■2014活動日誌8月■
季節の日々の移ろい、自然に中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴ってみました。おつきあいください。
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8月31日(日)曇り 24℃
今日で8月も終わりであるが、涼しい天気で稲穂を通り抜ける風もやや秋めいてきた感じがする。ある大学教授が一昨年、イタリアの学会で「東日本大震災後、いかに日本は夏場の電力のやりくりに苦労しているか」を話したと言う。終わるや、欧州の研究者が立ち上がり、さらりと言った。「夏は、もっと休めばいいんですよ」。日本人は働き方を改めれば、もっと選択肢が広がるのではないか。そんな気づきを得たという。再来年から8月にも「山の日」の祝日ができる。一部からは「日本は祝日が多すぎる」と異論も出たらしいが「残業世界一」が続く日本の職場である。祝日でもないと休みにくい面もある。夏の長期休暇が定着する欧州などとは比べようはないが。。雨と酷暑がめまぐるしい不順な今夏は、ことのほか体にこたえる。1カ月とは言わないが、7 ~9月を交代で2~3週間ほど休む日本にならないだろうか。地方の空き家を借りての避暑やボランティアなどで、人も地域も農村も元気になり、電気も節約するなんていかがだろうか。
8月30日(土)曇り 24℃
リリリー、リリリー。厳しい残暑への覚悟は肩すかしを食わされ、コオロギの声が聞こえてきた。昨日、虫の声に誘われるように泉ヶ岳ふもとにある「岳山珈琲」へ出かけた。ここは北欧古民家風であり森林に囲まれた、まるで大人の隠れ家的存在である。ここのランチ「スモ-ブローSET」(10食/日)はオープンサンドに多くの野菜が盛りつけられており、コーヒー、スープ(ニンジンのポタージュ)が一度に楽しめる。ゆっくりと静かな贅沢な時間を過ごすにはもってこいのカフェである。できるなら平日に訪問することをお勧めする。我が家でも、パートナーの天然酵母のパンに悠々ファームより採りたての野菜で作ってみようかな!と思う。今度こだわりのコーヒーミル(イギリスのRussell Hobbs (ラッセルホブス))とコーヒードリッパーを購入したので、お気に入り豆で悠々コーヒーをいれてみたいと思う。目の前の緑の田んぼを見ながら、コオロギの優しい声を聴いて、こだわりの時間を過ごすのもいいかもしれない。
8月28日(木)曇り 22℃
曇空の中、所用で仙台街中へ出かけた。仙台駅東口は複合ビル建設等で再開発が行われ、巨大なクレーンがそびえ立っている。そして東口には代々木ゼミナールがあるが、今度閉校されると言う。少子化に加え、現役志向の高まりが背景にあるそうだ。今や浪人生は、受験生全体の1割程度。デフレといわれながら、大学の学費が軒並み高くなったことも影響しているだろうか。これも時代の流れとは言え、東口の代名詞であり、何となくさみしい気がする。そして私のお気に入りのひとつであるJazz喫茶「カウント」へ出かけ、久しぶりにJazzに酔いしれた。何もかも忘れ、音楽に聴き入り頭が空白となり、私にとって安らぎのひとときと同時にストレス解消でもある。昔、本をむさぼり読んだり、大音量で音楽を聴いたりと、1浪や2浪がどうした、人生には回り道も必要、などと軽々しく言えない時代になってきたのがさみしい。
8月26日(火)小雨 23℃
