2020活動日誌 4月
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。
2020年4月30日 晴れ・曇 17℃
心もとない日本の自給率を憂う!
世界の市場経済のグローバル化・移動自由化を追い掛けるように拡散した新型コロナウイルス感染症。マスクをはじめとする医療物資の調達競争に続き、食料を自国で囲い込もうとする動きも出てきている。日本では江戸時代、飢饉になると諸藩はコメが他領に流出しないよう番所での監視を強める「穀留(こくどめ)」を行ったとの記録があった。領内の被害を減らす自衛策だが、結果としてコメの広域的な流通が滞り、窮状拡大の一因になったとの報告もある。農林水産省によると農産物や食品の輸出を規制している国は13カ国に上る。例えばロシアは小麦の輸出に上限を設け、カンボジアはコメや魚、タイは鶏卵の輸出を禁止している。この事態を受け、G20の農相臨時会合は22日、世界には十分な食料供給能力があるとし、不当な輸出規制を行わないよう呼び掛ける共同声明を採択した。日本の2018年度の食料自給率はカロリーベースで37%、生産額ベースで66%。非常事態を想定すると心もとない数字だ。農業を巡る環境は担い手の減少と高齢化、耕作放棄地増加などの課題を抱えている。コロナ禍の今こそ農業と食の在り方を考え、自給率向上に向けて策を練る必要があると思う。今、多少なりとも自給生活を営んで生活しており食の大切さを痛切に感じている。
2020年4月28日 晴れ・曇 18℃
鯉のぼり・芝桜・水芭蕉の季節となりました!
米国の進化生物学者、ジャレド・ダイアモンド氏が著作「銃・病原菌・鉄」で16世紀、ヨーロッパ人がアメリカ先住民の文明を滅ぼしたのは軍事力だけでなく伝染病が大きな要因だったと言われている。コロンブスが梅毒を持ち帰ったとの説があるが、アメリカ大陸に持ち込まれた伝染病は天然痘やはしか、インフルエンザなど圧倒的に多く、抵抗力のない先住民に壊滅的被害を与えた。これらの病気は人類が本来保有したものではなく、農耕・牧畜、都市化など文明が進展する中で動物から人に感染した。島国の日本でも伝染病は大陸から到来した。奈良時代には天然痘が藤原氏ら権力者の命を次々奪い、都は大混乱に陥った。当時の人々は鬼や怨霊の仕業と考えた。見えない敵に恐れおののく姿は今も昔も変わらない。以前なら局地的流行ですんだはずの新型コロナウイルスが世界的に流行する背景に、移動の速さや国を超えたつながりの緊密さがある。伝染病は文明発展の裏表とも言えるのではないだろうか。治療薬やワクチンがない現状では感染者自身の抵抗力に多くを頼らざるをえない。数々の流行を生き延びた先祖から受け継がれた力が、体の中で私たちを守ってくれるにと違いないと信じたい。
2020年4月22日 曇 15℃
母さん あのマスクはどこに行ったのでしょうか!
いったい、どこへいったのだろうか。通りすがりの思いつく店をまわっても入り口に「入荷未定」の張り紙が貼られている。転売は法律を禁止したり、増産を毎日のように対処要請したのではなかったのだろうか。昨今のマスク不足である。そして、あごが丸出しで、鼻のまわりに隙間も見えるマスク。安倍晋三首相が着けているマスクはいかにも小さい。それと同じものなのだろうか。政府が全国5千万世帯に2枚ずつ支給するという布マスクの配達が始まった。不織布のマスクに比べてフィルター機能が弱く、新型コロナウイルス感染を防ぐ効果は薄いといわれる。無いよりはましかと思ってはいるが。。。何日も手に入らないと、あきらめと同時についイライラが募る。思えば、休校の要請に外出の自粛と、日常生活がどれほど制約されていることか。新型コロナウイルスには人を不安に陥れ、強いストレスをかける力もあるように思えてくる。感染拡大に歯止めがかからない中、不安やストレスを他者への攻撃として表に出す例が相次いでいる。在庫がないと謝る店員に暴言を吐いたり、意図せず感染を広げてしまった人たちを非難し、怒りの矛先が人に向かっている。今後、さらなる自粛要請でますますイライラが募るかもしれない。今こそ社会全体で怒りを制御する力が求められている。打ち勝つ相手を間違えてはいけないと自分に言い聞かせている。
2020年4月21日 曇/晴れ 16℃
こんな時こそ里山を散策しよう!
