■ 2015活動日誌7月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。コメントをお寄せください。
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7月30日(木)晴れ 30℃
最近、不祥事をわびる記者会見の中で必ず耳にするのが「多くの皆さまにご迷惑をおかけし…」という、お決まりのせりふである。もちろん、お詫びの仕方のマニュアルもあり、その通りのあいさつかもしれないが、そのたび釈然としない思いになる人は多いのではないだろうか。抽象的な謝罪で「ご迷惑」の内容が分からない。日本語の専門家は次のように解説している。漢語の「謝罪」に当たる日本語の動詞は「あやまる」と「わびる」。この二つの言葉は意味がはっきり違うという。自分が間違っていたと認めることに重点を置くのが「あやまる」。対して「わびる」は、相手を困らせたり悲しませたりしたのではないかと推し量る。ーーそんな姿勢の違いがあるらしい。「ご迷惑をかけた」というなら、その内容を具体的に述べることが望ましいと思う。そうすれば謝罪を受けた方は「ちゃんと分かってくれている」と安心感を持つ―。確かにそれが人情ではないだろうか。同様の思いのなかで、世論調査で、安倍晋三首相の戦後70年談話に植民地支配と侵略に対する「おわび」を盛り込むべきだとの回答が67%を占めた。肝心の首相は侵略にも「おわび」にも否定的で、未来志向に重きを置く意向という。相手の心を推し量ってわびることは未来志向に反するのだろうか。素朴な疑問が浮かぶ。安保法案の質疑応答をみても口先(表情)と腹の中(本音)とのアンバランスが特に目につく。リーダーたるもの世間の風に敏感になり、素直な言葉と心で発してほしいと思う。
7月28日(火)晴れ 35℃
静岡駅に到着した。くわー とにかく蒸し暑い。仙台とは違い体全体が蒸す感覚であり、歩いていると頭がボーとしてくるようである。久しぶりに東京より西方面へと出張で静岡へ。新幹線から見える駿河湾の海は眩しく太陽で照り輝いているようだ。船頭多くして船、山に上る―の故事がある。指図する人ばかり多くて統率がとれず物事があらぬ方に進んでしまう。建設計画が白紙に戻った新国立競技場の問題。何人も関わりながら、結局は括責任者は不在だったようだ。この問題でのいままでの各関係者の発言では―。「(撤回の責任について)私には関係ない」(元首相)「頼まれたのはデザイン案の選定まで」(建築家)「新国立競技場を間に合わせる仕組み作りが私の責任だ」(文科相)。私がOKを出しました、という責任ある発言や人物はなかなか出てこない。そんな中、ある文科省の人事で競技場建設の担当者だった58歳局長氏の辞職。「後進に道を譲るという意味での勇退だ」と大臣はのたまうが、計画の迷走、大幅に膨張した総工費、白紙撤回―、一連のドタバタに伴う事実上の更迭である。新国立の問題は今後、第三者機関で経緯を検証するという。お金と時間をかけて検証しても本当に最後の責任論まで本当に追及するのであろうか。素直に下村さんが辞職することが一番の解決法でありスッキリもする。担当の幹部を退かせて真の真相に迫れるのだろうか。。ここまできたならスパッと辞めて、早急な仕切り直しが求められている風が読めないのだろうか。もう時間はそんないない。仕切り直し後の整備計画にも不安が残る。なぜ日本の政治家はこんなに潔くないのかなあと残念に思う。
7月27日(月)晴れ 33℃