甲子園の熱戦も終わり、日本列島も晩夏を迎えはじめようとしている。土砂災害の片付けに追われる広島の方々にお見舞い申し上げたい。せめて、雨もやみ、暦通りに暑さが和らいで、復旧・復興に携わる人々の労苦が少しでも軽くなることを祈りたい。高度経済成長期と重なる昭和40年代から50年代にかけて山間部を中心に大規模な宅地開発が進んだ。平行して人口も急増した。もろい地盤や異常気象も今般の要因とされるが、人間の都合だけで自然を大きく造り変えた開発のあり方について、もう一度、自問しなければならないのではないか。南アルプスを長大トンネルで貫くリニア新幹線、ジュゴンやサンゴの海を埋め立てる辺野古の基地、大量の地下水が流れる土地に建てられていた福島原発…
成長、前進、拡大という右肩上がり路線でいいのかと、皆が考えた東日本大震災から3年半。のど元過ぎて熱さを忘れてしまうと、天は両手に災いを抱えて怒りだしそうな気がする。この素晴らしい日本の国をきちんと次世代へ引き継ぐ覚悟が必要である。
8月25日(月)晴れ 28℃
今日も厳しい残暑の日差しが朝からそそぐ。その中で稲穂の波が黄金色に輝きはじめている。来月の収穫期を迎え、農家の友人は稲刈り前のいもち病予防の薬の散布に追われている。今後、刈田が増えていくにつれて田園風景は徐々に秋色に染まっていくのだろう。我が家のファームも今日でやっと雑草処理が終わったが、多くのファーム仲間が白菜・大根の植え付けの準備に追われている。農家の友人はこれからの実りの季節を手放しで歓迎しているかと思えば、生産農家の胸の内は少々複雑なようだ。「ことしはコメの買い取り価格が安いからね」。浮かない顔からは農業の現状と労働の疲れがにじみ出る。生産量や作柄の変化、需給均衡など、農作物の価格は条件次第で大きく変わる。不安定な気候は、大規模な土砂災害が発生した広島県のように暴力的な一面もあらわにする。自然の猛威を前に人は謙虚にならざるをえない。二十四節気の「処暑」も過ぎて悲喜こもごもの季節のはざまに暑さがやわらぐころ。後ろ姿を見せる夏に代わり、すぐそこには爽やかな初秋が顔をのぞかせている。
8月24日(日)晴れ 31℃
昨年の今頃、青森県田舎館村を訪れた。目的は「田んぼアート」。水田が黄緑を帯びるこの時季、水田の中で一段と映えていた。色彩の違う数種類の稲で絵を描く地域おこし事業であり、全国的には130カ所を超え、22年目の青森県田舎館村はその代表格でもある。昨年は「おいらん」「マリリンモンロー」であった。有料の展望台もあり、遠近法を駆使した緻密なデザインや構成、色使いなどで評価も高い。やはり実物が一番であるが、今年はどんな絵柄なのかネットで検索してみた。今年の絵柄は「富士山と羽衣(はごろも)伝説」と「サザエさん」。田舎舘村は人口は8200人弱だが、昨年の入場者は23万人という。「全国田んぼアートサミット」も開かれ、関係者が事例紹介や情報交換を通して田んぼ“芸術”の魅力を発信している。観賞期間が5カ月もあって田植えや稲刈りの体験イベントも人気を呼んでいる。これも立派な観光事業であり産業でもある。田舎でも知恵を絞り一層進化させ多くの人を引き寄せる姿勢に拍手を送りたい。
8月23日(土)晴れ 30℃
夏の祭りが終わり、お盆が過ぎると、北国の季節は駆け足で秋へと向かう。今はまだ残暑が厳しく、夏の名残をとどめている。それでも、暮らしの周辺に目をやれば、秋の気配を感じることができる。今日、久しぶりに烏帽子スキー場へ出かけ、薪用の丸太切り、そして薪割機を使い薪割りを行い、気持ちよい汗を流した。烏帽子岳の稜線と青空のコントラストがさわやかである。チェンソーの音にかき消されまいと、草むらから虫の声が聞こえてくる。きっと、しばらく前から鳴いていたはずだ。虫たちには申し訳ないが、これまで気付かなかった。季節の変わり目そして移ろいを覚えているのではないだろうか。虫はなぜ鳴くのか。雄だけが鳴くから、縄張りを他の雄に知らせるためだという見方もあるが、雌を呼ぶためという説が有力らしい。日本では虫の音を鑑賞してきた。虫の音を愛でるのは日本人独特の感性らしい。この秋、小さな虫たちの命の叫びに耳を澄ましてみようか。