山を行き来し続ける魅力は、四季の移ろいを感じられることではないだろうか。4月ならサクラや山ツツジが彩り、木々は一斉に黄緑色の新芽を出す。紅葉で山肌が染まる秋も素晴らしく、野鳥や昆虫と生き物が躍動する夏や、銀世界になる日もある冬もいい。こんな体験ができるのも、里山のおかげである。街と山が近接することからお気軽に「毎日登山」の習慣があり、特に中高年夫婦で歩く姿を多く見かけるようになった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で少し様変わりするかもしれない。3月の週末はファミリーの姿が目立つようになった。緊急事態宣言が出てからは、平日の朝から若い世代をよく見かける。そして休校中の子供たちの声や笑いを多く聞くようになった。マスクをはじめとした感染防止策を徹底すれば、近くの山を登るのも散歩と同じ適度な運動になる。ストレス解消とともに、山、海の自然が近い地元の資源を見直してみるのもいいかもしれない。春は緊急事態とは別に自然体で里山を緑で潤いはじめている。機会があればぜひとも春の里山を散策してほしいと思う。
2020年4月16日 曇/晴れ 15℃
主要街道の関所に学ぶ!
昔、都を守るため主要街道に関所が置かれたが、ある書籍でそのいきさつについて調べてみた。特に重要なものを「三関」と呼んでいた。奥州にも三関があった。常陸(茨城県)の勿来、磐城(福島県)の白河、羽前(山形県)の念珠がそれだった。検問で人や荷物の往来を取り締まり、通行料などを徴収した。江戸時代になると治安維持が主な目的で「入り鉄砲と出女」には特段に厳しかった。その一つ、念珠の関所は越後と出羽の国境にあり、蝦夷と向き合う要衝の地だった。その歴史にちなんだわけでもないだろうが、山形県は県境付近で来県者の体温検査を実施する方針という。言うまでもなく、新型コロナウイルスの侵入と拡散を防止するためである。感染者は、大半が県外ルートで罹患(りかん)したとみられている。県境近くの駅や空港、国道、高速道などで体温チェックを行う。ただ入県の拒否は法律上不可能であり、滞在地での待機を促すなど注意を喚起するという。今月下旬から始まる大型連休を想定している。政府の緊急事態宣言、首都圏などで民間施設の休業要請、全国的な外出自粛など、あの手この手を尽くしても一向に収束の気配が見えないコロナ危機。山形県が復活させる「関所」の効果は不明だが、未知の強敵にためらいを持たず実行してほしいと思う。
2020年4月14日 曇/晴れ 12℃
海外にばかり頼る日本社会のいびつさが気になる!
先日、79歳で亡くなった作家で自然保護活動家のC・W・ニコルさんの講演を聞くことが数回あったことを思い出す。その際、好きな日本語の一つに挙げたのが「いただきます」だった。〈常に自然に感謝して、畏敬の念を持つ姿勢が表現されている〉と、日本文化の真髄を見ていたような気がする。命をささげてくれた生き物や植物、それを育ててくれた農家や畜産家に漁師、それらを運んでくれた人、料理を作ってくれた人…。「いただきます」は自分が生きている世界への感謝ではないか、と著書『C・W・ニコルの生きる力』に書いている。新型コロナへの緊急事態宣言で、一段と消費の落ち込みが懸念される。苦境に立つ飲食店などサービス業の背後には、それを支える多くの生産者がいる。108兆円もの緊急経済対策を決めた政府に国民目線に立った「日本が生きている世界」をしっかり見ているのだろうか。感染拡大によって生産拠点を過度に中国に依存した製造業は機能不全に陥り、インバウンド偏重の観光サービスも大打撃を受けている。私たちを苦しめているのは、海外にばかり頼る社会のいびつさのような気がしてならない。米も野菜も肉も、スーパーマーケットで作られたものではない。〈自然がなければ人間はない。街に住む人びとは、それが分からなくなっている〉。ニコルさんの遺した警句が胸に響く。そして日本政府にこの言葉を届くことを期待しているが。。。
2020年4月8日 曇/晴れ 14℃
ウイルスには3つの顔を持っているのでは!
