「遅れている」と焦る声もあるが、現金経済が安定している裏返しでもある。急遽、8月4-5日と横手増田町・秋田竿灯・男鹿半島・田沢湖への「小さな旅7」に出かけたが、外国人観光客の多さが目に付く。メニューも英語・中国語・韓国語表示やカード決済の準備も進んでいるようで、まさに外国人がキャッシュレス決済の動きを加速しているような気がする。今年、生誕110年を迎えた太宰治に「貨幣」という短編がある。主人公は女性に擬人化された百円紙幣。「お金の女王」として神棚で崇められたのもつかの間、質屋の着物、医学生の顕微鏡…と次々交換される。戦争末期、価値も下落し、社会の底辺の荒廃した世相を映し出す。泥酔した男の一瞬の優しさだろうか、赤子の肌着の中へ押し込まれた紙幣は、いつまでも赤子の背中を温めてやりたいと願う。金は天下の回りもの。そのしわには、人から人へ受け渡された履歴を刻んでいるのだろうか。知人に借金を重ね、苦労したからこそ、太宰は1枚の紙幣に人生遍歴を見たのだろう。貨幣の形が変わりつつある今、その意味をあらためて見つめ直したい。