8月21日(木)曇り&晴れ 32℃
広島市が大雨に見舞われた。19日深夜から20日未明にかけて安佐北区では午前1時半から3時間の降雨量が、観測史上最多の217.5ミリを記録した。猛烈な雨、暗闇の中、避難できたのだろうか。2階に上がるのが精いっぱいだったのでは。わが家ならどうしただろう? 考え込んでしまう。上空からの映像では、緑の山肌が切り裂かれて、十数本もの土色の筋が入っていた。駆け下りた土砂が同時多発的に襲ったのは、県内にもよくある山際の住宅街である。水を含むと崩れやすい「まさ土」が広がる土砂災害の多い地域とされる。温暖化の影響なのだろうか、1時間に100ミリを超す雨もさほど珍しくはなくなった。災害は突然発生する。自分の住んでいる場所、地域の地形、避難場所等を含めた再点検と同時に家庭内で話し合っておく必要がある。もはや絶対安全な場所などないという気持ちで、腹をくくるしかない時代なのだろうか。
8月20日(水)晴れ 35℃ 猛暑日
ひぐらしは明け方の山林からカナカナカナと涼しげな鳴き声が聞こえる。そして朝の挨拶を交わすように、グループごとに順繰りに合唱を始める。ただその音声が哀愁を帯びていることから、夕暮れの寂しさを象徴し、晩夏の切ないイメージが定着したようだ。今日は仙台河原町の宮沢橋と広瀬橋の間で第25回広瀬川灯ろう流し/花火大会が行われている。ここでは夏の終わりを告げるかのように盛大に花火の音が鳴り響いている。男女カップル、家族連れで笑い声でにぎわっている。虫の世界では同じ声でもセミとコオロギでは仕組みが全く違う。コオロギやキリギリスの仲間は、ご存じ、バイオリンのような弦楽器である。羽と羽をすり合わせ音を出す。一方、セミの場合はドラムのような打楽器で腹部の発音板を振るわせ共鳴させるらしい。鳴くのは雄だけでここでも雌を呼び寄せるためで去りゆく夏を惜しんでいるかのようである。
8月19日(火)曇り&晴れ 30℃
夕焼けは四季を通じて見られるが、夏の季語である。夕暮れが長く、夏の空に壮大な美しさが際立っている。そして見る人の心を揺さぶる力がある。明日は好天だという吉兆とされ、明るい気持ちにしてくれる。稲も夕焼けにきらきらと輝いている。まるで日本の原風景を見るようである。お盆過ぎあたりから、残暑も厳しくなってきているが、今後は晴天が多く、夕焼けに出合えるのはありがたい。今日もにっくき雑草(すべりひゆ)との戦い(手取りから草刈り機へ切り替え)もまだまだ続くが作業の終わったひととき、シャワーを浴びて、うちわ片手に縁側で夕涼みをするのもいい。夕焼けに照らされながら、暮色に包まれるまで夏の思い出とともに時間を過ごす。もちろん、傍らには冷えたビールにトマト・桃があればさらに絵になる。
8月18日(月)曇り&晴れ 28℃
孫との夏休みも終わり、そして今日は郷土代表利府高校が甲子園から姿を消すと、長かった夏も、終わったような気分である。秋来ぬと目にはさやかに見えねども、何か心にぽっかり穴があいたような気の抜けた感じの一日であった。そんな時は汗を流すのが一番と、さっそくパートナーとファームへ向かう。びっしりと雑草(すべりひゆ)が一面に這いつくばるように。。。もう切りがなく、また明日と途中で退散。コロンブスらが活躍した大航海時代に新大陸から欧州に持ち込まれ、世界中に広まった野菜や穀物は数多い。ジャガイモ、トウモロコシ、唐辛子、カカオ豆など数え上げたらきりがない。その中で夏を代表するものといえばトマト。南米ペルーなどのアンデス高原が原産地。鮮やかな赤色は「悪魔の実」と呼ばれ、長らく観賞用とされていた。日本には江戸初期に中国から伝わり食方には家庭や個人それぞれに好みがあるようだ。でも畑のもぎたてのトマトを何も付けずガブリと口にした“夏の太陽味”が一番だと思う。蔵王連峰から吹く風も何となく秋めいた涼やかな季節風のようで主役も夏から秋へと変わろうとしているのかもしれない。