サラリーマン現役時代は、いくつかの顔をもっていたような気がする。仕事中の振る舞いと、家庭で見せる表情とでは大なり小なり異なることが多い。いま猛威を振るう新型ウイルスも複数の顔を持っているのではないか。日本赤十字社はサイトで、このウイルスによる感染症には「三つの顔」があると訴えている。第1は言わずと知れた「病気」そのものである。第2は「不安と恐れ」。ウイルスは目に見えず、薬も開発されていないため、私たちは不安に振り回されている。第3は「嫌悪や偏見、差別」である。不安は人間の生き延びようとする本能を刺激し、感染に関わるものを忌み嫌ったり差別したりする感情を呼び起こす。すると差別されるのを恐れ、発熱やせきがあっても受診をためらい、結果として病気の拡散を招くのではないだろうか。三つの顔は互いにつながり、負の循環を引き起こして、さらなる感染拡大をもたらす。赤十字社は予防の徹底や、不確かな情報に惑わされず落ち着いて行動することで、循環を断ち切ろうと呼び掛けている。多様な側面を持つとてもやっかいな相手である。春の日差しに頰を緩めてホットしたいのだが、警戒を緩めてはいけない。4月に入り年度が切り替わり気分転換したい気持ちであるが、長期戦の覚悟も必要ではないかと思っている。
2020年4月7日 曇/晴れ 13℃
今、旬のヨモギをいただきましょう!
この時季、道端や畑の周りの農道そして空き地でヨモギを見かける。ちょうど今が若葉を伸ばす時季でもある。先日、散歩中に1株をちぎって鼻に運ぶとさわやかな香りが広がった。早速、てんぷらにして食卓に並んだヨモギの旬の味わいと香りをいただいた。ヨモギを草だんごや餅に入れるのは色や香り付けのためだけではなく、ヨモギの葉の裏は白い毛で覆われているが、この毛が絡み合って餅などに粘りが出るという。調べてみると原産は中央アジアの乾燥地帯。細かな毛には、水分が葉から失われるのを防ぐ役割がある。強い香りを身につけたのも、荒野で虫などから身を守るためという。古来、さまざまな効能がある薬草としても用いられてきた。その香りが邪気やけがれを払うとされた。3月3日に草餅を食べたり、端午の節句に門に飾ったりする風習がある。新型コロナウイルスへの不安から、ぎすぎすした空気が漂う昨今である。こんな時こそ季節の風物を楽しむ心の余裕を大切にしたい。ヨモギの香りには心身をリラックスさせる効果もあるのだから、旬の味をいただきましょう!
2020年4月2日 曇/晴れ 11℃
ゴシゴシの日々を送っている!
立ち寄ったあるスパーではお手洗いに人が並んでいる。行列の先はまさに手を洗う所だった。用を足した後、誰もが手を泡まみれにして念入りにゴシゴシやっている。新型ウイルスから身を守るには、まず人混みなど感染しやすい場所に行かないことが大切という。加えて、こまめな手洗いが推奨されている。せっけんをつけ、手のひら、甲、指、爪、手首を洗う。最後は清潔なタオルで拭くのがいいらしい。私などは以前、ハンカチを口にくわえ、申し訳程度に水で流すだけであったが、最近は時間にして数十秒と、気長に手洗いをするようになった。ネットをみていると、10月15日が「世界手洗いの日」だと知った。不衛生な環境下で手を洗うことができず、健康を害する子どもを守ろうと、2008年に制定された。協会は正しいやり方を楽しく学べる「手洗いダンス」を考案し、普及に努めている。効果的な手洗いには、きれいな水とせっけんが欠かせない。世界を見渡すと、それらを当然のように用意できる地域は多くはないようだ。ユニセフが近ごろ発表した統計に驚いた。世界の人口の4割に当たる30億人は、自分の家にせっけんで手を洗う設備がない。自分の体を病気から守る最もシンプルな方法の一つである。一刻も早くウイルスの猛威が終息することを念じつつ、ゴシゴシの日々を送っている。
2020年4月1日 曇/雨 12℃
桜の国を愛でる心を持ちたいものである!
暖冬の影響で、仙台市では観測史上最も早く3月28日に桜が開花した。ただ今年は新型コロナウイルス感染防止のため宴会や祭りの自粛が相次いでいる。桜の名所である大河原町の一目千本桜のをはじめ各地の「桜まつり」中止となり、少々さみしい花見シーズンとなった。桜の語源には、動詞「咲く」に接尾語「ら」が付いたとするなど諸説あり定かではないが、語感が心地よく響く。古くから万葉集をはじめ和歌や俳句に詠まれ、現代でも多くの文学や音楽作品が生まれている。浮世絵や日本画でも重要なモチーフとなった。江戸時代に8代将軍徳川吉宗によって植えられ、桜の名所となった隅田川の堤。保護に携わる「桜守(さくらもり)」らの努力で現代に受け継がれてきた。だが今年は周辺のイベントが中止になり花見客は少ないという。「桜の国」に異変あり。とはいえ桜の美しさは変わらない。我が家の富士さくら、八重桜はいよいよこれからである。慌てず・騒かず・平常心で桜を愛でたいものである。