ファームではトマトが真っ赤に熟れている。せみ時雨を浴びながら、むっとするような青臭い香りが恋しくて、わざわざ葉に触れて鼻を近づけてみる。子どものころに、畑で太陽のぬくもりを帯びたトマトやキュウリをもいで、かじった。そのみずみずしさを思い出す。この夏もファームでキュウリを採り、何はともあれ塩をふりかけバリバリ食べた。幼い日に知ったこのおいしさは、最高のぜいたくである。田んぼのあぜのヨモギの香りが漂う。昔なじみの友が言うには「水中メガネをヨモギの汁でこすったら曇らないんよな」。海育ちの友は「いや、海藻で拭いて潜った」。そのいきいきとした目。誰も皆、子どもだった。それぞれの心に宿る夏の思い出でもある。会長のOさんのお孫さんがやってきた。夏の田舎生活を楽しむかのように目がキラキラと輝き、まさしく好奇心の塊であるかのように自然に触れ楽しんでいる。宮沢賢治は幼いころから鉱物や植物、昆虫の採集に熱中し、自然を体いっぱいで感じて童話を書いた。全ての命を親兄弟とし、自然界の仕組みを追究していたという。 「注文の多い料理店」の序文にはこうある。「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます」「わたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです」さあ夏休み。子どもたちには思い切り自然の中に飛び出してほしい。ゆったりした時間に、夏をたんと味わったことが、思い出となり大人になって宝になること間違いなしである。さあーわんぱく子供の出番の季節となった。
7月26日(日)晴れ 34℃
静岡の川で7人が電気柵に感電し、2人が命を落とした。アジサイの花壇をシカの食害から守ろうと、所有者が棚を自作した。柵の一部が壊れて電線が川に漬かり、感電したらしい。漏電防止装置はなかった。行政は把握せず、安全指導もしていなかったというから悔やまれる。この電気棚はホームセンターや通信販売で容易に購入できる。手軽さの一方、安全対策にほころびがあるなら早急に手当てを急いでほしい。私の住んでいる川崎町でもシカやイノシシ、サル等が増え、食害は深刻になっている。幸いに私の悠々ファームでは食害の被害はでていないが、山沿いの地では電気柵を目にする機会も多く、対岸の火事ではない痛ましい事故に言葉を失う。この事故を契機に野生動物が増えた原因を探り、生息数を適正にすることも大切だと思う。ある大学では、人が意図しない間接的「餌付け」が一因と分析している。野積みされた傷物のリンゴ、青々と茂る牧草、お供え物…。最たるものは、山間部の道路にまかれる融雪剤だという。そういえば、主原料は塩化カルシウムだ。ミネラル補給に四苦八苦している動物にサプリメントを届けるようなものであると言う。田舎の地域差はあれど、知らず知らず「餌付け」をしていないか点検する必要があるのではないだろうか。電気柵の安全な活用の徹底とともに、獣害対策に求められる重要な視点に行政とメーカー、利用する全ての人が安全への意識を高め、再発防止を誓いたいものである。
7月24日(金)曇り/小雨 27℃
今日は午後から雨も降りだしたこともあり、理容店へでも、出かけようと思ったが、来客もあり中止することとした。理髪と言えば、髪がふさふさだったころ、一度だけ美容室でカットしてもらった経験がある。あおむけで洗髪するのが珍しく理由を聞くと、水が掛かって化粧がはげ落ちるのを防ぐためと言う。客の大半は女性だからとのことであった。ちなみに理容室でうつぶせで洗うのは、店主の話では、あおむけでは腹を見せる形になり、切腹を想像させるからとかで、納得まではいかない講釈を拝聴した。最近になって、美容師が男性客にカットだけするのは国のルール違反であるとのことらしい。理容師が女性客にパーマを掛けるのも、ご法度だとも。振り返れば、違反していたことになる。今や男性が美容室に行くのが当たり前の時代だ。この規制が廃止されることが決まった。へー知らなかった。こんなことまで規制があったとは。。業界の言い分はあろうが、ようやく世間の常識に追いついたと言える。とはいえ、まだ不可解な点がある。理容師と美容師は全員が両方の資格を持っていない限り同じ店で働けない。美容師はひげそりをできないとのことである。パーマを掛けたくなったり、顔ぞりをしてもらいたくなったり、店に入ってから気が変わることがある。利用者からみれば、柔軟に対応してほしいのが本音だろうが、現状にそぐわぬ岩盤規制は結構、身近なところにもあるなあと改めて感じた。
7月23日(木)曇り/小雨 28℃