8月16日(土)曇り&小雨 22℃
今はまったく使われない「やぶ入り」という古い言葉がある。やぶの生い茂る田舎へ入る、つまり奉公に出た人が古里へ帰ることを言う。ただし、盆と正月と決まっていた。細かく言えば、正月と盆の16日のことで、昔の奉公人は、1年で2日しかない休みを待ちわびていた。親も同じで、ごちそうを用意して、わが子の成長に目を細めた。親子水入らずの時間は短い。盆と正月が一緒に来た、とはこうした喜びを表していると思う。我が家もささやかなごちそうを用意した。お盆も終わり、ご先祖さまも満足して帰っていったに違いない。子供や孫たちも明日、東京へ帰る。地方の田舎では人口減が続いている。人口減を食い止めるには住みやすく、子育てしやすい環境や、働く場づくりが不可欠だ。ハンドルネーム(悠々田舎人)に願いを込めて魅力ある郷土・地域つくりを目指したい。そして、お祭りや盆踊り等で若者たちの大きな輪ができることを期待したい。
8月14日(木)晴れ 29℃
立秋を過ぎ、青々とした川崎町の水田をわたる風には涼気が感じられる。イネは今、出穂の最中。あと1.5か月も過ぎれば待望の刈り取り期を迎える。米作りは「八十八」と言われるほど手間がかかる。それだけに農家にとって新米の収穫は格別の喜びだ。だが、その前に台風の風水害、そして病害虫の関門が待ち受ける。これからが最後の仕上げでもある。8/13の朝日新聞にうれしい福岡県の方の投書を見つけた。「わくわくした田舎が恋しい」と。<田んぼの間を流れる川で、泳ぎ、探検した。。。街灯はないがきらめく星座が宇宙の神秘を教えてくれた。「経験は宝物」。文明の発展とともに、であってほしい日本の素敵な文化を壊さないで。。。> こうした日本の宝物を子供・孫たちに引き継いでいきたいとファームの草刈りをしながら改めて感じた。
8月13日(水)晴れ 30℃
8月の日本列島を思い浮かべると、日本の夏の夜は、光の祭で満ちている。青森や弘前のねぶた祭は極彩色の武者絵を大行灯に見立てて練り歩く。秋田の竿灯祭は長い竿につるした多くの提灯が夜空に映える。各地で催される花火大会、精霊流し。きょうは月遅れのお盆の入り。年に一度、先祖の霊が帰ってくる時とされる。13日の迎え火で先祖を迎え、15日の送り火で精霊を送るのが一般的だ。我が家も盆提灯を飾る。ゆかしい習わしに「精霊馬」がある。キュウリやナスに4本の足をつけ、馬や牛に見立てて供える。迎えは足の速い馬で、彼岸に帰るのは歩みの遅い牛で、の気持ちを表したものという。昔ながらの盆行事のあれこれや里山の変わらぬたたずまいも心和む風景かもしれない。子供たちも故郷の行事を目に焼き付けてほしいと思う。
8月11日(月)曇り 28℃
今年は立秋(8日)を挟んで台風が相次いで日本列島に接近し、縦断した。大量の雨と強風が襲い、西日本では大きな被害が出た。ただ台風一過の空には入道雲が湧き、真夏の風情が戻りかけており、しばらくは残暑が続きそうだ。甲子園では台風で2日延期された高校野球が始まった。1924(大正13)年、甲子(きのえね)の年に誕生して90年を迎えた甲子園。長い歴史を刻むが、開会式の順延は60年の第42回大会以来という。13日、利府(宮城)は佐賀北との初戦に臨む。利府は宮城大会の決勝進出5度目で悲願を果たした。夏は初出場だが、2009年の選抜では4強入りした実力校で好試合が予想される。過剰な期待は慎みたいが、少年の日の夢をかなえて聖地に立つ選手たちに声援を送りたい。今年も暑い夏がはじまり郷土選手の活躍を期待したい。
