「里山の四季(秋)
秋バージョン(9~11月)
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■■■ 秋 ■■■ /Autumn/Satoyama
Autumn/ 田畑を涼風が渡ってくる。
Autumn/ 揺れるススキが秋の紅葉を手招きしているようだ。
Autumn/ 頭を垂れる稲穂も金色に輝き、刈取りの喜びをまっている。
Autumn/ 秋めいた日々が増え、田んぼの空が高く澄みだしている。
Autumn/ 里山はこれからが1年中でいちばんいそがしい季節。
Autumn/ 里山の秋は1年中でいちばん、喜びに満ちた季節。。
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3.雑木林の中で語ろう(11月)
風のない静寂な雑木林に突然、鳥が飛び立ったか、山栗が落ちた音か、クスクスと笑い声をたてながら、一枚、二枚落ちていく落ち葉の音は、耳をくすぐるような心地よさです。この身を雑木林のなかに置く恍惚感は強烈である。色も形もさまざまな落ち葉を拾ってみると、葉の裏にきれいなピンク色をしたビーズのような山こぶがついていた。間伐された倒木が苔に覆われて土に戻るのを静かにまっているのだろうか。静かな語らいがなんとなく似合う秋の雑木林である。
2.五感で味わう雑木林(10月)
秋の雑木林の主役は色彩。落葉する直前の広葉樹の林内には茶色から赤、緑から黄色への無限の色の諧調がある。風と光の微細な演出によって一瞬一瞬表情を変える雑木林。青い空から降ってくる、黄色や赤の衣裳をまとった天使たち。一陣の風が林を渡る時、一斉に乾いた音をたてながらくるくると旋回して林床に積もっていく、それは桜吹雪にも負けない光景です。自分の足で歩いてその広さを感じ、自分の目で林を見比べ、耳で落葉の音を聞き、肌で季節の風を感じる心地よくひとり占めしたくなるささやかな愉しみが秋の雑木林にはあります。
1.里山に金風が渡る頃(9月)
秋の虫と夏の虫がそろって鳴く日、田んぼに機械音が鳴り響く。モーター音を響かせながら巨大なコンバインはぐんぐんと稲株を巻き込んで脱穀し、頭のてっぺんから稲籾を吐き出していきます。一反にかかる時間は一時間弱。小回りの利かない田の隅は、人手で刈り取っている。畦道に座り見ていると、時折ふわりと干し草のいい匂いが鼻をくすぐります。コンバインでカットした稲ワラのこんもりと山になっているところから芳香が漂ってくる。ポカポカのお日さまに誘われて、ワラの上にごろんと寝転んでみました。干し草のベットから見上げる秋空に、トンビがゆるやかに輪を描いている。そして赤とんぼが稲わらに止まっている。日本の黄金の秋はなんて美しいんだろう。