連日、猛暑が続いている。まだ川崎町は暑さは30℃前後であるが、関東地方は38-39℃と人の平熱より、はるかに高い暑さが続いている。こうも暑いと、体力が奪われ、食も細る。昔の人はいかに、いかに夏バテをしのいだのだろうかと思い調べてみた。江戸の町では、甘酒売りが夏の風物詩だった。今では冬を連想させるが、俳句の世界ではれっきとした夏の季語だ。栄養価が高く、生気が衰えがちな真夏の飲み物として人気があった。熱いまま飲むのが一般的で、行商人はやかんを火にかけたまま持ち歩いたらしい。甘酒といっても「酒」ではない。原料となる米麹が生み出す成分には滋養強壮と腸内環境を整える働きがある。「日本版飲むヨーグルト」といわれるゆえんだ。飲料だから、暑くて食欲がない時でも口にしやすい利点がある。江戸の庶民には申し訳ないが、現代では冷蔵庫で冷やしてもおいしいらしい。我が家でも早速チャレンジしてみたいと思う。チャレンジと言えば、歴代3社長の辞任にまで発展した東芝の利益水増し問題がある。歴代3社長は、目標通りの利益を上げられない部署に対し、会議やメールで「チャレンジ」などと称し、利益の上積みを強く求めていたという。圧力を感じた部下たちは、あろうことか不適切な会計処理に挑戦してしまった。決算内容を調べた第三者委員会は、「上司の意向に逆らえない企業風土が存在していた」と問題点を指摘しているが、そんな企業風土は東芝の特有なものでないことぐらい、多くの企業人なら分かっているのではないだろうか。上司の意向に逆らうことはいつの時代も難しく、上司の側も直言に耳を傾ける器量とコンプライアンスをもちあわせてほしいと思うが。。。悪弊を断つためには、「おかしいぞ」と声に出したり、行動に移す勇気も必要であるがサラリーマンのつらさがわかるようで大きな声を出して言えないのが現実でもある。
7月21日(火)晴れ 31℃
五星でも有名である鮨の名店「すきやばし次郎」(東京・銀座)のご主人小野二郎さんにとって手は命であると言う。某会社の社長さんから聞いた話である。客が口に入れるものに直接、触る。「きれいにしていて当たり前。きれいにしすぎるということはありません」と言う。シャリの硬さ、粘りを判断するため、手を柔らかくすることを心掛けている。「重いモノはなるべく持たない」そうだ。常に手を大事にする感覚をいつも忘れないようにしている。普段からのプロとしての心がけがうまい鮨をつくる名人の秘密であるのだろうか。私も生きている間にでも一度は食べてみたいものである。二郎さんの手のように、そのうまい酒を造った人たちが大切にしたのは何だろう。そして名誉ある吉報が届いた。ロンドンで、開催された世界最大級のワイン品評会IWCの日本酒部門で最優秀賞にほまれ酒造(福島県喜多方市)の「会津ほまれ 播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」が選ばれた。受賞した酒は酸味と甘みのバランスが絶妙だと言う。福島はいうまでもなく東日本大震災、原発事故に伴い、風評被害等で輸出をはじめ大いに売り上げが落ち込んだが、県内の蔵元は復興、復活のため、うまい酒づくりに競い合うように取り組んだという。その結果が今回の世界一となったに違いないと思う。大切にしたのは悲しみの酸味を乗り越えたいと願う心と、甘い未来の夢を見続けて精進した成果ではないだろうか。ぜひとも復興の一役を買う意味でも、ぜひ取り寄せていただきたいと思う。しかし残念ながら今現在は品切れらしい。日本人は苦しみの中から、”こだわり”や”執念”が生まれ、自分を信じて”ものつくり”にかける意気込みとその技術を生かした典型的な受賞であったと思う。
7月20日(月) 晴れ 30℃