8月10日(日)雨 24℃
台風11号の影響で昨夜から雨が降り続け、今日も一日雨模様である。手術後、ビール等はあまり飲まなくなったが、発泡酒と「第三のビール」増税のニュースが流れている。以前は本当はビールが飲みたいが、家飲みは安い発泡酒や第三のビール。夏はこんな日々が続いた。中でも、第三のビールは350ml当たりの酒税が28円と安いのが最大の魅力だ。発泡酒は47円、ビールは77円も含まれている。もともと日本はビールへの酒税が高い。ビール酒造組合によると米国や本場ドイツの14~15倍。ぜいたくな嗜好しこう品と見なされ「世界一税率が高い」上に、消費税が加算されている。その消費税も来年10月には10%に上がる可能性が高い。庶民のささやかな楽しみを奪う増税論議。要するに、ビール税と同様「取りやすいところから取る」発想。国の財政難は分かるにしても、なぜ家計の負担は増し、企業は法人税の減税なのか。納得のいく説明がないままでは、せっかくのビールが喉を通りにくくなるなあ。。。。
8月8日(金)晴れ 30℃
NHK‐BS番組で地球の進化をみていて考えさせられた。自然環境を考えるとき、キーワードとなるのが「多様性」である。動植物から細菌までいろんな種類がいて、森林や湿地、干潟などさまざまな生態系がある。例えば、南極などを除き世界中に存在するチョウの種類は1万7千種以上。日本でも国蝶のオオムラサキやモンシロチョウ、キアゲハなど250種を数える。一方でゾウはインドゾウとアフリカゾウの2種類という。環境に変化が起きたとき、多様な生物群の方が生き残りやすい。われわれヒトは何種類に分かれるだろう。現生人類はクロマニョン人の仲間で、約20万年前に登場したといわれる。皮膚や髪の毛の色、背の高さなど見かけはだいぶ違うが実は、DNAで解析するとヒトはわずか1種類。地球上のあちこちで再び戦火が上がっている。歴史の教訓も顧みず、ヒトという単一種属同士でいがみ合い憎み合うことに、生き物たちも首をかしげているに違いない。まさしく人類みな兄弟である。孫の顔を見ながら、絶対、子や孫を戦場へ送り出してはならぬと思う。
8月7日(木)晴れ 33℃ 立秋
きょうは立秋。「暑中見舞い」から「残暑見舞い」へと“主役交代”である。いくら暑いといっても、「立秋」の声を聞けば、気持ちも変わってくる。古来、日本人は暑さの中でも風の音から秋の訪れを感じ取ってきたが、今日の風の音は東京から、やってきたチビッコギャングのにぎやかな声である。これから楽しみの夏休みのスタートである。今年の日本列島は曇りや雨の地域と、晴天で猛暑の地域に分断されたかっこうだ。四国や北海道などで土砂崩れや洪水などの被害が出ている一方、関東や中部地方は熱中症対策が声高に叫ばれている心配なのが台風11号である。今週末に西日本に接近しそうだ。これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域もあり、今後の台風情報に要警戒である。秋の気配を知らせてくれる風なら大歓迎なのだが…。
8月6日(水) 晴れ 33℃