やっとジャガイモ堀りが終えた。汗びっしょになりながらも、掘り終えるとやっと夏が来たなあとしみじみ思うようになってきた。そう言えば、15年前の7月、2000年と沖縄サミットを記念して二千円札がお目見えした。でも手にした回数を思い返すとその当時だけであったと記憶する。何せ、発行は3年間で8億8千万枚だけとか。多くは日銀の金庫に「お蔵入り」し、今では流通量が1億枚を割り込んだ。ちなみに一万円札は80億枚、千円札は37億枚ほどである。普及しない要因は使い勝手の悪さに尽きる。客が嫌がるのを懸念してか、そのうち釣り銭に交じることもなくなった。確実に入手するには金融機関の窓口に足を運ぶ必要があると聞けば、目にしないのも無理はないと思う。沖縄サミットには直前に急逝した小渕恵三氏に代わり、森喜朗氏が首相として臨んだ。当時の記事を読み返すと「昨年(ドイツ・ケルン)の百倍以上」(独有力紙)など、巨額のサミット開催費用をかけたと言う。そして15年後、新国立競技場建設費用で、金額で注目を浴びようとは。。。森氏は東京五輪組織委員会会長として新国立競技場をめぐる迷走の渦中にいる。総工費が2520億円に上る計画は白紙に戻ったが、「たった2500億円を国は出せないのか」とこぼしたというから発言を聞いてあきれてしまう。政治家や官僚は税金が入ってしまえばお金は自分の財布の中に入ったものと勘違いをするのではないだろうか。多くの国民が望むのは身の丈に合った使い勝手の良い競技場だ。巨大さ、豪華さに走った関係者との金銭感覚の差は大きい。もっとも、「千円札の相当量が二千円札に置き換わる」と踏んだ日銀の見立ても、国民との乖離は相当なものでもある。こうした国費は汗水流して働いている国民の血税であることを自覚してほしいと思う。
7月18日(土)曇り 28℃
昨日、工費が過大だとして批判を浴びていた新国立競技場の建設計画を、安倍晋三首相は白紙に戻すと発表した。批判の矛先が政権に向くことを恐れての政治的判断そして国民の声の大きさに支持率低下を防ぐ狙いもあるのだろう。振り返れば3年前、あの奇抜なデザインを選んだのが安藤氏だった。その直後から、緑豊かな風致地区の東京・神宮外苑にはそぐわないし、コスト面の問題もあると指摘されていた。急先鋒が建築界第2世代の槙氏だった。息子の話では建築家13年周期説というものがあるそうだ。この説に基づいて戦後日本の建築家は四つの世代に分割できるという。第一世代を代表する丹下健三氏(1913年生まれ、故人)は高度成長期の最先端技術を駆使して代々木体育館のような記念碑的建物を設計した。第二世代の槙(まき)文彦氏(1928年生まれ)や磯崎新氏(1931年生まれ)は技術万能から一歩引き、文化や歴史性を重視した。第三世代の安藤忠雄氏(1941年生まれ)は高度成長に陰りが見え始めたころに登場し、虚飾を排したコンクリート打ちっ放しの建物で先行する世代にパンチを浴びせ、先日、訪れた秋田県立美術館も安藤氏によるものだ。建築家(安藤氏)も政治家(安倍氏)も先輩の知識と知恵に、そして多く国民の声に耳を傾けて、もっと早くから謙虚に向き合うべきだった。今後の参院での安保問題、原発再稼働、沖縄基地移設等においても同様であり、謙虚さと真摯な姿勢でおごらず、多くの人の声を聴いてほしいと思う。
月16日(木)雨 22℃
梅雨が明けると我が家の夜空に星空の壮大な宇宙絵巻が展開する。今この宇宙でちょっとしたドラマが進行中だ。9年半前、米国が打ち上げた宇宙探査機ニューホライズンズが14日、冥王星に最接近し、その素顔を観測したのだ。「水、金、地、火、木、土、天、海、冥」これは曜日ではなく、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星。いずれも太陽の惑星で、太陽に軌道が近い順からの呼び名だ。その中で太陽から一番遠い冥王星が2006年、惑星の仲間から外され、準惑星に降格された。小さ過ぎるのと、軌道が複雑なためだったらしい。冥王星の英語名はプルートー。ギリシャ神話にある地獄の守護神で、いわばえんま様だ。1万キロほどの距離まで近づく探査機の写真などで、冥王星が46億年前に近い状態だと解明されれば、太陽系の起源に手掛かりが得られるかもしれない。端役が突然主役に躍り出るわけだ。この宇宙の話は壮大で、浮世の憂さを忘れさせてくれる。ところが地球という惑星にある日本では衆院で安保関連法案が強行採決された。衆院憲法審査会で参考人全員が軒並み「違憲」と主張した。一連の世論調査で圧倒的多数が「説明不足」と回答している。そして、国会の外では日一日と反対の声が高まった。だが、首相は一顧だにしなかった。国民の不安は置き去りにされたままだ。批判にも疑問にも耳を貸さない。しゃにむに突き進む姿は、この国を破滅に導いた戦前と重なって怖い気がする。時代も読めないリーダーとおつきあいすることはごめんこうむる。宇宙のロマンを夢見て太陽の惑星でも旅行に出かけたい気分である。(写真は2013.7)
7月15日(水) 晴れ 30℃
今の季節になると2年前に北海道を旅行したことを思い出す。その中で北海道へ来たぞーと叫びたくなる場所がある。ラベンダ一色に包まれた富良野町の富田ファームである。あの紫の風景を見て、ぜひとも一度は行ってみたくなり北海道に憧れた人も多いのではないだろうか。ラベンダーの語源は、ラテン語の「洗う」と言われる。古代ローマの人々は公衆浴場の湯に入れて体を清潔にした。第2次世界大戦では、フランス軍が花から取った精油で兵士の傷を治したそうだ。体の汚れをぬぐい、傷を癒やすだけではなく、心も洗ってくれたそうである。また、テレビドラマ「北の国から」で、妻役のいしだあゆみさんが離婚を決め、子どもの純や蛍とラベンダー畑で戯れるシーンがあった。いしださんの笑顔と花の爽やかさが、逆に人生の岐路の悲しみを誘った記憶が残る。ロケをしたのは、まさしくファーム富田である。前会長でラベンダー観光の礎を築き、手塩にかけてラベンダのファームを作った富田忠雄さんが83歳で亡くなったニュースが流れてきた。富田さんは、はにかみながらラベンダーを「妖精」と呼んでいたらしい。香料にして売り出したが、安い輸入品に押され、廃業の危機に。畑をつぶしかけたとき「ギャーッ」という花の叫びを聞いたそうだ。自然の声に耳を傾けていた人らしい。1980年代に入り、観光客が増えたが、こうも話していた。<花は着飾っているように見えてもいつも落ち着いて、はしゃがない。花は何も語らない>。時代に流されてはならない。花に託して戒めていた。折しも初夏の花の季節。でっかいどうの青空から、初夏のにぎわいを見守っているかもしれない。まさしく記憶に残る風景である。(写真は2013.7)
7月14日(火)晴れ 32℃
きょう14日は東日本から東北にかけて猛烈な暑さとなり、午後2時過ぎに群馬県館林市で39.3℃、福島県伊達市で39.1℃を観測した。全国で39℃を超えたのは、今シーズン初めてとのことである。今日、午後からS職場で、あるビジネスフローをホワイトボードに書きながら説明を行い、論議しながら社員相互の理解を深め合った。仙台でもおなじみの中国の文豪・魯迅は「牛のようになりたい」という言葉を残している。牛は人が食べられない牧草を食べて乳を出す。難しいけど大事なことを分かりやすく書けば、知的な栄養として世の中に吸収されていくと言う。作家の井上ひさしさんも「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」を座右の銘としていた。言葉は相手の胸にすとんと納まらないと通じないものである。今、安全保障関連法案について、政府・与党は審議時間が100時間を超えたとして衆院通過を目指している。この間、安倍晋三首相らは国民の胸に響く平易な語り口だっただろうか。「存立危機事態」「重要影響事態」など難しい用語は現実感に乏しく、政府側が答弁に行き詰まる場面も多々あった。憲法学者から法案の違憲性を厳しく問われると集団的自衛権に言及していない判決を持ち出して、ますます理解しにくくした。平和ではなく戦争への道を開く疑念はまったく消えていない。難しいことをできるだけ「やさしく、ふかく」語るのは政治家として当然の責務である。今度、18歳以上も選挙権をもつ未成年を含め国民に広くわかるようにするためには当然でもある。明日は委員会での強行採決とのこと。憲法と平和国家の針路に関わる議論をもっと深めないで、事を進めては国民の理解は絶対得られないと思う。
7月13日(月)晴れ 31℃