フォーラムである経済人の話を聞く機会があった。何かを売ったらお代を受け取る。買ったら支払う。商いのイロハだが、豊かな社会を築くためには、新しい経済モデルとして「贈与経済」が必要だと説く。例えば社会的に成功した人でも、単独でそこへたどり着いたわけではない。周りの支えがあって今がある。だから自らの資産を独り占めせず、見返りも求めず、他の人や次の世代に還元する。そうした連鎖が経済のエネルギーになる。これが贈与経済の考え方だ。土台になるのは「親切心」や良き「おせっかい」と感じる。「人に何をしてやれるか」を思う姿勢である。地元企業として「地域のために何ができるか」を考える姿勢が伝わる。贈る行為は、相手への気持ちを見える形にして伝えることでもある。損得だけではないつながりは、日々の暮らしに活気を生む。世知辛い時代にこそ、温かき贈与の心が必要だと感じた。素晴しい話であった。
8月5日(火) 晴れ 34℃
この時季の定番といえばセミの声。早朝から日暮れにかけて街に響きわたる大合唱は季節を象徴する風物詩でもある。今日、群馬の館林市では39.5℃を記録し、東日本の各地では猛暑日が続く。今日外出先の仙台市内でも温度計は36℃を指しており、手にタオルが離せない一日であった。しかし西日本では大雨で大変である。総雨量1000ミリといえば、どれくらいの雨だろう。世界の平均降水量は約970ミリだが、これは年間の数値で、イタリアや英国がこれに近い。湿潤な日本の場合は1718ミリである。台風12号の影響で四国各地は記録的な大雨に見舞われた。高知県の3カ所では72時間雨量が1000ミリを超え、河川氾濫や土砂崩れなどの被害が相次いだ。つまり降り始めからの3日間で、地中海沿岸のイタリアに降り注ぐ1年分の雨が降った計算になる。日本に置き換えてみると、年平均雨量の半分以上、60%に匹敵する。最近の気象現象はとにかく雨、温度ともに極端であり、今までの想像外の状況が続いている。ここでも温暖化の影響だろうか。まずは危機管理の総点検をして身の廻りから備えたい。
8月3日(日)晴れ 30℃
8月に入り、夏も佳境を迎えている。今日は朝から悠々ファーム家族も含め4組のお客さんがいらっしゃった。厳しい暑さが続きそうだが、我が家の前にある田んぼから吹きぬける風が、まるで風の呼吸のリズムで涼感を与えてくれる。そして耳を澄ませば、風鈴が鳴り響き心まで涼やかにしてくれる。〈麦わら帽子はもう消えた…〉と歌いだす、その曲を聴くと、遠い日の光景が昨日のことのようによみがえる。フォーク世代を中心に歌い継がれる吉田拓郎ソング「夏休み」。この曲は今の季節になるとリクエストが絶えないらしく、ラジオからもよく流れる。絵日記、花火、スイカ、ヒマワリ、水まき、夕立、セミの声…。歌詞にちりばめられた夏の情景。麦わら帽子とともに消えゆく「田んぼのカエル」や「畑のトンボ」も登場する。大人のシルバー世代には郷愁を誘う歌詞でなつかしく思う。いや今の子供たちにも、この歌詞のようにいっぱい経験し、夏の思い出をつくってほしい。
8月2日(土)晴れ 32℃
丸森町の竹とうろう祭りで初対面の人とあいさつした際、渡された名刺に思わず見入った。手のひらに載せた光沢も鮮やかなアユの写真。左端に白抜きで大きく自分の名前、そして右端には同じ大きさで「釣りびと」と記してある。ことし定年を迎えたというその人は大の釣りファン。さまざまな土地を訪れては、釣果を楽しんできたそうだ。「釣りびと」の肩書は、そんな人生を端的に表している。強く印象に残る粋な名刺だった。一線を退いたら名刺を持つ必要がないと思われがちだが、そうとばかりも言えない。現役時代の企業や団体の一員としての証しではなく、自らが“主役”の名刺である。でも、いただけない例もある。退職後、自由の身にもなっても肩書きから抜け出せず、やたら私生活にも肩書き(XX部長、XX会長)がないと落ち着かない人である。第2の人生では地域や住民と楽しく関わっていくきっかけにするためにも、趣向を凝らしたユーモア溢れる名刺がいい。地域が活気づくためには、退職者をはじめシニア層の豊富な経験とパワーが不可欠である。その人ならではの粋な名刺が増えてほしいと思う。