本当に梅雨なのだろうか。真夏を思わせるような太陽が朝から、ジリジリと照りつける。今日は風もなく蒸し暑さを感じられ、まさしく不快指数が上昇中でもある。不快と言えば、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の実施設計が、事業主体の日本スポーツ振興センター(ISC)有識者会議で了承された事である。10月の着工、2019年5月の完成を目指すとのこと。本当に2520億円で済むのだろうかと不安が残る。五輪後に設置する開閉式屋根の費用など260億円は除外されており、2017年4月予定の消費税率10%への引き上げなどで全体ではさらに金額がかさむのは確実である。ラグビーW杯と東京五輪が終われば毎年20億円の赤字を垂れ流す恐れもあり、後始末は次世代に丸投げ状態である。子どもたちの健全な育成をつかさどる役目である文部科学省は本当に認識しているのだろうか。開催国の国民がこぞって歓迎し、世界にも誇れる五輪の主会場はどうあるべきか。今からでも遅くない。関係者や専門家の英知をあらためて結集し、身の丈に合った計画に見直すべきだと思うが、もう止める人はいないのだろうか。本当に最近の政府の対応には不快が増すばかりである。お中元にいただいた北海道メロンでも食べながら体の中から冷ましてみよう。。。
7月12日(日)晴れ 30℃
今日は朝から陽射しが降り注ぎ、暑くなりそうな気配ではあるが、周りが田んぼであるので、水を湛えた田を吹き抜ける風は気持ちがいい。涼しいうちにと朝早くからファームに繰り出し、ジャガイモ(きたあかり)堀りに精を出した。そして暑くなる前に退散。日中は安保法制関連の日曜討論のビデオをじっくりと見た。問題を分かりやすく説明するには例え話が役に立つとのことで、若者層にと自民党がホームページで公開しているインターネット番組で安倍首相は集団的自衛権の限定的な行使を説明するためにこんな例え話を披露した。-友人のスガさん宅に強盗が入り、助けを求められても出かけて行って助けることはできない。しかし、「アベは生意気だから殴ってやる」という不良がいて、それを防いでくれようとする友人アソウさんが殴られるなら、私は守る- 分かりやすいが、まるで笑い話。実際の場面ではどうなんだろう。相手と渡り合うのはアベさんではなく、自衛隊員だ。隊員のリスクはどうなるのか。首相は、隊員のリスクを説明する中で述べている。-初の死者が出るのではないかと言われるが、隊員には既に1800人以上の殉職者がいる-。日ごろから命懸けの任務なのだと言いたいのだろうが、戦死と、平時の殉職は同列に語れないのではないか。こんな話で安全保障法案がはらむ問題点で「疑問が解けた」という人がどれほど出てくるのだろうか。こんな軽い冗談のような笑い話をしているから、一層軽く、薄っぺらに見えてしまう。国会審議は計100時間を超える見通しとのことであるが、各地の地方議会で廃案や慎重審議を求める声が意見書や請願という形となって相次いでいる。国民の理解を得たとは言い難い状況だ。与党の腹づもりは来週半ばの衆院通過。例えようのないごり押しが近づいている。国民が声をあげねば。。。。
7月10日(金)晴れ 28℃
昔、イソップ童話の一編に「アリとキリギリス」があった。アリは冬の食料を蓄えるために働き続けるが、キリギリスはバイオリンを弾き優雅に暮らす。冬になるとキリギリスは食べ物が無く困り果て、アリに頭を下げる。この話を欧州では、ギリシャ危機に例えて語られているという。こつこつと真面目に働くアリがドイツ人で、遊び呆ける怠け者のキリギリスがギリシャ人なのだそうだ。古代ギリシャのアテネでは、重要な案件は市民が全員参加して多数決によって決められた。この伝統が息づいているわけではなかろうが、国民投票で欧州連合(EU)が求める財政再建策の受け入れ拒否を決めた。それにしても道理の通らぬ話のように思う。債務を返済する立場でありながら、再建策を「テロリズムだ」と非難する。国民投票で再建策に「ノー」を突きつけると「新たな民主主義の始まりだ」と歓声を上げる。異様な熱狂ぶりである。いばらの道しか残っていない現実を、ギリシャ国民は理解しているのだろうか。就業者数の10分の1が高給取りの公務員という現実もある。年金の大幅カットなど財政緊縮策にも問題があるにせよ、身を削る努力なくして再建は成し得ない。翻って、わが日本の財政も借金漬けは同じ。国の借金残高は1千兆円を超え、ギリシャが抱える債務の20倍以上に達している。世界随一の借金大国であり、財政健全化に背を向けていては破綻を招く。ギリシャの危機は決して対岸の火事ではない。人のふり見て我がふり直せ。エーゲ海小国の異常事態から学ぶ教訓は多いと思う。
7月9日(木)晴れ 24℃
二十四節気の小暑も過ぎた。梅雨明けが近づき、暑さが本格的になる時季でもあり、日中の気温が高くなった。今日久しぶりに職場に行くと「そろそろ暑気払いを」なんて声も上がり、断り切れずに?夕方から街へ繰り出した。暑気払いは〈消暑(しょうしょ)とも言い、体を冷やす効果のあるものを取って体内の熱気を追い出す。冷たいものに限らず、漢方の薬湯なども飲まれてきたという。とはいえ、好きな人なら真っ先に冷えたビールを思い浮かべるだろう。夏の夜、仲間と一緒に喉を潤すのはまた格別だ。そして今や飲食店の「飲み放題」は定着したようだ。客は数杯飲めば元が取れるし、幹事は飲み物代を気にしなくて済む。無論店の利点もある。飲み放題の付くセット料理は割安でも利益を生み、時間制限があれば客の回転も早くなるとのことでお店、客にとっては好都合らしい。でもいつも「飲み放題」コースでは調子に乗ってついつい飲みすぎてしまう。飲みすぎは禁物といつもパートナーに言われており肝に銘じておいたが、ついつい話も進みビールジョッキ一杯を飲みほした。夏はビールがうまい。ストレス発散も兼ねて暑気払いは無事に終了したが、家に帰ると昨日のじゃがいも堀りの疲れがどっとでた次第である。
7月6日(月) 晴れ 26℃
「半夏ひとつ咲き」。夏至から数えて11日目(7月2日)で暦の「半夏生」も過ぎた。青々とした水の中にまず一輪そっと咲く。辺りの様子をうかがって仲間を呼ぶのだろうか。秋田千秋公園ではハスの花が咲きはじめ、日ごとにピンク色味を帯びている。今日は朝から秋田県立美術館を訪れた。平野政吉コレクションと題して、藤田嗣治氏の「秋田行事」の大壁画がすぐさま目に飛び込んでくる。そして特別展として「田園にてー秋田の風景・子供・女たちー」と題して木村伊兵衛、千葉禎介、勝平得之等の写真、版画が所狭しと並んでいる。昔ながらの農民の息遣いが聞こえてくるような農村風景が広がり、田園の空気が漂う。まさに美術館は想像力の山を登り、海を駆け抜けるようである。千秋公園散策後、午後からは新幹線に乗り、岩手県立美術館を目指した。フランスの画家ゴーギャン展が開催されている。19世紀の画家ゴーギャンをはじめとする画家たちを魅了したフランス、ブルターニャ半島の小島、ポン=タバンの美しい自然風景や風俗が描写されており、なかなか拝見できない貴重な油絵が展示され、その迫力に思わず2時間近くも見入ってしまった。そのほか常設展として岩手出身の松本俊介・舟越保武氏の生命力に溢れ、鮮やかな色面と大胆な構図が表情豊かに描かれている。美術館はなぜか建物のデザインも素敵で、人を異次元の別世界の空間に誘い込んでくれるような気がする。まさに今日一日の美術館巡りの旅は、人間のもつ創造・想像力を内面から湧き出させてくれるような魔物のような不気味な魅力を漂させてくれるひとときを与えてくれた。
7月4日(土)曇り 23℃
今日は青森市内の循環バスねぶたん号に乗り、棟方志功記念館で仏の国インドでの仏教との出会いの旅を思い出す。パートナーは津軽こぎん刺しに夢中で、こぎん研究会の手習いを通して、二人とも益々青森が好きになってきた。青森アスパムの展望台から北海道を眺め、青い海の潮風を浴びながら北への想いが募る。次回は北海道へと想いを馳せながら、後ろ髪が引かれそうな気持ちになりながらも、八戸小唄寿司の弁当を買いこみ、奥羽線へと乗り込んだ。そして青い森鉄道、花輪線、いわて銀河鉄道へと乗り継ぐ。まさしく約4時間半の鈍行列車の旅のスタートである。上りもあれば、下りもある。そしてスイッチバックで逆戻りと、まるで人生の軌跡を駆け抜け、歩んでいるようでもある。山間を通りながら鉄道沿いに民家が並んでいる。駅があるところに町や村がある。まさしく鉄道は人を惹きつけ、集落を作り、自然の営みをも形成してくれる。前日は秋田から青森へと北上したが、今日は青森から岩手へと南下する。花輪では夏のお祭り囃子の音色が聞こえそうな錯覚に陥る。そして田山ではスキージャンプ台が誇らしげにそびえ立っている。安比では青紫のりんどうの花が咲き誇っている。八幡平や姫神山が向かい合いながら、やまびこをかけあっているほど仲良しでもある。滝沢村は昨年、村から一気に市へ昇格し誇らしげに市昇格の文字が駅に大きく掲げてある。それぞれの想いを駅はアピールしているのだろう。電車内はガラガラで運転手の後ろに陣取り見学しながら運転方法、手合図等を楽しく学習することができた。4時間半もかかるローカル線の旅の最後は、どっしりとそびえたつ岩手山が微笑んで迎えてくれた。やっと水の都の盛岡に到着し、二日目の鉄道の旅は終了した。
7月3日(金)晴れ 25℃
北へ向かえば向かうほど青空がひろがる。車窓からながめる山辺の民家の窓辺に目をやると、緑のカーテンが青々と茂りいかにも夏の風情が漂っている。つる性の植物が日差しを遮ってまさに「緑陰」となる。最も一般的なのはゴーヤーだろうが、淡いピンクや紫の花を咲かせるアサガオも彩り豊かである。角館より秋田内陸縦貫鉄道に飛び乗り、山々を眺めると高山植物たちが、山の雪どけを待って花を咲かせはじめている。里の季節は春から初夏へと確実に時を進めている。山間の森林を駆け抜け、かわアユ釣り解禁の看板が掲示されている、そして秋田内陸線の夏が始まる。秋田内陸線は北部が阿仁川、南部が桧木内川に沿って走るので、7月1日の解禁からは清流にたたずむたくさんの釣り人を見ることができる。内陸線の列車は、ひとつひとつ小さな山小屋風の駅に停まりながら、山の奥へ奥へと入っていく。「この列車、どこまで奥に入っていくのだろう」と心配になるほど清流の源の山は、深い緑に包まれている。角館から約3時間をかけて鷹巣まで29駅に立ち止まりながら電車は緑濃い森林をかき分けながら北上する。途中の車窓には田んぼアートと題して4か所で「紙風船上げ」「フリースタイルスキーW杯」「秋田犬と秋田美人」「なまはげとバッタもっち」の模様が緑の田んぼに浮き上がっている。その近くにいくと電車は減速し車掌さんが解説をしてくれる。旅人を自然の懐に抱え込み、みどころ満載の秋田内陸線の旅である。そして今宵は青森を経由して浅虫温泉(麻蒸しの湯:無色透明石膏弱塩泉、泉温63℃)でむつ湾のサンセットを拝みながら湯船につかる。極上のひと時に酔いしれた一日であった。
7月1日(水)雨/曇り 22℃
きょうは3年ぶりの「うるう秒」の日だ。午前9時の手前で1秒を加え、8時59分60秒となる。標準時と地球の自転のずれを修正するため、世界基準に合わす時間かせぎでもある。今年はたいして問題が起きなかったようであり、今までの経験と学習効果の表れであろう。元ITシステム技術者として2000年問題をはじめとして時間と同期するシステムのことが自然と気になる。うるう秒は、情報化社会の進展に伴って問題視されるようになった。コンピューターの1秒当たりの処理能力が高まった上、ネットワークの発達で多くの機器が相互につながっていることで、システムに与える影響の拡大が懸念されてきた。そして今日から7月に入り、今年も半分が過ぎた。梅雨前線が活発化し、ぐずついた天気が続いており、真夏の到来を前に肌寒い小雨煙る一日である。7月1日と言えば、集団的自衛権が使えるよう、閣議決定だけで憲法の解釈を改めてちょうど1年がたつ。国会の攻防は会期の大幅延長を決めたが、「違憲」と指弾の声は高まる一方だが、政府・与党は耳をふさいで時間をかせぎ、今月前半で安全保障法案の衆院採決を目指すらしい。強行すれば、暦ならぬ憲法の読み替えで「平和」も「法治」も国民から奪う政府になる。うるう秒と同じく、どこかで国民との”ずれ”を修正し解消しなければ歴史的に、汚点が残り、将来に多大な影響を残すであると確信している。